平成28年2月 総務委員会-02月09日

◆内藤智司

ふるさと納税について納税課長に質問します。
 ふるさと納税については、以前、私は、市長が各部長に奈良市のふるさと納税を奨励すると言ったときに、批判的な内容で評価をさせていただいた。そもそものふるさと納税については、都市から地域への活性化を純粋にしたものであって、そうは言いつつもネット上では記念品のランキングといったような競争が激化している状況の中で、どんどん奈良市の税金が他市へ流れていく状況、ほっとけばもう流出していくという中で、やはり奈良市もそれに取り組まざるを得ないといった中で、納税課の皆さんが必死になって記念品のラインナップとか、パンフレット等、PRをしていただいて、今、懸命に取り組んで頂いているところです。
 そこで、平成27年12月末現在のふるさと納税の件数と寄附金額、そして、寄附者の方々が選択された記念品の中で申し込みの多かった記念品はどのようなものか。また、市内、市外の寄附者の状況分析がされているのか。

◎亀本隆一納税課長

 平成27年4月1日から平成27年12月末現在の件数は8,354件、寄附金額については2億3739万7002円です。
 次に、寄附者の方が選ばれた記念品で多かった返戻品について、ホテルの宿泊券、食事券、イチゴの古都華、大和牛等です。
 市内、市外からの寄附状況について、奈良市民の方々からの寄附件数は764件、寄附金額については2815万9000円、市外の方々からの寄附件数は7,590件、寄附金額については2億923万8002円です。
 

◆内藤智司
 まず、記念品の分については、ホテルの宿泊券とか食事券が多かったという御答弁でしたけれども、これに至るには奈良へ来ていただいて宿泊するだけじゃなく、そこをまた観光していただく、そういった付加価値があって商品が、記念品が出ていくことによって、奈良に対しての収入に寄与できると思います。
 そしてまたもう1つ、今年度においてふるさと納税額が昨年度に比べて大幅な増収となった理由とその要因と、来年度さらなるふるさと納税の増収を図るための取り組みについてお聞きします。

◎亀本隆一納税課長

 平成27年度においては、多くの方々から寄附を頂けるよう、奈良らしい伝統工芸品や特産物等、魅力ある返戻品を新たに追加し、ラインナップの充実を行ったことや、ふるさと納税専用ポータルサイトでの情報発信、また市内、市外で開催されるイベント等及び市内主要企業への積極的なPR活動に取り組んだことが、ふるさと納税の大幅な増収につながったものと考えています。なお、2月1日現在の返戻品数は124品目です。
 次に、平成28年度においては、さらなるふるさと納税の増収を図るため、平成27年度の取り組みを継続して行うとともに、奈良市を応援したい、また貢献したいとの思いから多くの自治体の中から奈良市を選択し、今年度に御寄附をいただいた方々には、来年度も御寄附をいただけるようにふるさと納税のリーフレットを送付する予定です。また、ふるさと納税の寄附額が多い自治体の取り組みを調査研究していきます。
 

◆内藤智司

一過性のものではなく、こういったところに対してリピーターがたくさんつくような施策というのは必要ではないかと思います。本来のふるさと納税の目的からすると私もちょっと違うと思いますけれども、そうは言っておられず、奈良市にもこういったものをやっぱりきちっと継続させていくという取り組みは一方では大事であると思いますし、今、課長御答弁ありましたリピーターをきちっと押さえていくことに対しましては、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、次に、危機管理課長よろしくお願いします。
 先般、自治連合会でもあった災害時要援護者名簿と避難行動要支援者名簿が、法律等によって変わったということの内容をお聞かせ下さい。

東日本大震災における死者数のうち65歳以上が6割、障がい者の死亡率が健常者に比べて2倍以上等の経験、こういった教訓を踏まえて災害対策基本法が改正されたということにおいて、従来の災害時要援護者名簿から、今回、避難行動要支援者名簿に見直しされました。
 奈良市においてもこの平成28年1月27日から29日の3日間、5回に分けて自主防災・防犯組織及び自治会長に説明会が開かれて、新しい避難行動要支援者名簿が配付されたところです。
 そこで、避難行動要支援者避難支援について、現状及び今後の取り組みについて質問します。
 従来の災害時要援護者名簿と今度の新しい避難行動要支援者名簿の違いについて教えて下さい。

