令和2年9月 定例会 09月14日

令和 2年9月 定例会 09月14日

【1、新斎苑建設事業に関連して】

【2、本庁舎の耐震工事の関連について】

【3、新クリーンセンターの建設事業関連について】

【4、仲川市長の3期目のマニフェストについて】

【5、地域自治協議会の設立の支援について】

【1、新斎苑建設事業に関連して】

◆内藤智司

 奈良市の重要施策である新斎苑について、さきの会派代表質問において、新斎苑事業は現行どおり進んでいると答弁があり、我々も現地を視察し、その進捗状況について確認した。また、12月からは建設工事にも着手し、その実施設計も完了している旨、市長から答弁いただいた。  現在、新斎苑の橋梁建設や敷地の造成工事で費用の増額が見込まれ、精査、協議中ということで、今後、補正予算が示されると思うが、建築、建物において増額を伴うような設計変更があり得るのか?

◎市民部長(深村浩)

   基礎工事においては、地盤の掘削工事等を伴うので、地盤の状況や発生土量の増減に伴う設計変更の可能性はあり得ると考えている。しかし、躯体工事や外構工事、設備工事や内装等の仕上げ段階では、大きな設計変更の可能性はないものと考えている。

◆内藤智司 

 それでは、今、市民部長から基礎工事については大きな設計変更の可能性はないとの答弁をいただいたが、市長の見解はどうか?

◎市長(仲川元庸)

  新斎苑の工事については、様々な工事の工程の中で変更が生じた部分について、事業者側とも協議を行っている状況だ。今、市民部長のほうからは建築部分、いわゆる建物の部分については、これはまだ着工もしていないが、今の段階の見通しとしては、大幅な変更はないであろうという見立てをしている。

◆内藤智司

  それでは、市長の任期は来年の7月までとなっている。これは我々の任期も同じだが、新斎苑の工事は市長の任期以降も続くわけだが、建設工事での大きな設計変更がないというのであれば、市長の任期中に増額の予算を提示し、新斎苑建設の総括を市民に報告することが必須ではないかと考える。来年度当初予算、または遅くとも来年6月での補正予算を提示し、議会の審議を受け、我々もこの新斎苑の事業に対して議決したということを市民に報告するのが筋であると考えるが?

◎市長(仲川元庸)

  まだ協議等を行っているところがあるということなので、全体的な変更については最終的に総額が確定をした段階で、予算の確保に向けて手続を踏みたいと考えている。

◆内藤智司

  次に東山霊苑火葬場の敷地について、地権者である西勝寺との間で交わされた合意書において、本年度末までを借用期間とし、来年度には取り壊すという内容であったと認識している。これは、現在建設が進んでいる新斎苑の工事が、当初は今年度末で完成するとの見込みから締結されたもので、新斎苑の完成が当初計画から約1年遅延するという状況では、地権者の方に東山霊苑火葬場の借地期間延長をお願いする必要があると考えるが、地権者の方との借地期間の延長協議はどのような状況なのか?

◎市民部長(深村浩)

   東山霊苑火葬場の敷地については、東山霊苑墓地の敷地と併せて地権者である西勝寺様と借地契約を交わし、借用している状況だ。その中でも火葬場については、過去からも早期移転を求める請願が提出されるなどしており、本来であれば今年度末に東山霊苑火葬場の稼働を停止して、来年度には取り壊す約束をしていた。

 ところが、新斎苑の完成が約1年遅延することが明らかとなったため、白毫寺町連合自治会の皆様にはこの借地期間の延長についても御協議いただきたい旨を市長からも提案した。これを受けて、今年度から地権者の方も含め、白毫寺町連合自治会の皆様とは借地期間の延長をお願いするとともに、新たな借地期間等を定めた合意書の締結について協議を進めている。

◆内藤智司

 次に、新斎苑の完成時期や利用される市民の方のことを考えると、東山霊苑火葬場を必ず1年延長して使用する必要がある。ただ、白毫寺の方にとっては過去数十年、火葬場の移転を要求してこられた問題でもあり、やっと移転、取壊しのめどが立っていたにもかかわらず、ここにきて1年の使用延長ということについては、簡単に地元の皆さんには納得してもらえる問題ではないと思う。市として、白毫寺の方に納得してもらえるような提案などをお持ちなのか?

◎市民部長(深村浩)

  現在、協議を進めている中では、借地期間の1年の延長と併せて、火葬場の取壊し期間の1年延長に関する合意書の文面の記載内容について協議をしている状況だ。  現時点で市のほうから何か特別な提案をしているということはなく、まずは地権者である西勝寺様や白毫寺町連合自治会の皆様のお考えや思いをしっかりとお聞きして、今後の対応を検討していく必要があると考えている。

◆内藤智司 

 今、東山霊苑火葬場の借地期間延長の協議は誰に指示しているか?

