奈良市 令和5年6月 定例会 06月09日-03号
- 【1,緊急性を要する補正予算の概要について】
- 【2,公共施設の急速に進む老朽化対策について】
- 【3,定員適正化計画について】
- 【4,防犯カメラについて】
- 【5,本市の環境部の組織体制について】
- 【6,ごみの減量化について】
- 【7,SDGsとゼロカーボンの取組について】
- 【8,地域福祉行政、地域自治協議会について】
◆内藤智司
コロナウイルスが5類に位置づけられ、世の中がようやくコロナ禍から抜け出し、新しく変わろうとしている。私たちも心機一転、新しい世の中を目指そうと、会派名を「新世の会」に改名した。今後ともよろしくお願いしたい。
会派を代表して、市長に一括質問一括答弁により、通告に従い質問する。
【1,緊急性を要する補正予算の概要について】
◆内藤智司
6月定例会においても補正予算が提出された。今回、3月に本年度の当初予算が議決されたが、この時期に緊急性を要する補正予算、この概要については?
◎市長(仲川元庸)
本定例会においては、まず第一に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の追加配分を受けた、エネルギー・食料品価格等の物価高騰に対応するための予算を提案している。
内容としては、食費等物価高騰の影響を大きく受ける子育て世帯に対する支援として、市立小・中学校の2学期、3学期の給食費について無償化を実施するほか、農畜産業における資材の価格高騰を受け、認定農業者や認定新規就農者に対する農業資材等の購入費用の一部を補助するための経費などを計上した。
この物価高騰対応以外の経費としては、国の方針により、今年の9月から12月にかけて実施されるワクチン接種の秋開始接種に係る経費、また、本庁舎の外壁改修工事などについては、昨年度入札を試みたが建築資材等の価格高騰の影響により入札が不成立となったことから、今年度改めて事業を行っていくために必要となる経費など、当初予算調製後に緊急的に必要となった事案に対応するために補正予算を計上した。
◆内藤智司〈意見・要望〉
今回、緊急性に基づいた予算であるということは、コロナ対策の分にいては一定理解できるが、それ以外の経費の分について、当初予算以降に発生した緊急性ということで説明があったが、これについてはまた特別委員会で議論したい。
【2,公共施設の急速に進む老朽化対策について】
◆内藤智司
この課題については、都度、何度も質問しているが、施設の老朽化による市財政への負担増と奈良市の厳しい財政状況の現状を踏まえると、施設の統廃合の実施は奈良市の財政健全化の柱とすべき課題である。市長の現状の見解は?
◎市長(仲川元庸)
現下の財政状況の中で、特に公共施設の老朽化対策、更新問題ということについては、更新投資することにより大きな財政負担が生じるということもあり、将来にわたり持続可能な行財政サービスを維持するという意味でも大変重要なテーマであると認識している。
本市においては、更新や補修の時期が今後集中して発生することが見込まれ、公共施設の最適化の議論は避けて通れない。
これから人口の減少、また社会情勢の変化、また住民ニーズの量・質ともに変わっていく中で、それらの変化を的確に捉えて、必要となる施設を将来にわたり維持していくために、どのような財源や方策で維持していくのかということをしっかりと議論していく必要があると考えている。
その中では、安全・安心な公共施設の維持ということは当然のことながら、効率性、また効果性をしっかりと見極めながら、今後の市民サービスの提供を検討していきたい。
◆内藤智司〈意見・要望〉
公共施設の急速に進む老朽化の中で、情報的に一つ、中央体育館があるが、今ミズノさんが、指定管理をされていると思うが、ここの電気設備が相当古くて、心配されていた。バンビシャス奈良が試合している最中に停電したらどうしようとか、選挙の開票中に停電したらどうしようとか。管理されている方が一生懸命維持されている。
非常用電源があると言う意見もある。しかし、その非常用電源自身が、壊れたら部品がないような型式のもので、手入れは必須だと言っていた。
そういった情報は、氷山の一角だと思う。全体で、必要な施設については何を改修するのかを、年次的に財政計画の中でしていかなければならないのだろうと意見しておく。
【3,定員適正化計画について】
◆内藤智司
令和4年度から8年度の計画が出た。市長が就任してからこれまで2回の定員適正化計画を策定され、平成22年4月1日現在3,066人の職員を令和4年4月1日現在で2,565人に、約10年間で500人の定員適正化に努めてきた。
この間、私は定数の定義について、委員会、本会議を通じて議論を尽くしてきた。しかし、その結論が出ないまま、3回目の計画が令和5年1月に制定された。令和4年度現在での正規職員数2,534人から、令和9年4月1日で2,434人、100人の職員数の適正化を進めていくと。
