奈良市 令和5年8月 市民環境委員会  08月04日-01号

【焼却炉停止について】

◆内藤智司

 発生が、6月12日午後8時発見なのに、我々へ報告があったのが7月18日の専決処分を行った時点であるというところ、まずそのタイムラグについて、私自身も違和感を覚える。

それから後、現地を見た。本当に忙しい中、暑い中、現場の皆さんも対応していただき、急な要請に応じていただいたと感謝している。私も現地を見るのはこれで何回目か、昨今においては、2年前4炉が止まったときに早急に見に行き、会派で老朽施設を視察させてもらおうということで何度かお邪魔している。今回31日、行ったが、見るたびに目を追って老朽していると感じる。

 まずは、報告が遅れたことについては、6月定例会の真っ最中。補正予算の審議をしている最中で、発生した事故について、市民に不安を与えないよう、何とか区域外処理をせずに乗り切れないかと検討するに当たっては、各それぞれ受入先を調整するのに翻弄していたのであろうと思うが、そこは先に意見を言うが、少し違う気がする。

 先に、前回も4炉が止まった。当然、今日の委員会に当たって、そのときの議事録に全部目を通されていると思う。私も事務局にお願いして、A4にして52ページ、4炉が止まった時に9月議会で議論している。この時の議論の答弁が、すべて同じだ。

今回、山口部長が答弁したことと同じことを2年前に言っている。新しいクリーンセンターができるまでの間、今の現有施設を安全に維持できるように大改修を検討すると。これから老朽化していくときに止まったら、即議会にも市民にも広く周知をすると。このときも8月24日に指摘があって止めた。それから数日後、議会に報告があったのは。それもおそらく新聞紙上に出てからだったと思う。今回も、似た状況ではないか?

 そういった中で、6月の定例会で補正予算の審議をしている時に一報入れて、工事の必要性や区域外処理が必要でその費用が発生するかもしれないという話の旨は、報告あるべきだと思っている。

 そこで山口部長、先ほど工場長の答弁で、連合会に報告に行ったのが7月19日ということだが、そのときの経緯とは?

◎山口浩史環境部長 

 今回の工場のトラブルの状況なり、ごみ減量についてのお願いについて、自治連合会の会議に私も説明に伺わせていただいた。

まず一連の出来事を当然、専決処分も踏まえて議会と、マスコミと、前日に発表した。翌日に自治連合会に行ったが、実際のところ、私から行った向きもあるが、自治連合会の中でも、新聞等を御覧になられて不安になられているというお話も聞いた。その中で報告という形で対応した。

◆内藤智司

 もう少し補足すると、連合会の会議があり、そこへ行かれたということだが、なぜそういう経過に至ったかと言うと、その前日に奈良市清掃業務の審議会がる。このとき山口部長以下、皆さんも出席されて、副市長は出られていない。委員の方が10名ほどいる。その中に作間会長もいる。そのとき何も触れていない、このことに対して。明くる日19日に新聞の記事を見て、朝から激怒されたそうだ。それで、連合会の挨拶もそこそこに電話されて、どういうことですかと、説明しに来てくださいということで多分呼出しがあって説明された。そのときにそれぞれ出た連合会長の御意見があったと思うが?

◎山口浩史環境部長 

 自治連合会での説明の準備がしっかりできていなかったので、今回起こった事象であるとか、これに伴うごみの排出抑制ということをお願いした。その中で御意見として二、三、確かに連合会の方々から頂戴したのは覚えている。

 一つは、この事象について臭いの問題、前回地元の方に、「夏場で同じような時期になると、周囲にごみの悪臭が漂ったというところでは、今回はどうなんだ」というお話をいただいたと思う。それについては、前回は全量というところで、今の区域外処理の倍の量を区域外処理していたので、どうしても施設の建物外にもごみがあふれ、その分で悪臭を放ってしまった。今回については、その日に出たごみはその日中に区域外処理するという形でやっているので、幾分ごみの臭気というのは抑えられてはいる。ないわけではない。その中でおっしゃった言葉というのは、「地元としては移転というところで要望しているんだ、それに向けて辛抱はするが、極力こういうことは繰り返さないようにお願いします」ということを御意見としていただいた。

