奈良市 令和5年10月 市民環境委員会 10月31日-01号
極楽坊あすかこども園・飛鳥地域ふれあい会館について
◆内藤智司
厚生消防委員会での樋口委員や、早田委員の質問で、他部署の案件も含めて、「なぜこども未来部が全体の行革スキームを調整したのか」といった質問に対して、鈴木副市長からは、「話のスタートが幼保再編であったので、こども未来部だけでスタートした」という答弁があった。各部に情報共有しながら連携して進めているとの答弁があったが、実際のところこども未来部からいつどのような話があったのか?
◎高本英明地域づくり推進課長
飛鳥幼稚園及び極楽坊保育園跡地を活用して公民館機能を集約した地域ふれあい会館を建設するという方向性について、子ども未来部より令和2年6月に情報共有があった。その後、極楽坊保育園の運営法人が飛鳥幼稚園の跡地へ新園舎を建設するという方針になったことから、令和2年10月には本市が保育園の跡地を活用して地域ふれあい会館を建設する方針であるということについて情報共有があった。
◆内藤智司
では、関連して、旧飛鳥幼稚園跡地及び旧極楽坊保育園跡地の一体的活用等の政策調整過程に関する全ての資料から尋ねる。厚生消防委員会で出された資料だ。
その資料から、令和2年6月、17日に子ども未来部より飛鳥ふれあい会館新設の調整経過の説明があったとされている。そのときの内容は?
◎高本英明地域づくり推進課長
令和2年6月2日に行われた市長との調整により、飛鳥公民館を廃止して、地域ふれあい会館に移行することとして、また、飛鳥幼稚園及び極楽坊保育園の敷地内で地域ふれあい会館の新設を進めるように指示があったことが子ども未来部より伝えられた。その際、地域ふれあい会館の新設については既存施設の改修で整備している地区とのバランスや、また、他の地域ふれあい会館との広さのバランスについて議論があった。
◆内藤智司
この間に出された資料の中では、他の地域では狭隘なところで我慢しているということで、今回この広い土地、新築というところについて説明ができないのと資料の中の表現にあったかと思う。また令和2年6月17日、ここは1つの潮目だ。
では次に、子ども未来部から話を聞いて、今回の行政のスキームが行政としておかしいと思わなかったのか?
◎高本英明地域づくり推進課長
幼保再編に伴う土地の一体活用、また、公民館機能の新たな地域ふれあい会館への集約といった点について総合的に検討された結果と認識している。
◆内藤智司
総合的に検討された結果と認識している、それも後ほどまた意見のところで言うが、次に、子ども未来部から引き継いだ後、地域づくり推進課は誰とどのように話を進めてきたのか?
◎高本英明地域づくり推進課長
極楽坊あすかこども園の移転のスケジュールを踏まえ、庁内で具体化に向けて調整を行った。地域との協議という点では、令和5年度からの地域ふれあい会館建設の事業化に向け、当課としては、令和4年度から地区自治連合会長を兼ねる地域自治協議会長と調整を行ってきた。
令和4年8月には、地域自治協議会長のほか役員2名に対して、公民館機能の集約を行って地域ふれあい会館を建設する方針であることをお伝えして、その後、地域では11月には新たな地域自治協議会長と地区自治連合会長に交代したが、引き続き会長や役員と調整を行ってきた。
◆内藤智司
今回地域づくり推進課としては、谷田部長は昨年から就任、高本課長についても昨年からで、今回これに直接携わられたのは今年の1月に入ったぐらい・・・。多くはその前任者の部長、課長を中心にされてきたとおもっている。その中で地域との関わりがこうであったということ。
しかし、地域と調整したと言いつつも、地域の多くの皆さんとその話が共有されていなかったいうのは事実だと思う。
今回携わって、地域の方と調整する上で問題はなかったのか?
◎高本英明地域づくり推進課長
地域ふれあい会館の建設について、地域自治協議会の会長や地区自治連合会の会長と調整を重ねて、また、それを踏まえ、地域にお伺いし説明するなどしてきたが、地域の御理解を得るという点に関しては、地域の方に広く伝わっていない面もあったのではないかと考えている。
◆内藤智司
賃借料の予算案を編成するに当たって、今現在、借地をしてまで新設することを課長としておかしく思わなかったのか?