◎市長(仲川元庸)

  私からも地元の皆さんとの協議の場において、ぜひ借地の延長についても御検討いただきたいということを以前にお願いしている。現在のところは部長級での地元協議を行っているので、都度、副市長を通じて部長にも指示をしながら、地元と良好な関係を築けるように、指示している。

◆内藤智司

  それでは、現状の協議内容については、都度、報告を受けているか?

◎市長(仲川元庸) 

おおむね理解をしている。

◆内藤智司

 白毫寺の方はこれまで火葬場の早期移転と取壊しを求められて、やっとこのめどが立ったと思った、安堵されていた中で突然1年の延期というのは、ある種の怒りと不安の中で市と協議されているのだろうと思う。これをまとめるのは並大抵のものではないと感るが、一方、これは今年度中にまとめなければ市民生活に大きな支障を来す問題でもあろうと思う。

 現況を把握されているのであれば、そして担当部として特段の内容を提示できておらず、協議が難航しているとすれば、市長が直接関係者と協議の場に参加し、その場での決断も必要と考えるが?

◎市長(仲川元庸)

 地元の皆様方との間においては、長年の東山霊苑火葬場への取組に対する御協力をいただいている対しては、重ね重ねお礼を申し上げ、そしてまたこの1年間の借地の延長については、地権者である西勝寺さんをはじめ多くの皆様方にも、これまで共通の課題ということで認識をいただいた。

 地元に対して何か特段の対応ということではあるが、やはりこの借地1年延長という短視眼的な部分だけではなくて、地域が望んでい今後の地域の全体的な活性化をどのように図っていくかということについては、まだ協議途上のところで、その中にしっかりと地元の御意向も盛り込んでいけるように、私が先頭に立って調整を図りたいと考えている。

◆内藤智司

 期間は令和4年4月にということになれば、1年延長というのは先ほど申し上げたように、これは必須だ。今、市長がおっしゃられた今後においてもというのは、当然それは地元の皆さんに理解をしていただきながらしていかなければならないと思うが、まず1年延期ということと今後の運用ということについては、一定、切り離して交渉しなければいけないのかなというふうにも思うので、意見を付しておく。

【2、本庁舎の耐震工事の関連について】

◆内藤智司

 これまで昨年度に認めた工事の当初予算31億円に加え、今年度、当初予算として認めた1億9300万円が現予算としてあるが、現在、予算範囲内で工事内容の精査が進行していると聞いている。今定例会で補正予算がなされなかった中、今年度中の竣工を考えると12月定例会には提出が必須ではないかと思うが、いまだに補正予算を計上するかどうか見通しがないということか?

◎総務部長(吉村啓信) 

 これまで行ってきた耐震改修工事について、様々な工種において、工事前の現場調査と実際に工事を進める中で判明する変更が生じてきている。これらについて、当初の設計と実際の施工との差について、設計変更が必要となっているため、その精査に時間を要している現状だ。  現在、まだ着手していない工事として、非常用発電機設置に伴う中庭部分の掘削や中央棟低層部の屋上防水工事などがある中で、今後の工事内容が原設計での想定を上回る場合には補正予算が必要となってくるが、補正予算を計上するか否かの見通しについては、具体的にお示しできる状況ではない。。

◆内藤智司 

 耐震工事、長寿命化工事の竣工は、予定どおり令和2年度末でいいのか?

◎副市長(西谷忠雄)

  ここまでの工事の進捗状況については、全体としてほぼ順調に進捗している。工事の竣工に関しても、予定と変わらず令和3年3月中に完成できると考えている。

◆内藤智司

 それでは、補正予算が発生する場合、どのタイミングで提出を予定されているか?

◎副市長(西谷忠雄)

  今後、工事費が不足して新たに補正予算が必要になった場合は、速やかに直近の議会に提案をし、議会での御審議をお願いしたいと考えている。定例会で提案をするとなると、令和2年12月定例議会に御提案をしたたいと考えている。

◆内藤智司

 それでは、もう一点、現時点で補正予算を計上できる状況でないということはお聞きした。私は当初よりこの工事担当課の職員の体制について、ずっと指摘をしてきた。現在の業務量から、設計変更箇所が多岐にわたる工事量の積算業務は非常に大変な作業であると認識するが、どのように考えているか?