民にできることは民に、民営化や委託化、派遣の活用等を推進、またデジタル化の推進としてシステム標準化やAI、RPAの適用拡大による自動化により業務効率を高めるとされている。今この世の中は、デジタル化が進んでいくことで、日常のルーチン業務は一定の効率化が進められていけるのだろうと思う。
話は変わるが、近年、地球温暖化の影響により世界では様々な災害が発生している。あるところでは40度を超える熱波に襲われている地域、巨大化する台風やハリケーンによる土砂災害、水害で町が破壊されていることなど、日本も例外ではなく、各地で災害が起こっている。そして、それにも増して、全国的にここ近年、大きな地震が多発している。東南海・南海地震を間近に感じないわけにはいかない。
現在、大規模な災害が発生した際は、現在の正規職員数以上の職員数が必要であるとも言われている。市民の命、財産を守ることが最優先される行政サービスを、今後も正規職員が中心となって災害対応をする必要があると考えるが、定員適正化計画の観点から市長の見解は?
◎市長(仲川元庸)
これまでも災害の対応については、安否確認システム、また避難所の受付名簿の電子化などのいわゆるDX化を進めてきた。また、奈良市業務継続計画や奈良市災害時受援計画の策定など、災害が発生したときに備えた様々な事前の準備や体制整備に努めている。
今後、定員適正化を進めることによって、結果として正職員の人員が減少していく時代背景にあるが、業務の効率化を進めるという意味でのDXをさらに導入したり、また、地域の自主防災・防犯組織など地域資源としっかりと連携を深めていくということを併せて、市全体で災害への対応を強めていく。
◆内藤智司〈意見・要望〉
答弁の中で安否確認システム、避難所の受付名簿の電子化、DXはじめ業務継続計画、災害時受援計画の策定、災害に備えて体制を備えているとのこと。そして、さらなるDX化を進めて、地域の組織、防災・防犯をはじめとする連携を図っていくとのことだった。
私としては、ふだんの業務は、AIやDXなどは、何となくイメージすることができる。ルーティーンの仕事をAI化していくというのはあり得ると思うが、大規模災害時に、全てが混乱している状況の中で、電子化で対応していくということが今本当にできるのか?皆さん本当にそれをイメージできているのか。
私の地域ではようやく、避難所に来たときの受付をスムーズにするために、今、受付カードを全世帯に配付して書いていただき、避難のときにそのカードを持ってきてもらうという紙ベースの受付訓練をまだやっている。業務継続計画とか災害時受援計画を基にして、地域一体となって本当に訓練ができているのか。計画はあるが、これを発動したときに、本当に地域と一緒になってできるのか。
議会でも奈良市議会業務継続計画(BCPを作成しているが)機能するのか。一回も訓練したことがないので、行政と市民と議会が本当に一体になれるイメージ、これを我々も描けているのかと考えると、誰が何を行うのか、誰と誰が何をするのか、その辺りの役割が身についていないのではないかと思っている。
そこへ市長の言うDXを取り入れたときに、災害対策にどう機能するのかということももっと勉強しなければと思っている。本当に大規模災害は明日来るかもしれない。本当に今の職員で機能するのか、全員でイメージできているのかと思う。
また昨日、代表質問で副市長人事について質問があった。市長は市職員全員で取り組んでいくと答弁していたが、それは当たり前だ。
この市役所を人間に例えると、頭脳は市長だ。指令を送るところ、考えるところ。理事者の皆さんというのは、神経か血流か、職員さんはそこを受けて手足になっていくのか。
副市長は奈良市の場合は2人いる。そこは肺の役目かなと。いわゆる全ての機能を果たすために血をきれいにして、老廃物をCO2として外に出す、そういった体の機能を維持するための本当に大事なところだと思う。片肺を手術した知人がいるが、確かに元気にされているが、走れない、酸素の吸入量が足りないから。集中力がなくなると言っている。
両副市長というのは体全体を十分に機能させる役割、それが市長もしくは、この7月から1人になるということになれば、鈴木副市長に多大なる負担をかけていくということにもなると思うし、市長が頭脳ですから、肺と兼務でやっていくということは、非常にほかの理事者の方に対しても無理がかかると思う。
出来れば、ぜひとも早期に人事案件を出していただく。仮にそれができないなら、私案でだが、向井副市長にそれまでの間、9月までもしくは12月までいてもらえないかと願う。
【4,防犯カメラについて】
◆内藤智司
本市の街頭防犯カメラ設置事業については、目標としていた500台体制を達成したとのことだが、これまでの経緯と今後の考え方については?