◎高本英明地域づくり推進課長
借地ということで、市有地で整備をしている他の地域とのバランスとしてどうかという懸念はあったが、幼保再編に伴う土地の一体活用を図る上で、この土地の賃借についても市として必要と判断したものであると認識している。
◆内藤智司
今回のスキームをよしとするならば、借地して地域ふれあい会館を建設するという1つの前例ができる。今まで借地しての学校とか園はあったが、ふれあい会館、地域の施設というのは今回が初めてだと思うが、その前例ができたことによって、今後地域から様々な要望が、他の地域でも借地して新設してほしいという要望になってくるのではないか?
◎高本英明地域づくり推進課長
地域ふれあい会館については市有地での整備を原則としているが、この飛鳥地区におけるスキームということに関しては、幼保再編や公民館の機能集約などを行う上で、地域ふれあい会館用地として当該用地が適しているという結論に至り、その結果として借地を必要とすることとなった。他の地域でも必ずしも借地をして建設するということではないと考えている。
◆内藤智司
ふれあい会館の整備の考え方を示すべきではないか?
◎高本英明地域づくり推進課長
地域の拠点施設の整備方針に基づき、地域自治協議会の活動拠点として設置することを基本としている。
その整備に当たり、行財政改革の視点や公共施設等総合管理計画の考え方を前提としながら、既存施設の改修等を原則として、地域と協議を行いながら整備を進めていきたい。
◆内藤智司
次に、真銅副市長に問いたいが、先般の厚生消防委員会で鈴木副市長は、令和元年10月に地域から閉園後の飛鳥幼稚園をふれあい会館として活用したいとの要望書が出ていた、に対して、市は一体化の話もあり、この土地は市としては借地をしている土地であるのでということを理由に、その要望に応えることは難しいと答弁している。
一方で、令和2年の地域要望で、運営法人の土地を借用して新設することに対して、「これは矛盾がないのか?」と同僚議員が質問した際に、鈴木副市長は、「時期的に地域から御要望をいただいたときのこちらからの回答をさせていただくタイミングと現在のタイミングの状況が異なっているので、そのような内容になっております」とのこと。
だから、令和元年のときは、それは借地だから駄目だということ、だが、2年のときはそのところを借地して新設してほしいということに対して、こども園の跡地を借用してやりましょうという答弁をされている。タイミングの問題なのか、真銅副市長の認識については?
◎真銅正宣副市長
この令和元年のとき、私、子ども未来部長をしていた。当時飛鳥幼稚園というのは非常に過少規模で、本当に園児が少ない、数十名という園だった。対して隣の極楽坊保育園というのが300名近い園児の方が生活していて、その敷地というのは飛鳥幼稚園の半分ぐらい、非常に狭いところで園児さんが生活をしていると。
そのような状況で、極楽坊の子供さんが、狭い園庭から隣の飛鳥の広い園庭、がらがらの園庭をずっと見ているという姿を我々も見ていたし、本当にこの子供たちのこの環境、こういった矛盾を何とかしなければと。そのための行政だと、ともかく当時の職員は本当に頑張ってくれた。
そんな中で、何とかこの極楽坊保育園にそういった1号さんを見てもらう、統合していくこと、そしてその後、そこをこども園にしていこうと、そういう計画を考えていた。
なので、飛鳥幼稚園のその敷地に関しては、本当に子供たちのために運営法人に活用していただきたいという考えであったため、この土地というのは、市として飛鳥幼稚園を閉園するということにしたので、それを解消するという予定であった。
飛鳥幼稚園の運営、目的がなくなるということで、その敷地は市がその後借地をするというものではなくなるということで、地域ふれあい会館用地としての要望ということを受け、そういった事情があるということで、それにはお応えできないという旨を回答したというのが当時の私の認識です。
一方で、今回の極楽坊あすかこども園移転後の跡地については、先ほど説明があったとおり、この幼保再編に伴う一体的な土地活用を図る中で、駐車場や防災拠点としての敷地を確保できると、そういった点で地域からの要望のあった地域ふれあい会館用地として適していると、そういう判断があったため、結果として借地をすることが必要となったという認識です。
◆内藤智司
教育委員会から案として提案された公民館の地域ふれあい会館への移行について、9月定例会でも社会教育、生涯学習の維持などの面から、各会派、各議員から反対の意見があり、また、多くの市民からも様々な形で懸念する御意見が上がった。
一方で、仮称飛鳥地域ふれあい会館建設事業は、既に公民館を廃止することを前提として予算化されている。議会での審議を経て、市長は公民館の廃止については撤回すると発言されているようだ。これはまだ議会でははっきり確認できていないが、今後、飛鳥地区における地域ふれあい会館の建設について、市民部を所管されている真銅副市長はどのように考えているのか。