◎副市長(西谷忠雄)

 庁舎の耐震化工事のように建物、施設全般にわたっての大規模な改修工事については、設計時の調査や想定と建築躯体、内部構造の見えない部分など、工事着手の段階で発見できる相違や、劣化状況に合わせた工法変更が生じることについては、理解している。そのため、担当課には工事を進捗させることと並行して、変更内容の精査や新たな積算業務を行うことの業務量増加への対応として、建設営繕工事に精通している複数職員を短期的ではあるが従事させ、集中的に作業を行うように措置しており、他の部署からの協力体制をお願いしている。

◆内藤智司

 体制を整えてということなので、ぜひともよろしくお願いしたい。  本庁舎の耐震工事の基本構想時点での概算予算は、37億円だったと記憶している。その後、何度かの市長からの提案では、勉強会等で29億円になったり、最終的には昨年6月に提案された補正予算は、32億円だと記憶している。あと、アスベスト等の補正予算によって、現予算は35億円程度とも、先日、御答弁されていたと思う。常識的にはないと思うが、今後の補正予算によっては、結果として当初の概算予算の37億円を超えるとか、まして40億円でしたというようなことはないか?。

◎市長(仲川元庸)

 精査等の上で追加的な予算措置が必要であれば、またお諮りをする。現状でそれがどれぐらいの規模になるのか、また補正が必要であるのかということについても、精査を行っている段階だ。

◆内藤智司

 補正が必要であるかどうかという精査なので、常識的な範疇と受け止めておきたいと思う。

【3、新クリーンセンターの建設事業関連について】

◆内藤智司

 令和2年3月定例会の本会議における我が会派同僚議員のクリーンセンター事業の道筋を具体的にどうつけるのかという質問に対して、答弁をされている。答弁の内容に現時点で変わりはないか?

◎市長(仲川元庸)

 3月定例会で山出議員の代表質問に私がお答えをした内容ですね? 非常に幅広い定義であると認識をしているが、広域化の枠組みを確定することが重要であり、併せて建設候補地の地権者の皆様との合意形成を図り、建設候補地を確定することが最も重要であると考えているという内容には変更はない。

◆内藤智司

 それでは次に市長へ、上田大和郡山市長のコメントによるタイムリミット(令和3年度末である)は、新聞報道で知らされたと御答弁をされていたが、このことはいつ認識したか?

◎市長(仲川元庸)

 まさに先日もお答えをしたように、新聞紙面で拝見をした。

◆内藤智司 

令和2年3月定例会の本会議における我が会派の同僚議員の、「市長は、2市2町のトップの意向は直接確認されていますでしょうか。」との質問に、市長は「各首長の意向を確認しているのかということでございますが、当然でございます。私自身がお会いする中で様々な意見をいただいております。」と御答弁されている。大和郡山市の方針はこの時点では既に示されていたということは、私たちも当時の副市長にお会いし、確認している。このことは、大和郡山市議会にもそのことを同時に確認している。このことは、当時の副市長は奈良市にも伝えているとのことだった。3月の時点で市長はどのように認識されていたのか?

◎市長(仲川元庸)

 先日の新聞紙面、これは報道でございますのなので、いわゆる公式見解を直接伺ったということではないかと思う。我々としては、先日の8月に開催をした会議の中で、大和郡山市の現清掃センターは奈良市と隣接し、両市の住民の協力を得て30年経過をしている、新クリーンセンターについてもそれらの住民の理解を得なければ難しいと考えているというのが、あくまでも公式見解であると認識している。

◆内藤智司

 このクリーンセンターの七条への移転というか建設については、市長は昨年の12月の定例会において我々に公表されたわけで、そこから公式といえば公式に関係する4市と協議を重ねてきたと思う。

 ただ、市長おっしゃるように、リミットを正確に伝えられたというのは、この間の報道が初めてだと思うが、大和郡山市は15年もつ基幹改修を行って、令和14年度末にはストップしなければならない。5年経過した後には、建て替えかどうするかというのは議論をしなければならない。それが残された期間があと2年であるということは、今年の3月におっしゃっておられた。その時点で、奈良市が土地の買収が終わりというかめどがつき、そして広域化というところにきちっと着手できるというところであれば、検討していくこともあり得ると表現をされていたと私は記憶している。

 大和郡山市はあそこに建てるのに30年前、そんなに簡単にあそこにクリーンセンターを造ったということではないと想像する。うちの新斎苑においても、やはりああいった施設については非常に長い年月、そして地元、地権者との交渉に対して、精いっぱいの努力をしながら歩んでこられたと思う。去年の12月に七条に場所を移す、そこから地元、地権者、それから県、大和郡山市の協力を得ていくということになれば、やはりまだまだ先の長い交渉をしていかなければならないと思う。

 市長の任期は、先ほど言いましたように7月です。次の選挙に市長が出られるのか出られないのか、その去就はまだ明確にはされていないが、もし次の選挙に市長が立候補される、出馬されるということになれば、新斎苑の場合はそれを争点にして政局のような選挙になってしまうが、今回はこのクリーンセンターを争点とせず、やはり地道な交渉を今後も行っていかなければ、この話は成立しないと思うので、そのことについては申し述べておきたい。

