平成24年2月 環境消防委員会

◆内藤智司

 それでは、よろしくお願い申し上げます。
 私のほうから、まず環境部の環境政策課のほうにつきまして、環境基本計画について二、三お伺いさせていただきたいというふうに思います。
 環境基本計画につきましては、昨年度から2年間をかけて改定につき作業していただいてるわけですが、これからの10年先の奈良市の環境基本計画、これを改正されようとしておられます。この間、3.11の東日本大震災を私たちは目の当たりにしたわけでございます。その震災後、世界的にも、特に日本全体が環境に対する意識が変わってきたように感じられます。その変化している中にあって、今回の基本計画改定にどのようにこの震災のことについて影響したのか、その特徴があればお聞かせいただきたいというふうに思います。
 そして、もう1点お聞かせいただきたい中で、先般の12月定例会で、これからの奈良市の環境についてどのような思いを市民に伝えていかれるのかということで代表質問の中で市長にお問いをさせていただきました。市長は、本市には緑豊かな自然環境や多くの歴史的文化遺産があり、これらが奈良らしさを醸し出しており、それらを守り、具体的には地球温暖化対策や資源循環、廃棄物の減量等の環境施策を市民参加で推進することで、これからも奈良に住み続けたいと感じていただけるような環境を目指していきたいというふうに御答弁をされています。基本計画を進めていく上で市民参加で推進するということは具体的にどのようにイメージして進めていこうとされているのか、お聞かせください。
 また、これからの基本計画を推進していく上で、これまでと大きく変わった特徴点をお聞かせいただきたいと思います。

◎大西弘準環境部参事

 内藤委員の御質問にお答えいたします。
 環境基本計画の改定において今回の東日本大震災が影響した点、その特徴についてでございますが、今回の東日本大震災は未曾有の災害でございまして、私たちは改めて自然への畏怖を感じ、我々人類はあくまでも自然生態系の一部であり、大きな環境の中で小さな一員であることを自覚させられることになり、また現在の日本人の暮らしのあり方や生活、社会経済構造を見直し、持続可能な社会をつくっていくことが求められていますと日本の動向のところで記載いたしております。
 そして、分野別将来像の地球温暖化対策分野のところにおきまして、環境対策と経済活動と両立し、ふだんの生活を維持しながらできる仕組みをつくっていくこと、持続可能なエネルギー供給のために地域の再生可能エネルギーの活用を検討することも重要であると記載いたしております。
 次に、環境基本計画を進める上で市民参加で推進することについてでございますが、これまでの環境基本計画は行政が主導して決めたものを市民や事業者の方々と進める形でございましたが、改定を行います次の環境基本計画では、公募市民や事業者等で構成しております市民ワークショップの意見を踏まえ、見直し作業を行っております。計画の段階から市民と協働で行うことによりまして、市民の意見を取り入れ、より実効性のある計画にすることができるものと考えております。
 また、市民ワークショップで選ばれた省エネ、創エネ、資源循環等の6つのリーディングプロジェクト等を市民、事業者と行政が協働して取り組むことによりまして、これからも奈良に住み続けたいと感じていただけるような環境を目指してまいりたいと考えております。
 次に、これからの基本計画を推進する上でのこれまでと大きく変わった特徴点についてでございますが、市民、事業者、行政等によります協働の組織を設置して計画の進捗管理を行うことで、より実効性のある計画にしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。


◆内藤智司

 ありがとうございました。
 今御答弁ありましたように、震災以降、環境に対する考え方、これは大きく変わってきたのかなというふうに思います。国レベルで環境とエネルギー、こういったものを総合的な観点から今見直されようとしております。私たちは一人一人がそれと向かい合っていかなければならないということと思いますが、そのことからも今回の改定は、リーディングプロジェクトを基軸として市民と企業、行政がそれぞれの立場でやるべきことを明確にしていくと。先ほどありましたように、見える化、見える仕組みをつくっていくことが大きなところではないかと思います。地域実行計画とともにロードマップをより詳細にすることで、それぞれの役割が見えてくるというふうに考えます。そのようなところからも、次年度からの基本計画に基づき、1年ごとの活動計画を実施していただきますよう要望させていただきます。
 それでは、次に消防のほうに移らせていただきます。
 消防の広域化につきましては、私も代表質問で質問をさせていただきまして市長にお尋ねしたところでございますけども、先ほど来から各委員のほうから消防広域化につきましては質問等御答弁いただいておりますので、それで理解させていただけたかなというふうにも思います。
 ただ、我々としても、広域化をしていくこと自身というのは反対するものでも何でもないということも主張させていただきましたし、今回の奈良市長の判断は苦渋の選択であったのかなというふうにも考えます。英断をしていただいたのかというふうにも思いますし、我々自身は、市民に対してやはり説明できる判断を市長のほうでしていただけたというふうに考えております。広域化のほうにつきましては、私の思うところを述べさせていただいて質問に入りたいというふうに思います。
 まず、ドクターカーでございますけども、委員会の冒頭でも御報告いただきました運用の件数等についてですが、もう少し詳しい内容と、そのこれまでの効果について消防救急課長にお願いしたいというふうに思います。

◎酒井孝師救急課長[兼]指令課長

 内藤委員の御質問にお答えします。
 先ほど冒頭でも申しましたが、もう少し詳しいことをお伝え申し上げます。
 平成22年10月4日より運用開始させていただきまして、平成23年12月31日までの運用日218日間で出場件数が77件となっております。内訳といたしましては、急病が62件、一般負傷は4件、交通事故3件、自損事故3件、労働災害2件、加害事故1件、運動競技1件、転院搬送1件となっております。いずれの場合にしましても、119番通報のときに心肺停止状態が疑われます場合などに対しまして出動し、傷病者が蘇生された事例もございます。
 また現在、その効果といたしまして、ドクターカー運用に対する検証会等が行われておりまして、また市立奈良病院のドクターと救急隊がいろいろな搬送事例に対する協議も重ねておりまして、質の高い救急サービスの提供ができるように努めているところでございます。
 以上でございます。