◎河田稔危機管理課長

 従来の災害時要援護者名簿では、要援護者を、「災害から自らを守るために、必要な情報の把握や安全な場所に避難するなど、適切な避難行動等をとるのに支援を要する人々」と定義していましたが、新しい避難行動要支援者名簿では、要援護者を要配慮者と読みかえ、要配慮者のうち災害時にみずから避難することが困難で、円滑かつ迅速な避難に当たって特に支援が必要な者と範囲が見直されました。具体的には、身体障害者手帳4級以上から1、2級の交付を受けた方に、要介護・要支援認定者から要介護3以上の認定を受けた方等になりました。これにより、名簿掲載人数が要援護者、要配慮者約3万人から避難行動要支援者約1万人になりました。
 次に、制度として新しい避難行動要支援者名簿は、災害対策基本法の改正において、市町村長に作成が義務づけされました。また、従来の災害時要援護者名簿では、名簿への掲載を拒否された方は名簿に掲載されませんでしたが、避難行動要支援者名簿は対象となる全ての方を名簿に掲載し、そのうち平常時から自主防災・防犯組織等の避難支援等関係者に名簿情報を提供することに同意する方については、平常時から避難支援等関係者に名簿を提供します。平常時の情報提供に不同意の方も、災害時には避難支援等関係者に情報を提供することが定められました。
 

◆内藤智司

従来の要援護者名簿は、民生・児童委員の方が苦労して同意書等を取りつけてきたにもかかわらず、受け取りができないところが多かったようにも伺っています。今回の避難行動要支援者名簿の受け取り状況について、今の状況をお聞かせ下さい。

◎河田稔危機管理課長
 避難行動要支援者名簿の受け取り状況についてですが、今回の説明会では44地区96名の自主防災・防犯組織会長及び自治会長等の参加がありました。平成28年2月4日現在で、41地区の自主防災・防犯組織会長に名簿を受け取って頂いており、6地区の自主防災・防犯組織には後日受け取っていただく予定です。
 しかし、地域の特性により受け取りができていないところが2地区あります。
 

◆内藤智司

今後、配付された避難行動要支援者名簿をもとに、市としての取り組みをどのように考えているのかお聞かせください。

◎河田稔危機管理課長

 今後の市の取り組みについてですが、今回配付した平常時からの名簿情報の提供に同意している方4,354名分の避難行動要支援者名簿をもとに、地域の自主防災・防犯組織、自治会及び民生・児童委員等の避難支援等関係者が連携して、対象となる避難行動要支援者を誰が避難支援するかを定める個別計画・支援プランを、平成28年6月末を目標に作成していただこうとしています。
 また、未返信者4,512名の方に対しては、来年度、再度同意確認をさせて頂く予定にしています。さらに、従来の要援護者である要配慮者のうち避難行動要支援者の要件には該当しない、例えば足等が悪く、災害時に1人で避難することが困難な方の対応については、自主防災・防犯組織、自治会長及び民生・児童委員と連携して副申書を添えて提出してもらう等、市関係課と協議の上、避難行動要支援者として登録していきたいと考えています。
 

◆内藤智司委員

 今回の法改正に基づいた上で今回の名簿が作成され、それを地域の方々の協力を得て、要支援者名簿といったものの充実、今までは一方的に配るといった内容でしたけれども、今、説明あったように、今度はそれを地域がどのように支援していくのか個別計画・支援プランというものを作成しなければならない内容です。
 中身については、かなり個人的な情報が満載された個人情報が行き来するわけですが、これの取り扱いについては十分慎重を期して頂きたいこと要望しておきます。
 今回の取り組みは、災害時における弱者対策として重要な取り組みでもあります。実効性のあるものにして頂きたいと思います。
 しかしながら、地域において自治連合会と自主防災組織から各自治会への説明を実施して頂いていますが、地域には今あるようにさまざまな問題があり、避難行動支援者の一人一人が個別計画・支援プランを作成する困難さもあると伺っていますので、日ごろから連携がとれない自治会、自治連合会に未加入のところについても今後行政として十分取り組みをされなければならないと思います。行政としては危機管理部局だけではなく、福祉部局との連携、地域では民生さんだけではなく連合会、自主防災組織、そして地縁組織、女性防災クラブ等の密接な連携が必要となるので、今後そういった指導のもと具体的な展開をしていただきますよう要望します。
 それでは、財政課長よろしくお願いをいたします。
 今回、退職手当債について質問します。
 これまで退職手当債は、団塊世代の大量退職者手当の急増に対処するために、地方財政法の特例として10年間、平成18年度から平成27年度に設置されたものでありました。実際には、本年度の平成27年度、最終14億円の起債をもって終了し、平成28年度からは一般予算からの捻出することになっていましたが、総務省の平成28年度の地方債計画案においては、退職債については予算編成過程において検討するとあり、国から発表された地方財政計画によりますと、退職手当債が延長されたということですが、具体的にはどのような内容か教えて下さい。