◎真銅正宣副市長
仮称飛鳥地域ふれあい会館の建設については、令和元年度に飛鳥地区自治連合会から要望があったため調整を進めてきたものであり、その整備に当たり、飛鳥公民館の老朽化、駐車場が狭い等の課題解決を図るとともに、新たな地域ふれあい会館への機能の集約による行財政改革を図ることとして進めてきた。
この方向性を前提として、飛鳥地区において、地域自治協議会長や地区自治連合会長をはじめ、地域の方々と協議を進めてきた。一方で、地域において、特に公民館の在り方については社会教育施設としての機能や生涯学習の機会が失われるなどそういった懸念から、公民館廃止に反対される御意見もあったものと認識している。現在の状況を踏まえ、当初計画をしていた公民館機能を集約した新たな地域ふれあい会館の建設は中止した。
今後、飛鳥地区における地域の拠点や地域ふれあい会館をどうしていくかという点については、改めて調整していくことが必要だと考えている。
◆内藤智司〈意見〉
まず、建設の継続を無理だとなぜ判断したのか?誰が断念を決断されたのか?こういうところは今後の議論だと思う。
それと地域との協議の方法、これは適切であったのかということを甚だ疑問に思っている。確かに私の住む明治地域も幼稚園を閉園して民間の保育園、そのときの担当課長から相談があった。その当時の連合会長に相談して、私の地域には自治協議会という組織があったので、地域の各種団体の方々、全部で30人ぐらいを招集し、その1年間、この幼稚園をこども園化するのに地域としてどう関わっていくのかを議論して、当時の課長が来られて、あのとき部長も来られていたと思う。
分館もふれあい会館化するのに1年かかっている。当時、高本課長、大変御苦労されたと思う。私の地域もやっぱり大分最初は反対なりいろんな意見があったが、最後は全員、それでいこうと。これが地域との協議ですよ。
連合会長と協議した、自治協議会の会長と協議した。これでは地域の協議にはなっていない。そこから下に下りていないから今回のようなことが起きたのではないか。今回のケースだけでなく、例えばあやめ池とかのとこでも、地域に協議している、そこの連合会長だけだ。実際の地域の自治会長とか何にも聞かされていない。
行政としては今後そこのところはちゃんと確認すべきだと思う。私の地域だけじゃなくて、いろんな課が地域と関わって行政をしていこうとしたら、地域全体にきちっと周知して、確認してという行為が必要と思う。連合会長とか自治協議会の会長というのはそこで音頭を取るだけだ。そのことははっきり言っておく。今回のケースを踏まえて。地域との関わり、協議というのは、手順を踏んでいくことが、後々スムーズに行政を進めていけると思っている。
それから、令和2年から令和5年までの間の各課の動きが全然見えていない。子ども未来部、公民館の教育委員会も、ふれあい会館もそうだ。その間の動きが全然見えなくて、今年当初予算を決めるに当たって、ばたばたと何か動いたから、その辺の関係が全然分からない。
土地活用において、ずっと市が言われてるのは、一体的な活用をしていくためって説明されている。そもそもなぜ一体化をしなければならないのか分からない。わざわざ公民館の廃止を持ち込んできて、一体化ということに対してはさらに分からない。
公民館を廃止しないということが決定になったので、ふれあい会館が建てられない。こういうスキームになっている。公民館の廃止とふれあい会館を建てていくというのは別の話だ。一旦もう予算を執行しているから、そこはもうやらないといけない、市としては。これは一旦決めた事業を、予算を執行してから市が止めた。ここはこれから大きな課題になってくると思う。これを例えば6年度の当初予算を否決した議会が悪いという形になれば、それはまた違うが、一旦話したことは、そこは公民館と切り離して考えるべきだったと、今さらのごとく思っている。
この問題については、所管外で聞くことが大変多い。市民部だけでは解決できない。大きなジグソーパズルの公民館、ふれあい会館、こども園みたいなところがあり、そこのピースを埋めていく、この1つができないと思う。
我々会派としては、この後もこの問題については、明日、あさって、観光文教、それから9日の建設、総務委員会を含め、市全体の問題として取り扱っていかなければならないと思っている。
最後に、今回のあすかこども園を取り巻く問題について、一番懸念することは、既に新園舎に移られている子供たちやその保護者の方々が、これが浮き彫りになってきて、不安になったり、不信感を抱かれるようなことだけはないように、十分な配慮が必要かと思うので、それは意見をしておきたいと思う。