また、自治会への防犯カメラ設置補助事業のこれまでの補助件数と今後の方針については?
◎市長(仲川元庸)
奈良市安全安心まちづくり基本計画においては「、防犯力の高いまちづくり」という項目があり、これを重点取組施策として、防犯カメラの設置拡大による地域防犯力の強化という形で表現している。
平成29年度から順次設置をしている街頭防犯カメラについては、犯罪の未然防止、また逃走する犯人の検挙などを主眼として、駅の周辺、また交通の要衝地及び観光地などに重点的に配置をするとともに、学校の通学路においても、子供たちの防犯、また交通安全という観点からも必要性が高いと考えており、こういった地域を重点に選び、本年の3月までに500台の体制を整えた。
このうち令和元年度までに設置した207台については、当初、備品として購入していたが、法定耐用年数となる6年を迎える年に順次リースに切り替えていく。
また、同じく平成29年度から開始した自治会等への防犯カメラ設置補助事業については、令和4年度までに79団体139台を補助した。今後においても、防犯カメラの設置を充実させ、地域防犯力の強化に努めていきたい。
◆内藤智司〈意見・要望〉
一定、市がつけるところについては整理ができました、これから更新していくということも含めて、自治会の補助についても今後継続していってもらえるものという答弁だと思うが、今、防犯カメラってすごく安くなっている。単品が2万円、3万円、5万円で、電池式や太陽光つきが自分の家でつけられるというところまでコストが下がっている。
一方、この間警察から問合せがあって、私の自治会でも何台かつけているが、カメラの録画内容を提供してもらえないかと。原因は徘回。行方不明者の捜索。うちの自治協議会の中の少年指導協の活動として、明治地区を防犯カメラだらけにしよう、という取組もやっている。今、徐々にその活動を広めているが、そういった防犯というところだけではなく、高齢者福祉に向けた役割もこれから考えていく必要がある。細かい防犯カメラの設置が必要だと思っている。
つけるに当たっては、本当にハードルがたくさんある。プライバシーの問題などあるが、一番は防犯に対して、またそういった行方不明者の捜索にしても、防犯カメラというのは今のこれからの社会には一番いい手段だと思っているので、今後ともこの政策については取組を強化してほしい。
【5,本市の環境部の組織体制について】
◆内藤智司
これまで奈良市では、家庭系ごみの収集を直営から民間へ大きくシフトしている。また、今年度からリサイクル推進課を廃止され、資源ごみの収集も民間委託するなど、直営での収集業務が縮小傾向にある。一方で、まち美化推進課に循環型社会推進係を設置している。新クリーンセンターの建設を進めるべく、担当理事も任命されるなど、環境行政の推進に変化が見られる。
そこで、環境部の組織体制の現状と、今後の業務計画については?
◎市長(仲川元庸)
これまでのごみ関連業務については、環境部の技能労務職員の減少と高年齢化に対応し、かつ市民サービスを低下させず、行政コストの低減を図るということを目的に、家庭系ごみについては平成25年度より市街地での民間委託を開始し、また、再生資源については令和2年度より同じく市街地地域での民間委託をスタートした。
その結果として、家庭系ごみについては令和4年度に委託率が70%(これは世帯数ベース)を達成し、そして、再生資源収集運搬業務については令和5年度に委託率100%を達成し、いわゆるごみ収集の関連業務の最適化については一定到達をした。
また一方で、今年度からは新たに循環型社会をより一層進めていくために、循環型社会推進係というものをまち美化推進課の中に設置した。今後、SDGsの実現にもつながる資源の循環をさらに進めていくために、給食残渣と草木類を利用した堆肥化事業を始めており、今後、ごみの減量化による環境清美工場の適正規模での改修、また、よりコンパクトな新クリーンセンターの建設、そして、カーボンニュートラルな社会の実現に向けて、必要なノウハウを蓄積していくよう体制を整えていきたい。
【6,ごみの減量化について】
◆内藤智司
現環境清美工場もいつ稼働停止になるか分からない。そういった不安定な状況が続いているが、クリーンセンターが稼働するまでの間、工場の維持も喫緊の課題であり、今後改修も進められる。この改修を実施するに当たっても、現工場への負荷軽減は必要ではないかと考える。さらに、焼却ごみの減量は、新クリーンセンターの建設規模にも影響するのではないかと考える。
現在、コンポスト事業で生ごみの減量化を図っているが、さらなる充実や雑紙の分別推進など、資源循環による脱炭素社会の実現を目指すべく、ごみの減量化に対する市の見解は?