◆内藤智司

 そしたら、もう1点お聞かせいただきたいんですが、もう多分予算要求もヒアリングも終わっている中で、次年度、今後のドクターカーの運用体制についてどのようにお考えされているのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

◆内藤智司

 ありがとうございました。
 ドクターカーの運用につきましては、今御答弁いただきましたように、運用開始から多くの出動件数があり、また多種多様な範囲で活躍いただいているということについても御答弁いただけたというふうに思います。特に、蘇生された事例もあったというところからすれば大変大きな成果が見られているものというふうにも考えます。次年度からさらに運用体制を充実していこうとされていくことは、市民の安心をさらに確保していただけるものというふうに考えます。早期に24時間体制が確立できるよう要望させていただきまして、この件については以上でございます。
 次に、AEDのほうについて御質問させていただきたいというふうに思います。
 今、AED、各公共団体というか公共施設のほうにもつけていただいておりますけども、こういった中で、突然例えば心臓や呼吸がとまったという人のためにそういったAEDを使うんですが、一般の人が使用することができるようになった今日、消防局のほうでは救命講習等にあわせてこの使い方等についても指導してきていただいているところでございます。
 そこで、今まで一般の方が使用された実績等があればお聞かせいただけたらなというふうに思います。

◎酒井孝師救急課長[兼]指令課長

 内藤委員の御質問にお答えいたします。
 今まで一般の方が使用された実績についてでございますが、平成16年7月にAEDが一般の方にも使用できるようになり、そのことを受けまして、救命講習会等におきまして今使用方法を指導させていただいてるところでございます。
 救命に必要な手法の1つといたしまして、早い119番通報はもとより、救急隊が来るまでの間に早い応急手当て、その1つとしてAEDの使用をすることにより、救命の効果が期待されているところでございます。
 一般の方による使用の実績でございますが、統計をとり始めさせていただきました平成20年より平成23年までの4年間で計44回の使用件数の報告がございます。その中で、蘇生された件数というのが2件となっております。使用にあっても年々ふえているという現状でございます。
 以上でございます。

◆内藤智司

 そしたら、あと数点ちょっとお聞かせいただきたいんですが、今御答弁いただきました中で奈良市内におけるAEDの設置箇所については今、県・市のホームページでその設置箇所が掲載されているのも確認させていただきました。県のホームページでは、現在、奈良市内には198カ所、約200カ所ある中で、奈良市の公共施設には173カ所、これ7月現在の数字やったと思うんですけども、台数にして179台が今設置されております。ちょっと確認させていただいたんですが、現在、その中でも民間の企業とか団体のほうにも自主的に取りつけをされているところもあるというふうにも思います。そういった設置箇所について消防局として把握されているのか、お聞かせいただきたいと思います。

◆内藤智司

 今申しましたように、今、多くの奈良市内の企業においてもAEDが設置されている状況にあります。これは、そこに働く社員とか、特に銀行等におきましては来られたお客様の対応に設置されているというふうにも思いますが、ただ、その使用に当たっては、その企業、団体で消防局の指導も含めながら訓練等含めて設置されているというふうにもお聞きしております。
 ただ、これらを企業とか団体さんはその社員とか自分らの独自でつけておられるんで、そういった方々の意向というのも聞いていかなければならないというふうに思いますが、これらを公共的にやはり提供していただいて、消防局がそれを把握していくことによって、より効果的なAEDの活用ができるというふうにも思いますが、その点についての考え方をお聞かせいただきたいと思います。


◆内藤智司

 ありがとうございました。
 AEDの設置に対する効果というのは、先ほど御答弁ありましたように、その中で現在、2件蘇生されたという実績もございます。やはり1件でも多くの方が命をつなげるということについては大変大きな成果といいますか、期待ができるものであるというふうにも私は考えます。そういった意味では、民間・官を問わず設置していただいてるところについて、消防局がより早い情報をもって伝達できる、そして、できたらAEDマップというものができて各市民の手に渡るような形になれば、より効果的な運用ができるのかなというふうにも思いますので、その点も今後検討していただけたらなというふうにも思います。
 それから、聞かせていただいた中で、例えば各公共機関につけてあるAED、消防署が管理している分については消防署で管理していただいてると思うんですが、各公共施設についてある分についてはそれぞれの公共施設でその管理をされてるというふうにもお聞きしております。これは、消防署がその全体をつかんでどうのこうのということはできないと思うんで、副市長のほうに要望させていただきたいんですが、やっぱりメンテというものが非常に大事になってきます。
 電池にしても、メーカーによっては2年とか3年とかいう部分もありますし、パッドなんかは一遍使用すれば使い捨てみたいな形で取りかえていかなあかんという形にもなりますし、それぞれの公共機関が買い取りでつけておられるのかリースでつけておられるのか、またそのリースの中身は、今言うてるように会社によってはリース会社の契約の中でメンテをどういうふうにされてるのかということも非常に−−やっぱりいざ使うときに使えないとか電池切れやとかいうことになっては、せっかくつけていただいてる分について効果がないんで、そういったメンテナンスの部分も、公共的につけていただいてる分については全体的にそういった把握が必要かな、管理が必要かなというふうに思いますんで、その辺もちょっとまた今後御検討いただけたらいうふうに思います。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。