平成29年2月 総務委員会ー2月10日
平成29年 2月 総務委員会-02月10日
【質問要旨】
1.マイナンバー制度における本人確認について
2.情報政策におけるCIOの任用について
3.働き方改革について
1.マイナンバー制度における本人確認について
◆質問 内藤智司
マイナンバー制度に係り、現在、1月から本格運用をされているところについて、具体的な手続に対してマイナンバー制度自身は、国自身、今、国民一人一人に大切な税の負担を求めて、不正な福祉サービスの受給の防止等、公平・公正な社会を実現するという社会基盤とする制度であると聞いる。また、その一方で、福祉や保険などの各種の手続を行うときに添付書類の省略ができる。そういった国民の負担を軽減する利便性も今回図られている制度と認識している。今回このような状況の中で、市では各種の申請手続のときに個人番号の記載を求めているという状況で、マイナンバーカードを提示すれば本人の手続がもうそれでできるという形になっている。 しかし、マイナンバーカード自身の普及率というのは、今、市全体で8.5%程度と聞いているが、逆に持っていない人が申請したときにどうするのかというところについて、本人確認の手続をお聞かせいただきたい。
◇答弁 深村浩総務課長
市では各種申請手続を行っていただく際、申請書類等に個人番号の記載を求めるとともに、マイナンバーカードなどの提示をお願いし、番号確認と本人確認の手続を行いる。この際、マイナンバーカードをお持ちの場合は、同カードを御提示いただき、番号の確認と本人確認の手続をあわせて行いる。また、マイナンバーカードをお持ちでない方については、番号確認のために番号通知カードまたは個人番号の記載された住民票の提示をお願いするとともに、官公署等が発行した身元の確認できる書類を写真入りの場合は1枚、それ以外の場合は2枚提示いただき、本人確認を行った上で事務を進めている状況である。また、申請の対象となる本人が来庁できない場合は、前述の書類に加え、委任状の提出などをあわせてお願いしている状況である。
◆質問 内藤智司
実に、マイナンバーカードを持っていれば、それ1枚で本人確認ができ、受け付け事務が非常に比較的短時間で行えるということである。 しかし、今御答弁いただいたようにカードをお持ちでない方は、90%以上になるがその場合、本人確認をする上では最大4枚となる書類が必要となる。明らかに市民や職員に係る負担がふえていると言わざるを得ない。このような状況の中で、各種受け付け業務の際に何らかの混乱が生じていないのかが危惧されるがどうか。
◇答弁 深村浩総務課長
マイナンバーカードをお持ちでない場合は複数の書類の提示をお願いする必 要があるため、その点で市民の皆様に御負担をおかけしている状況である。しかし、各取り扱い窓口において、申請に必要な書類の事前周知に努めるとともに、国からの通知などに基づいて要件の緩和を図る場合もあり、今のところ各窓口で大きな混乱はなく、受け付け事務は順調に進捗しているものと考えている。なお、今後何らかの問題が生じた場合は、法の趣旨にのっとった適切な対応に努めるとともに、市民の個々の事情にも十分配慮する必要があると考えている。
◆質問 内藤智司
それでは、今のところ各窓口では大きな混乱は生じていないということで、これは事前にお聞きしている中では、課長みずから各職場に行ってお聞きしていただいているということなので、そういうことなのかと思いうが、従来に比べて添付書類が簡素化される反面、手続が複雑化しているということは、事実であると思う。今後、マイナンバー制度が、情報連携事務が開始されてその適用範囲が広がる中で、さまざまな課題が顕著に出てくることも予想される。将来課題になると考えられる事項について、市ではどのように把握し対応しようとしているのか
◇答弁 深村浩総務課長
マイナンバー制度における情報連携事務が本格的に開始され、またマイナンバーの適用範囲が拡大された場合、各窓口において何らかの混乱が生じる場合があると考えている。特に、先ほどから御質問いただいている本人確認事務や番号収集事務については、情報連携事務の開始に伴ってより厳格な手続が求められると考えられ、現在顕在化していない問題が新たに発生する可能性はあると考えている。このため、今後も申請に必要な書類の事前周知に努めるとともに、国・地方の協力のもと、マイナンバーカードの普及に努める必要があると考えている。
◆意見・主張 内藤智司