◎市長(仲川元庸)
本市においては、昨年3月に策定した奈良市一般廃棄物処理基本計画において、食品ロスの削減、紙ごみの削減と再生利用を重点施策と位置づけており、燃やせるごみの削減、ごみの資源化に取り組んでいきたい。
また、直近に実施した家庭系の燃やせるごみの組成分析の結果では、食品ロスを含む生ごみが全体の約44%、そして、再生可能な紙類が約14%を占めている。また一方で、事業系の燃やせるごみの中では、食品ロスを含む生ごみが約30%、そして、再生可能な紙類が約40%で、これらをいかに減らしていくかということが焼却量の減少にもつながっていくものだと考えている。
そのため、給食残渣と草木類を使用した堆肥化事業や、雑紙を含めた古紙類の再生資源化をさらに推進するとともに、小学校向けのごみ減量キャラバンに代表される教育事業、啓発事業にもさらに力を入れていきたい。
このような取組にもかかわらず、やむなく焼却するしかない生ごみや、それから雑紙などの古紙類が占める割合が高いということから、生ごみについてはメタン発酵によるバイオガス化といった新しい資源化の技術の検討を進めており、また、雑紙については集団資源回収の推進、公共施設による回収をさらに進めること、また、市民の皆様に雑紙を回収する袋を配るなど、他市でも取り組まれている様々な工夫や努力を本市も積極的に学び、市民の皆様が協力しやすい環境整備をしっかりと果たしていくということが重要だと考えている。
また加えて、事業系のごみについても、特に再生可能な古紙類、こういったものの啓発をさらにしていくということが重要だと考えており、資源循環のサイクルの完成度をさらに上げていきたい。
また一方で、市民の皆様に対しては、ごみの収集から焼却、そして最終的には埋立てに至るまでのトータルのライフサイクルコストをしっかりと公開していくということや、ごみの処理に係る様々な取組の施策を理解いただくということによって、最終的に廃棄物の排出の抑制、また再生資源化に対する行動変容をお願いしていきたい。
その中では、ごみの有料化についての議論がこれまでもなされており、これらにつきいても、それを否定することなく様々な方策の一つとして検討していかなければならない状況にあると認識している。
これらの施策を全て組み合わせた結果として、ごみの減量化を実現し、ひいては焼却量を削減していくということが温室効果ガスの排出抑制につながる、そして、ごみの処理に係る環境の負荷、またコストを低減していくという意味でも重要だと考えており、脱炭素社会の実現につながっていく取組であると認識している。
◆内藤智司〈意見・要望〉
ごみの減量化も今聞くと、奈良市は相当進んでいる。それは職員さんが相当現場で苦労されてのことだと思うが、さらにこの減量化を進めていくためには、今市長からあったように、雑紙をどう分離する、生ごみをどう分離する、そこのところの強化をしない限りは今後のごみの減量化というのは本当にできないと思う。
これを何故するのか?新クリーンセンターにつながる話だが、現設備を10年もたすための基幹改修を4炉全部するのか?では、今減らしていく中においては、2台でできるのではないかということも考えていると思う。
2台では心もとないので、3台動かせるようにしよう。では、その2台を修理したら、その分だけの減量を進めていこうということになれば、これは民間の業務の食品ロスだけではなくて、家庭にまで入っていって、生ごみ、雑紙を推進していくべきだと思う。
そういった活動を行うためには、自治会が取組をしても、市長自ら、自治会に来て訴えていくということは、非常に大事だと思うので、ぜひこの取組については一体となってやってほしい。
雑紙を分けると家のごみが半分になるらしい。それを私の自治会はやっている。みんな喜んでやってくれている。そういったことをもっとPRしていくべきだと思う。
【7,SDGsとゼロカーボンの取組について】
昨年度から奈良市ゼロカーボン戦略の策定作業をされていると聞いているが、その進捗と具体的施策については?
