奈良市 令和6年6月 定例会  06月05日

◆内藤智司
 会派を代表して討論いたします。

 請願第4号 七条地区への新クリーンセンター建設に反対する請願書、請願第7号 新クリーンセンターの七条地区への建設に反対する請願書、請願第8号 環境清美工場の移転に関する請願書に賛成し、その理由を述べる。

 本委員会で審査されている3件の請願は、共通して公害調停条項を遵守してほしいと求められている。

まず、請願第4号について、公害調停第2条に反している、これについてはこれまでの請願審査において養護学校の移転を担保できる明確な回答が得られなかった。現に環境清美工場も約束をほごにして現在に至っている。議決されていなければ、飛鳥ふれあい会館のようにお金が動いた後に大きな問題が発する。養護学校については、いつまでにどこへ、予算は議決されているのか、等基本計画もない状況であり、現時点では公害調停条項第2条を満たしているとは言えない。

 次に、請願第7号について、第2条からさらに第8条における、建設計画策定委員会では、七条地区に決定された事実はなく、この点でも条項に違反しており、適切な行政政策の検討及び決定過程を経ていないとされている。これまで請願審査において、第65回策定委員会は2日前に突然計画され開催されたものであり、その審査も事前に十分議論を尽くされ決されたものではなく、委員会で是認したという七条地区を一度も現地視察することなく、候補地の選定における基本条件及び面積要件に合致していると決定された。賛成された委員の中には、七条地区がどこにあってどんなところか知らないと言われた方もおられたそうだ。開催前に事務方が策定委員会で是認したというプロセスを強要したやり方は、市民への冒涜に値するものであり、決して認めるものではない。

 さらに、付け加えて、第65回策定委員会における議選委員の必要性に私は疑問を感じた。私も多くの議員もあの65回の委員会を傍聴されていたと思う。その中でいろんな議論が交わされている。議選委員からも多くの意見が出された。中には、それをなじる、罵倒するような委員もおられた。私は聞いていて、その議員が罵倒されたのではなく、この議会自身が罵倒されたのではないか、なじられたのではないか、本当に悔しい思いをした。そのことを考えると、今後この策定委員会に議選委員が本当に必要なのか疑問を感じる。

 そして、請願第8号については、公害調停の第1項に示された環境清美工場の施設の操業停止と移転を求めて、新施設の用地の候補地を選定すること、新施設用地を確定すること、新施設の用地選定後速やかに新施設の建設工事に着手すること等々が訴えられている。これら請願は、地元住民の願意である。

 我々は新斎苑を経験している。時期を限られ早期建設をしなければならない、そのことにあって多くの請願が出されたにもかかわらず、それを押さえて建設に臨んだ。その結果、地元住民は分断され、いまだに一つになれない状況がある。今回我々は、この地元住民の願意を真摯に受け止めて、地元住民の理解を得る努力をし続けなければならないと思っている。

 よって、請願第4号、第7号、第8号には、いずれも賛成する。七条地区に反対するものではない。一旦、広域化を求めて進めたときには、仕方がないのではないか、そんな意見も地区から出されたことも記憶している。一刻も早く行政と議会と市民が一丸となっていくことが、私は一番早い道だと思っている。

 新クリーンセンターの早期建設は、本市の最も優先すべき課題で間違いはない。しかし、幾らでもお金をかけていいというわけではない。私たち議員は、市民の命と財産を守らなければならないという大命題がある。最少のコストで最大の効果を求めていく、これが我々に課せられた使命である。市民の将来の負担を最大限軽減していくことも求めていかなければならない。