◎辻井淳財政課長
 退職手当債の延長についての御質問ですが、昨年12月に発表された平成28年度地方債計画の中で、国全体としては退職手当額のピークを超えたところではあるが、個別には退職手当の負担の大きい団体が残っていることを踏まえて、退職手当債が発行できる特例期間を平成28年度から平成37年度までの10年間延長することが示されました。
 また、発行額の抑制を図る観点から、発行可能額の算定方法の見直しを行うこととなっています。その算定に当たっては、これまでは退職手当額から前年度の給料総額の100分の12を引いた金額が発行可能額とされていたが、その差し引く額を前年度の給料総額の100分の23に見直すこととしています。ただし、平成28年度から平成30年度については、その算定について激変緩和措置がとられることとなっています。
 

◆内藤智司

今ご答弁のあった100分の23、100分の12とか、算出方法だけ聞いても理解ができないので、その年のいろいろな条件、算出根拠、数字とか変わるとは思いますが、例えば平成27年度の退職手当債の予算額は14億円となっていますが、他の条件が同じとすれば今回の見直し案で平成28年度の計算方法では、退職手当債の発行額はどの程度になるか。

◎辻井淳財政課長
 今回の見直し案によると平成28年度の計算方法での発行可能額については、平成27年度の退職手当債の予算額14億円の条件で置きかえると、激変緩和措置によります加算額を含め約11億7000万円と見込まれます。
 

◆内藤智司
 約80%の金額が捻出できるということで理解をいたします。1問目のところにもありましたが、その率についての激変緩和措置がとられているとのことですが、平成28年度から平成30年度にかけての加算額の算出の考え方について教えてください。

◎辻井淳財政課長
 激減緩和措置による加算額の算出についての御質問ですが、前年度の給料総額の100分の11に当たる額に対して、平成28年度は0.8を乗じた額、平成29年度は0.5、また平成30年度は0.2を乗じた額とされており、通常の算出方法で積算された額に今申し上げた額をそれぞれ加算することで、3年間は激変緩和を図ることとされています。
 

◆内藤智司

現在の市の財政状況を考えると、この退職手当債の発行は続けていくことになると思いますが、この発行を続けることで後年後の今、さきのその償還を行っていますが、これを借りることによってまたその負担がふえることと思いますが、今後の負担増に対してどう対応していくのか。

◎辻井淳財政課長
 退職手当債を発行する場合の条件として、その対象となる団体は、平年度ベースを上回る退職手当額があって、職員の定員適正化計画を定め、総人件費の削減に取り組む団体とされており、また発行対象額が将来の人件費の削減により、市債の償還財源が確保できると認められた範囲内の額とされていますことから、今後の定員適正化計画により削減に取り組んでいくことで、この償還額の負担を賄っていけるものと考えています。
 

◆内藤智司
 今回の退職手当債のあり方については、わかりやすいように平成27年度の起債額を参考に、今回の見直し案の償還額についても今お聞きしました。来年度の額になると予算の事前審査にもなるといけませんので、今後のこの退職手当債の考え方、これらを含めた予算編成の方針については、3月議会でまた改めてお聞きします。
 次に職員の人事、職員の環境について、人事課長と、それから行政経営課長に時間外勤務のことも含めてお聞かせ下さい。
 採用試験についての報告がありましたが、平成28年4月1日の採用者数もほぼ確定したと思います。また、退職者についても早期退職者の申し込みも終了しているとお聞きしていますので、まず退職者の状況についてお聞きします。
 今年度の定年退職、早期退職、また、自己都合等による普通退職者を合わせて退職者は何人程度を見込んでいるのかお聞かせください。

◎増田達男人事課長
 平成27年度の退職予定者数について、定年退職者は84名、早期退職者は19名、自己都合等による普通退職者については年度途中の退職者を含めて26名程度を見込んでおり、合わせると129名程度です。
 