◎市長(仲川元庸)
奈良市ゼロカーボン戦略では、脱炭素社会の実現と人に優しいまちづくりを進めることを念頭に、温室効果ガスの排出量を2030年度に2013年度比で50%の削減、そして、2050年までには全体としてゼロにするということを目標として掲げている。
現在、この奈良市ゼロカーボン戦略の案においては、幅広く市民の皆様や関係者の皆様から御意見を頂戴するべく、6月30日までパブリックコメントを行なった。また、本戦略の趣旨は省エネルギー化と再生可能エネルギーの導入の加速を実現するために集中的に取り組む具体的な計画として、このたび国の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金のいわゆる重点対策加速化事業に本市の事業が採択され、令和5年度の交付金の内示をいただいた。
これにより、本年度から令和9年度までの5か年にわたり、総額で約17億円の国の交付金が期待できる。公共施設や民間施設などへの太陽光発電などの再生可能エネルギーの実装、また、省エネルギー設備の導入なども実現していきたい。
今回のゼロカーボン戦略の策定とともに、このような具体的な財源も含めた手だてをしっかりと講じることによって、今後も引き続き温暖化対策や脱炭素化にさらに力強く事業を進めていきたい。
◆内藤智司
先般、奈良新聞や各社新聞が全国的に、プラごみ減に本腰ということで、各基礎自治体が取り組んでいるが、その中でペットボトルの排出を減らす持続可能な社会を構築するための一環として、持参したマイボトルに誰でも飲料水を供給することができるウオーターサーバーの設置の取組を他の自治体でも行っている。
こういった取組に対する市長の今の考え方は?
◎市長(仲川元庸)
私も三郷町の取組のニュースを拝見した。ペットボトルの使用を減らして、ひいてはCO2の排出抑制につなげるということで、特にマイボトルの利用の促進をしていくということは大変重要だ。
また、他の自治体でも様々な取組事例があるという情報は得ており、例えば同じ中核市である尼崎市では、市内の39の公共施設や民間施設にウオーターサーバーを合計41台置かれているということで、給水スポットという形で皆様が利用されていると聞いている。また、設置場所の拡大をしていく中では、近隣の西宮市や豊中市、吹田市といった近隣自治体とも連携をしながら進めていると。
県内の取組も、少しずつ進んできていると聞いている。プラスチック容器は使い捨てという意識を変えていくということも大変重要だと思っているので、こういった取組も民間との連携事業の一つとして今後検討していきたい。
◆内藤智司〈意見・要望〉
ゼロカーボンの取組は本当にこれからの時代、企業にとっても自治体にとっても前提条件になる。企業はゼロにしないと世界から相手にされない。だから、今様々な努力をしている。
自治体も同じだ。
例えば、奈良市で一番CO2を発生しているのはどこか?市役所である。何故か?クリーンセンターを持っているからだ。クリーンセンターのCO2をゼロにしない限り、市長はゼロ宣言できない。
その次に多いのは、大学らしい。なぜかというと、研究している部署があって、電力とかの、相当エネルギーを使っている。例えば近大は、学部とかいろんな部署でカーボンをゼロにする取組を民間と一緒になって研究されている。そういったことも含めて、今後これについては本当に我々が一番考えていかなければならないことだと思っている。
それとあと、このCO2をなくしていくために、違った観点から言えば、森林。森林をいかに守るか。森林を守るためには、いかに鳥獣被害をなくしていくか、これも相当全国的には大きな課題だ。真剣に取り組んでいる行政もある。そういったところの部分もこれからさらに強化をしていかなければならないということも、お願いしておく。
【8,地域福祉行政、地域自治協議会について】
◆内藤智司
私の地域、明治地区では、自治連合会を中心に地区社協や民生児童委員協議会、自主防災・防犯会など関係者が定期的に集まって、様々な団体が行う地域活動の方向性、地域の福祉について議論をしている。また、連絡所で行っていた窓口業務について、今年度から地区自治協議会が奈良市から委託を受けて、担当者を配置して業務を行っている。
こうした業務でも、やはり根幹となるのは高齢者への対応であり、高齢者や交通弱者に対するサポートをいかにすべきかということが地域福祉だと思っている。
高齢化により、一層行うべき行政サービスが増える一方で、人口減少により行政が担える範囲にも限界が来ている。そうした中で、行政に代わり、地域が受皿となって公共サービスを担う地域自治協議会の役割は本当に大事なものであると考えるが、この活動を維持、拡大していくため、行政として地域の持続的運営と強化に向けたより一層の支援に取り組んでいくべきと考えるが?