 もう一点、ごみ減量の協力を仰いだところ、「ごみ減量については当然市民として我々もやらせてもらいますよ」と、だからごみ減量を言うなら、「やはり市民にもインセンティブという部分も十分考慮して、市民が積極的に協力し合えるという体制を考えてください」ということをおっしゃったと記憶している。

◆内藤智司

 なぜこういうことを言うかと申しますと、その検討、ごみの減量、分別していくという取組は、数年前からアドバルーンを上げながら、環境部が頑張ってきたと思う。ごみキャンペーンをする、ごみ減量キャンペーンをする。あの4炉止まったときに、既に周知していた。そこから今日に至るまで、何をしたのか?何もできていない。一向に聞こえてこない、ごみを減らしましょうというのは。やってはいるが、取り組んでもいる、ホームページで訴えてもいる。

では、それを連合会に強力にお願いをして、今の施設自身の現状を知ってもらわないといけないと思う。危機感を持ってもらって、市民全体でこれを乗り切ろうというところを奈良市全体でやっていくべきだと、今回改めて思った。

 18日に専決処分を受けたときに山口部長に言った。「明日からできることがあるのではないか?市民に訴えたらどうですか?」。だから連合会の場に行ったんだと思った。しかしそうではなく呼び出されたと。

奈良市として、なんとしても乗り切るべきだと思う。今からでも遅くないし、ごみが減っていけば区域外処理の費用も、1億7000万円が1億5000万円になるかしれない。それ1か月前に市民に訴えていたら、たとえ1,000円でも安くなったかもしれない。その方が大事だと思うし、連合会もそのことをおっしゃっていたと思う。協力するところは全員で協力する。その代わりそこにやりがいがあるような方策をしよう、そのことは随分検討されてきたと思う。

 6月12日に起こってから開会中になぜ報告がなかったのか?サッカー場をどうするかと議論していた中で、そんな話を見たら、予算が出ないのなら1週間でも定例会を止めて、対応すべきだった。

 今後の大規模改修をどうする予定か?

◎山口浩史環境部長 

 

 環境清美工場の老朽化対策として大規模改修が必要であるということは、十分市のほうも認識している。一方で、かなり老朽化、年数が経過したプラント施設というところで、建設当初に製造したプラントメーカーにより、現在詳細な確認作業をしている。確認作業に時間も要しているが、見積りについての報告があり次第、その内容を精査した上で早期の対策を講じなければならない。対応策について早期にお示しできればと考えている。

◆内藤智司

令和4年3月の定例会、それから令和4年9月の定例会に包括管理業務委託、プラントの調査をやった報告等も含めて質疑されている。そのときの議事録も取り寄せて、見ているが、同じ答弁の繰り返しだ。そこからプラント調査された結果、あのときは89億円ほど、総予算がかかると。ではそれをどうするのか?優先順位をつけて早急にやっていくと。そこから何も進んでいない。このことについては?

◎山口浩史環境部長 

 令和3年度、今回と同じような区域外処理が発生した。その前に、実は今後の大規模改修、施設の維持管理をどうするかという大きなテーマの中で、5500万円、予算をつけていただいた中で調査を行った。プラント調査と名づけ、前提として、今後の維持管理の手法が、維持管理と運転管理を一体で専門業者に検討いただくという前提でプラント調査をしたが、残念ながらそのプラント調査を生かせておれないという部分もあるが、運転手法について、あの段階でも検討段階でして現在には至ってはいるが、あのときの調査の結果も、今のプラントメーカーの調査の結果も併せて、今検討を重ねている。

◆内藤智司

だから、今年も当初予算で設計費用を組んでいる。その予算執行はいつ始められたのか?