◆内藤智司

 退職者の見込みは今129名程度ということでありましたが、採用者数についてはどうなっているのか。既に実施済みの大卒者の採用試験も含めて平成28年4月1日付の採用者と、今年度途中の採用もあったようですので、合わせて何人になるのか。また、職員数の増減についてどうなっていくのか。また、一般事務職の増減見込みについてお聞かせ下さい。

◎増田達男人事課長
 平成28年度の採用者数と平成27年度との増減数比較について採用者については、平成27年度途中での採用者数が7名、平成28年4月1日採用予定者が74名、現在、採用試験を実施している募集人員が5名で、一般事務職などの一般行政職合計で86名の採用となります。先ほど答弁いたしました平成27年度の退職見込み者が129名ですので、平成27年4月1日との増減比較では43名の減員見込みとなります。
 増減の内訳では、一般事務職で7名の増員、その他行政職の増減で2名が増となります。そのほか保育教育士が18名の減、土木職が13名の減、技能労務職で21名の減員となる見込みです。
 

◆内藤智司 

 毎年職員数が減っていく状況の中で、来年度は43名程度の職員がまた減るといった今の御報告でした。常に申し上げております市民へのサービス、これを低下させないというのがやっぱり一番の対策であるとも思います。こういった状況の中で、その市民サービスを低下させることなく維持していく施策として、どのように考えておられるのかお聞かせいただきたいと思います。

◎増田達男人事課長
 市民サービスを低下させることなく維持していく手だてをどう考えているのかについてですが、効率的、効果的組織運営が可能となるように、民間委託化や再任用職員、非常勤嘱託職員、臨時職員といった非正規職員を活用しながら、また業務の繁忙期には部内事務従事制度の活用や事業の進捗に合わせました人事異動など、年の途中であっても柔軟な職員配置を行ってまいりたいと考えています。
 

◆内藤智司

 人事課における業務民間委託も今進められていると思いますが、今後のスケジュールと想定される効果、ただ、今の答弁で民間委託と言われましたが、人事課もことしからその業務委託をされる計画をされています。その民間委託のスケジュールと想定される効果について教えていただきたいと思います。

◎増田達男人事課長
 人事課における業務民間委託の今後のスケジュールと想定される効果について、平成27年10月から労働者派遣を活用しながら、人事課業務の委託に向けた業務の見直しと業務マニュアルの作成と、調達のための仕様書作成などを行って、平成28年10月からの業務委託開始を目指しているところです。
 人事課業務における勤務管理、給与事務、福利厚生事務などは、民間においても同様の事務が存在し、必ずしも市の職員によらずとも実施ができる事務でありまして、民間委託することにより、人事課職員が本来の人事給与制度の検討、職員の採用、人材育成、また職員の適正配置などの業務へ集中することにより、人事施策の充実を図れるものと考えているところです。
 また、業務民間委託により削減できる人員の効果につきましては、平成29年4月時点で、現在と比較して9名程度の減員を見込んでいるところです。
 

◆内藤智司
 次に、職員環境の中で時間外勤務施策、今、行政経営課のほうで取り組んでいただいていると思いますが、9月の決算審査特別委員会において平成27年度の時間外勤務の縮減対策としては、業務ごとの時間外勤務時間について検証を加えるとともに、特に残業の多い課を対象としたヒアリングの実施など、その課に応じた解決策の提供や、必要に応じて臨時職員の追加配置をするといった対策を行うという答弁であったと思いますが、これまでのやはり延長線上でさらなる縮減というのは本当に難しいのかなというふうにも思われます。新たな取り組みとして何か実施したのか教えて下さい。

◎山口浩史行政経営課長
 平成27年度の時間外勤務縮減対策の新たな取り組みについて、行政経営課と人事課で構成いたします時間外勤務縮減ワーキンググループにおきまして、縮減策を検討しているところです。その中で、所属ごとに超過勤務手当を配当し、執行管理することで所属によるマネジメントをより働かせる案や、ノー残業デーの部長巡回及び実施報告など、他市事例を参考にしながら検討してきたところですが、今年度の新たな取り組みとしては、ワーク・ライフ・バランス確保の観点から、昨年9月から10月にかけましてノー残業ウイークを試行したところです。この取り組みは、3週間の実施期間のうち、所属ごとに任意の1週間を残業しない週とすることにより、日々の業務を振り返る機会とし、業務改善に向けた気づきを得ようとするものです。
 緊急業務や対外的な会議、また繁忙などの理由により実施できなかった部署もありましたが、全体では1週間を通しての完全実施が5割、2人以内の残業で1日のみ未達成の部署も含めますと6割を超える部署で達成できたというところです。
 また、アンケート調査では、「組織全体の実施が前提となるため取り組みやすい」、「残業を必要とする業務かどうかの見直しをするなどの職員の意識づけになった」、「家族と一緒にいる時間がふえるなど精神的、肉体的にリフレッシュできた」という意見とともに、さらに「継続実施してほしい」との声も上がるなど、一定の意識づけが図られ、今後につながる取り組みになったと考えています。
 