◎市長(仲川元庸)
地域で様々な皆様のお知恵をお借りしながら住民自治を進めていただいているが、特に地域自治協議会については、人口減少が進む中において、住民サービスや地域のコミュニティー機能を維持していくために極めて重要な存在である。
地域自治協議会の運営に当たり、交付金による支援に加えて、地域と市が協働して住民サービスの向上、また地域が活動していくための財源の確保にもつながっていく様々な方策を具体的に検討している。
現在は、特に自治協議会の皆様に、例えば公園などの草刈り業務の委託ができないかという具体的な検討をしており、例えば対象の面積、また費用の在り方などについての検討をしている。
これ以外にも様々な業務を行政と地域が協働して運営していくという取組をしっかりと進めていきたいと考えており、地域自治協議会の役割をさらに高めていけるように、市としてもこれまで以上に努力をしていきたい。
◆内藤智司〈意見・要望〉
明治では連絡所業務を、今年から連絡所を廃止して4月から地域で受けているが、これをするに当たっては、担当課と1年半、相当いろいろな形で調整して進めた。
なぜ時間がかかるか?行政としては、失敗は許されないのだろう。地域でやったときに失敗したらどうしようという意識が先に立って、新たな事業を実施するにはスピード感が落ちる。しかし、地域で今行っている。初期トラブルはあるが、地域でやっているから地域の人も、ちょっとトラブルがあってもそこはまあまあというところで、そこを繰り返しながら進めている。課題があったとしても、それは地域同士でクリアしていけるというところで、何でもいいから一旦やってみるということが私は、やっていく中で改善していけばいいと思っている。それが地域でやる強みだと思う。
今、草刈りも一生懸命取り組んでいただいていると思うが、取りあえず制度をつくってスタートさせてみたら(例えば、うちはグリーンサポート)それを来年度できた段階で利用しようと思っているが、その前段でグリーンサポートを協議会で行っている。
そうすると、各自治会の草を刈りに行くと、思わぬ波及効果というか、周りの自治会の人が、手伝ってくれたりする。とりあず、進めてみる。行政も何でもかんでもがちがちに決めて枠の中でやっていこうとスタートしては、なかなか地域にはなじまないと思う。
◆内藤智司
最後に、
この場をお借りして、7月5日で2期目の任期を迎えられる向井副市長に一言だけお礼を申し上げたい。
続けられる、続けられないは分からないが、一旦のお礼として、2期8年間、市長を支える立場として、時には自ら先頭に立って職員を引っ張ってこられたし、時には困っている職員の相談相手として後方で見守るなど、いろいろな立場で本当にいつも職員のことを大切にしてこられたと思っている。
特に、本市の長年の懸案事項であった新斎苑の建設については、市民生活部長になられたときから関わってこられ、副市長になられてからさらにその解決のために懸命に取り組んでこられたと思っている。この新斎苑事業を達成するためには、解決すべき課題が幾つもあった。そして、その課題はとてもとても困難なものであった。にもかかわらず、決してひるむことなく、新斎苑建設を何としてもやり遂げる、その一心で一つ一つ克服されてきたと思う。そのぶれることのない気概を持って取り組まれたことは、ただただ頭が下がる思いだ。時として一緒に仕事をさせていただいたことに感謝し、そのことを誇りに思う。
その新斎苑事業もさきの臨時会で一つの区切りがつき、少しは肩の荷を下ろされたのであろうと思っている。お疲れさまでした、と部屋にお伺いしたとき、副市長が、これまでこの事業に携わってこられた全ての職員と関係者の方のおかげですと返された言葉に胸が詰まった。
しかしながら、本市の抱える課題はまだまだ山積だ。これからも向井副市長に期待するのは私だけではないと考えるところだが、私はひとまず、これまでの向井副市長の市政における多大な貢献に敬意を表すとともに、心より感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。