◎山口浩史環境部長 

 今年度、設計費用というところで予算は認めていただいたが、今の段階ではまだ執行はしていない。プラントメーカーのほうに事前の調査なり見積りという部分で作業を進行しているので、それが出た中で次の具体的な計画の中でその費用を充てたいと考えている。

◆内藤智司

 前回のプラント調査で89億円、業務を一体としてやっていこうといったときに、議論の中で及んでいるのは、「費用がかかり過ぎる」というところで、なかなか踏み切れなかったというのが私たちの感覚だ。市長がOKを出せなかったというところの部分だと思う。10年たったら廃止する設備に100億円以上をかけるのかというところの議論があった。

以前の議事録にも残っているが、10年後に本当にクリーンセンターができるのかという、段階だ。もう土地収用が終わって都市計画決定されて、着工にかかって、スケジュールどおり行ったら10年目にできると言う話にもなっていない。そんな中で、あと15年かかるのか?いや20年かかるということもあり得る。

 私は七条で構わないと思っている。七条でやり切るのなら、早急にやってもらわないといけない。でもその間、今の設備はあるが、毎日ごみは出るか。それを排出しないといけない。それは、止まる順番に区域外処理をしていって、年間30億円かかるコスト、10年では300億円、これを全部市外処理、計算上はいけるだろう。でも、中核市の毎日出る何百トンのごみを10年間面倒見てもらえるところがあるのか?斑鳩町でさえ、「もうええかげんに決めろや」と言われている。それは現実的に中核市のごみを区域外処理でやっていくというのは、数字の話はいけるが、三重中央、受けてくれますか?10年間。枚方、橿原、受けてくれますか?自分のところのごみを焼くのはいいが、中核市のごみを焼くために炉を造ったわけじゃないですよと私的な感覚だが・・・。

数年前からいばらの道を歩いてこられたと思う、現場は。いろんな議論をしてきたが、目の前がいばらだけになってしまった。獣道はなくなった。

大改修するのか?100億円かけるのか?いや、10年後に廃棄する機械にそこまでかけるのか?では、潰れるのを待つのか?区域外処理をつづけるのか?もうこれらの選択肢しかないのでは?

どこを選んでいくのか?明日にまた、4号炉が潰れるか分からないという危機感を持ってほしい。持っているのなら、6月に多分報告はあったと思う、どうしましょうって。だったらサッカー場の議論をやめてこっちにしようとなったかもしれない。

最後に、工場長、目視点検しかできないと言っていたが、私もそういう技術職をやっていたので、こういう熱源を持った機械を動かす点検には、内部のいわゆる金属疲労を検査するのに目視なんていうのはあり得ないはず。非破壊検査、超音波検査。私たちは人間ドックに行って、MRとかレントゲンとかを撮る。内部なんて目視では見られない。そういった点検というのはされていないのか?

◎鈴木啓也環境部次長 

 非破壊検査のような点検はしていないように、私は記憶している。

◆内藤智司

 ごみ焼却場というのは、私の感覚で言えば発電機を回す熱源だ。蒸気で回すか水力で回すかだ。火力発電所なら、今のボイラーを使うが、金属疲労を目視なんかで絶対点検しない。全部非破壊検査する。だから、クレーン、もういつ壊れるか分からへんと言っていたが、支えている部分の中がひび割れてしているかどうかなんて目視で分からない。ずどんと落ちるかもしれない。あれは本当に非破壊検査しないといけないと説明を聞いていて思った。その辺は、今後オーバーホールなりされるときに、金属の中をどうやって点検したらいいのか、早急に検討してほしい。替えるところは、みんな替える。そうでないと人命に関わる。

 新クリーンセンターが建設され稼働すれば、現設備を廃棄するので、どの程度設備改修に費用をかけるかということを昨年の当初予算、または9月の定例会でも議論されてきました。議論から、10年間、それ以上、現在の設備を延命治療しないといけないかもしれない。そういう議事録を読み返せば、全体の議会の総意だと思う。みんな今の設備を直さないといけないというところだと思う。その意見は、今も変わらないし、この先も変わらないと思う。新クリーンセンターができるまでは今の設備で補う。毎日排出されるごみをどうしていくのか、現在の奈良市のこれは一丁目一番地やと思う。その課題であることに対して、真銅副市長、どのようにお考えか?

◎真銅正宣副市長 

当然、そのあたりの部分をしっかりと検討しないといけないが、ともかくまだ調査に出しているところなので、それが返ってきた段階で早急にどういう方法が一番いいのかということを検討していきたいと考えている。