奈良市 令和3年3月 予算決算委員会総務分科会 03月17日
奈良市 令和3年3月 予算決算委員会総務分科会 03月17日-01号
【奈良市情報公開条例の一部改正に係る条例案について】
◆内藤智司
いつ制定され、その制定後、改正されたことがあるのか?
◎吉村啓信総務部長
現行の奈良市情報公開条例は、情報公開法が平成13年4月から施行されたことなどを受け、平成10年4月1日から施行した旧奈良市情報公開条例を全部改正し、平成20年4月1日から施行している。
改正については5回しており、順に時期と内容は、1回目が平成24年4月1日に、実施機関に議会を加える改正と権利の濫用規定を加える改正を行った。
次に、平成26年4月1日に、実施機関の水道事業管理者を公営企業管理者と名称を改めるという改正を行った。
次に、平成27年7月6日に、独立行政法人通則法の改正に伴い字句の改正を行い、平成28年4月1日には、行政不服審査法の全部改正に伴う所要の改正を行った。
そして、平成29年6月28日には、個人情報保護法の改正に伴う字句の改正を行った。
◆内藤智司
条例に沿って開示請求が行われた場合、開示内容にもよると思うが、一般的に、不開示となるものはプライバシー侵害などが理由になると思うが、どのような事柄が不開示の理由になるのか?
また、審議内容については開示を求めることができるのか?
◎吉村啓信総務部長
奈良市情報公開条例で定めている不開示情報は6つあり、1つ目が、法令等の規定で公にすることができない情報、2つ目が、特定の個人を識別できる個人情報、3つ目が、法人等の正当な利益を害する情報、4つ目が、公共の安全、秩序の維持に支障を及ぼす、公共の安全等情報、5番目が、審議、検討等に関する情報で、意思決定の中立性等を不当に害する、あるいは不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれがある情報、6つ目に、市の機関または国の機関等の事務、事業の適正な執行に支障を及ぼす情報です。
次に、審査会の審議内容について開示を求めることができるのかということに関しては、審議内容の開示決定等について、個別具体的に判断することとなるが、一般的に、当該審議会等の調査審議における委員の率直な意見交換や意思決定の中立性が損なわれるおそれや、今後予定される同種の調査審議に係る意思決定に不当な影響を与えるおそれがあると判断される場合は、不開示とする。
◆内藤智司
それでは、不開示決定となった事案に対して不服申立てを行った場合、どのような措置ができるのか?
◎吉村啓信総務部長
奈良市情報公開条例に基づく開示決定等は行政処分なので、行政不服審査法に基づく審査請求ができる。
この審査請求が提起された場合の事務の流れは、まず、当該実施機関は、奈良市情報公開条例の規定に基づき、奈良市情報公開審査会に諮問し、実質的に審査会が当該開示決定等について審議する。
◆内藤智司
では、意見陳述の目的は申請者が意見を述べるだけの審議会であるのか?
◎吉村啓信総務部長
奈良市情報公開条例の規定に基づき、奈良市情報公開審査会は、審理手続として審査請求人に口頭で意見を述べる機会を与えている。これは、審査請求人に口頭による主張、立証の機会を保障することと、その機会を通じて審査会による審議を適正なものとするということを目的としている。
審査請求人が意見を述べられるほか、必要に応じて審査会による質疑が行われる。
◆内藤智司
今回の奈良市情報公開条例の条例改正案は、市長が議会の承認を得てから選任するとある。
改正する大きな理由はどこにあるのか?
また、市長の提案から議会での判断までに時間があまりないと思うが、議会の承認が形骸化することはないか?
◆三橋和史議員
現在の制度の下で情報公開審査会が適切に機能していないということ。
意見陳述1つをとっても全くやる気のない委員が参加していた。条例に照らして明らかに開示すべきと考えられる資料についても、不開示とする処分庁の判断を是認している実態にあることは、これまで市議会において会派の議員が指摘してきたとおりだ。
情報公開審査会の委員というのは重職を担っているので、意欲のない方にはのいていただく、もしくはそもそも意欲のない方に委嘱しようとすること自体を防止する必要があり、そのための手続として議会の同意を必要とするように改正しようとするものだ。
また、議会の同意人事とされる役職については、副市長や監査委員などの様々あるが、例えば、人権擁護委員の推薦についても、議会の同意を要することが法定されているものである。こういった人権擁護委員についても、重要な公職であることは間違いないが、法的な権限や市政上の事務に及ぼす影響力という点では、情報公開審査会の委員のほうがはるかに大きいものであり、少なくともほかの議会の同意人事とされている役職と同様の程度に、すなわち十分な程度に、議会における同意人事とすることが意味を持つものと考えており、形骸化するものではないと考える。
◆内藤智司〈意見〉
現在の情報公開審査会は、昨今、国会でもノリ弁当というマスキングのところが報道されているが、同じような状況で、未成熟であるという理由かと思う。成熟しているにもかかわらず、それがノリ弁になって出てきたりする。
そういった意味からは、今回、この一部改正された分については慎重に審議する必要があると思う。