【4、仲川市長の3期目のマニフェストについて】

◆内藤智司

 マニフェストの中に一つ、トップダウンの改革から、職員が自ら行動・変革する組織についてということをマニフェストに上げている。自らの所信表明においても、これまで2期8年において、改革のスピードを上げるため、トップダウンで大なたを振るうこともあった。しかし、次の4年間は、職員自らが自己変革をする内側から市政改革を目指したいと考えていると述べられていた。これまでの取組を総合政策部長にお答えいただこうかと思ったが、いろんな取組についてはそれまでの委員会、議会で私も質問して、ある一定の取組については理解しているつもりだ。  マニフェストにまで上げられて組織を変えていく、トップダウンの改革から、職員が自ら行動・変革する組織について、現在の市長の評価は?

◎市長(仲川元庸)

 当然のことながら、厳しく対応すべき部分については厳しい対応をしていく必要はあるが、組織の中から改善の提案であったり、また、様々な創意工夫が、発案が上がってくるということが、私は望ましい姿であると認識をしている。まだまだ十分ではないという認識も持っているが、徐々にじわじわと組織改革の研修なども含めた様々な効果が見えてきている途上にあると認識している。

◆内藤智司

 この件については、私は常々、委員会、議会で取上げていて、今の奈良市の現状も含めて、市長自らにもお尋ねしてきた。しかしながら、今、市長に答えていただいた状況は、我々側としても見えづらいと思っている。  例えば今、重要課題であります子どもセンターについても、今、一体どうなっているのか、様々な担当課に聞いたが、答えが返ってこない。今の状況がどうなっているかも分からない。そういった意思疎通が本当に見られているのかなということを前回の総務委員会でも副市長にお尋ねしたが、一丸となっていく努力は必要であるということはおっしゃったが、今、市長がおっしゃっているような成果というのは、残念ながらお答えをいただけなかったと思っている。あと残された任期、本当に職員の皆さんがやりがいの持てるそういった取組が、組織ができるように努力をしていただけたらありがたいと思っている。

【5、地域自治協議会の設立の支援について】

◆内藤智司

 地域自治協議会における行政の窓口の一元化は、当初から大きな課題である。各種団体への補助金等の一本化についてどのように考えているのか?

◎市民部長(深村浩)

  実際に地域自治協議会の運営に関わる方々からも御要望いただいており、市としても、市民ニーズに沿ったより効果的な活動をしていただくためにも、補助金の一本化は有効なものと考えている。現在、このことについて関係課で協議を行っているところであり、今後は地域の皆様の御意見も聞いていく予定だ。補助金一本化が可能な地域から、令和3年度の実現を目指して事務を進めている。

◆内藤智司

 ただいま具体的な時期を御答弁いただいたと思う。既に地域自治協議会を立ち上げている地区、準備会で立ち上げを検討されている地区にとっては、これは大いに歓迎されるところであると思う。また、このことにより先例の地区が成果を上げれば、一気に地域自治協議会は奈良市全体に展開していくものと考える。各地区の地域自治協議会では、来年度の業務計画を作成していかなければならない時期にある。予算編成に大きな影響を与えるものであり、一刻も早期に環境整備をするべきと考えるが?

◎市長(仲川元庸)

 自治協議会を設立することによる具体的な変化の一つとして、大変分かりやすいものであると認識している。来年度の事業計画、予算についても、各地域で今年の終わり頃からつくられると考えているので、なるべく早く市の方針を確定させて、また、地域の皆さんの集まりなどで素案を御説明申し上げ、また、いただいた御意見を踏まえて改善し、早急に制度設計を確立させていきたい。

◆内藤智司

 私も地域でこのことは本当に積極的に推進している立場から、早期の制度設計をよろしくお願いを申し上げたいと思う。

 最後に市長に申し述べておく。

 先日の我が会派の同僚議員の代表質問において、市長の御答弁は、私は何一つ誠実に答えていただけなかったと思っている。我々は政策プロセスを問うたわけであって、その時々の変更した理由を聞いたわけではない。そのことについては残念な思いだ。その上で、精いっぱい自分の言葉で市長の政治姿勢に対し、質問した内容を重箱の隅扱いされたことは誠に残念だ。

 我々議員は限られた時間の中で、膨大な情報とデータを持っておられる理事者、執行部の皆さんに対して、与えられたごく僅かな情報を基に研究と研さんを重ね、多くの課題に膨大な時間を費やしてここに立っている。ましてや1期目の経験の浅い中で会派の代表質問に果敢に挑戦し、精いっぱい自らの言葉で臨んでいる者に対して、今回の対応は、繰り返し申し述べておくが、誠に残念でならない。以前、市長は私の行動に対し、内省することを求められたが、今回、市長には内省されることを望む。