◆内藤智司

この件につきましては、職員さんにある程度ヒアリングをしたところ、一長一短あり、当初課長が述べられたような評価をされているというところもありました。ただ、上から8時以降残業だめだとか、上から押さえつけるようなものではなくて、今あったように職員からの気づきというか、職員からやっぱりそういう意識を目覚めさせる施策というのは非常に、まあまあ有効的と思います。
 本当に民間においては、時間外勤務のそういった縮減対策としては、全館一斉消灯とか、命令時間を超過する職員の業務パソコンに退社を促す表示をさせるとか、画面にぱっとそういったことができるとか、例えばすいすいデーとか、水曜日の朝になってパソコンを立ち上げるとそれが表示されるとかいった、パソコンを活用した、システムを活用した導入事例等もあります。これらは今言いましたように強制的に残業を規制するという形じゃなくて、職員の仕事に対する時間の意識改革というものを目指したものと思います。さらなる時間外勤務の縮減に向けた職員の意識改革が必要と思われますが、お考えをお聞かせ下さい。

◎山口浩史行政経営課長
 さらなる時間外勤務の縮減に向けては、職員の意識改革が重要であるとの御指摘をいただきましたが、時間外勤務を縮減していくためには、これまで取り組んでまいりました所属別、個人別マネジメントの強化、業務内容の精査だけでは十分でなく、職員おのおのが日々の業務改善意識を高めていくことが重要であると考えています。
 また、時間外勤務の命令に当たっては、職員と所属長のコミュニケーションを深め、その必要性をより慎重に吟味する風土の醸成に努めてきたところですが、委員にお示しいただいた事例なども含めまして、より一層効果が得られるように方策を検討してまいりたいと考えています。
 

◆内藤智司
 人事施策全体について、若干まとめて意見を述べたいと思います。今の時間外勤務施策については、個々の取り組みの醸成といったところでは必要と思いますが、庁内全体を見る中では、やはり繁忙感といったものは否めません。今ありましたように職員が来年度も43人、実際の職員が減っていくわけです。仕事が減ったわけではありません。そういった中でやはり業務をどう見直していくか、やはり職員でなければできない仕事があるというのは、もう毎回のごとく申し上げているわけですが、そういった中で既にもう去年で職員が6割、非正規が4割といった報告もあった中で、本当に今もう職員が半分、非正規が半分といった状況になってくるのも時間の問題とも思います。その中で、やはりそういった職員の士気を高め、維持していくということについては、適正な人員配置というものが私は根本にあると思います。
 中にありました人事課の民間委託のスケジュールと想定される分については、私もこの民間委託については反対するものではありません。既にこういったものを導入されている企業等もあります。

ただ、先ほど言いました平成29年度4月末で9名の減員を見込んでいますという報告がありましたが、ここに先ほど課長が申し上げた本来の人事課の職務ですが、人事給与制度の検討、職員の採用、人材育成、こういった本来の人事課の業務自身を十分構築できるような体制をつくっていただきたい。
 先ほど財政課の答弁にありました、職員の定員適正化計画に基づいた財政運営がされようとしているわけですが、平成27年度、平成28年度以降の適正化計画が出されていないと思います。財政施策ありきの削減になっていないのかというのが非常に大きく危惧しているとこです。人事課、行政経営課が中心となって業務改善に取り組むことが、やはり一番の私は大切なところであると思います。
 その施策としては、やはりツール、情報システムが最適化されてきています。マイナンバーも、今、定着に向けて制度が導入されて、それが定着していく中では、非常に業務自身が複層化していますが、このマイナンバー自身が定着していけば、そこで生み出される人材というものはあるわけですから、こういった新たな労力を十分活用して業務の見直しをするべきではないかと思います。