マイナンバー制度自身は、国の、今、先ほど社会基盤となる制度だということであるが、今の状況の中で一般の国民、市民がこのマイナンバーに対してどのような利点があるのか、どのような利便性があるのかというのが、いまいちわからない状況と思う 私自身はマイナンバーカードを取得させていただいた。これは確定申告に使うe-Taxに使うために取得したが、そういった活用されるところについては、非常に利便性を感じる。今まで住基カードでやっていたが、マイナンバーカードでe-Taxに変わったことと、カードを取得いたときに、これからどんな我々市民がその利便性を感じていくのか、広報とか市民の方にお示しする必要があるとおもう。マイナンバーカードを持つことが一つ大きなこういった事務に対しての効果をあらわしてくると思うので、今後御尽力いただきたい。 そういった意味では、副市長や人事課で把握していただきたいが、このマイナンバーの業務に関しても、事務が非常に増大している。 業務が増大しているということは事実であり、この辺は後でまた整理をしていきたいと思う。
2.情報政策におけるCIOの任用について
◆質問 内藤智司
昨年8月17日の総務委員会のときに、CIOの採用選考試験の結果について、応募はあったものの採用に至らなかったということである。人事課では引続き任用に向けて取り組んでおられると思うが、CIO補佐官が豊富な経験に裏づけられた専門的知見から指導、助言の役割を果たされてきたとも思う。 そのCIO補佐官も昨年9月末に任期満了で退職されていると聞いている。現在、CIOの任用ができていないことによって、情報セキュリティー対策やその他の関連業務、先ほどのマイナンバーもそうですが、そういったところの業務の円滑な運営に課題が出ていないのかお聞かせいただきたい。
◇答弁 島岡佳彦情報政策課長
当面、当課が抱える高度な専門的知識を必要とする業務として、総務省主導による情報ネットワークの強靱化事業、全国的なマイナンバーの情報連携事業、情報システム評価制度などがあると考えている。現在、情報ネットワークの強靱化事業、マイナンバーの情報連携事業には、専門的な立場から情報コンサルティング業務委託会社にサポートをお願いしている。 また、情報システム評価制度については、CIO補佐官が務めていた部会長の代理を情報政策課長が務めるとともに、行政経験豊富な総務部理事にも加わっていただき、幅広い意見をいただいておるところである。 しかしながら、重大なインシデント発生への対応も含めまして、すぐれたICTの利活用には、高度な専門的知識と経験が必要不可欠である。早期にそれらを備えた専門家に着任いただき、行政が抱える多くの課題解決に向けて、情報セキュリティーの確保及びICTの利活用を推進していきたいと考えている。
◆意見・主張 内藤智司
ふだんの業務については、今、精いっぱいのところでそれぞれ担っていただているというところであるが、これからの例えばシステムの最適化、マイナンバーのいわゆる業務連携等、それからセキュリティー等、責任者たるところの位置づけというのは必ず必要であるというところから、早期に任用していただくよう要望しておきたい
3.働き方改革について
◆質問 内藤智司
職務経験者枠の採用試験について、実施の旨をお聞きするが、今年度に職務経験者枠の採用者に限定した係長昇任選抜試験が実施されているが、どのような趣旨で試験をされたのかお聞きしたい。
◇答弁 中井史栄人事課長
ことし職務経験者枠を対象とした係長昇任選抜試験であるが、民間企業等での職務経験者を対象とした採用試験により採用した職員を対象に実施した試験である。 本市においては当該採用試験により、豊かな職務経験で培われた能力や知識・経験のある者を即戦力として採用をしてきたところであるが、現行制度のもとでは、入庁時の年齢が高いがゆえに、入庁してから係長試験の受験資格を得るころには、いわゆる新卒採用者に比べると高齢になってしまうことが課題となった。豊かな職務経験や専門知識を持った職員が年齢相応の処遇を与えられていない状況については、職務経験採用者のモチベーションを下げる要因となっている。そこで、早期に受験の機会を与えることによって、そのような状況を打開し奈良市の組織力の向上をさせることが、この試験の目的である。
◆質問 内藤智司
今回、試験方法としてプレゼンテーションを取り入れたということだが、どのような理由からか教えていただきたい。
◇答弁 中井史栄人事課長
試験手法としてプレゼンテーションを取り入れのは、職務経験者採用は入庁 前に既に一定の知識や経験を有しているがより質の高い行政サービスを提供す るために、限られた予算や法律の中で、よりよい政策や事業を立案する能力を 備えているかということを見きわめ、その上で、本市係長級職員として職務遂 行上必要な企画力及び説明力等を有しているかを判定する目的で、より業務の 実践に近いプレゼン試験を導入したものである。
◆質問 内藤智司
職務経験者枠の採用に限定したということであるが、試験を行うことによって、今、御答弁ありましたメリット性等もあると思うが、そういった意味では、そのメリットとデメリットについて人事課としてどのように認識されているか。
◇答弁 中井史栄人事課長
当該試験実施のメリットとデメリットについて、係長試験の受験機会を得るまでの年数が従来の制度より短縮されたわけだが、いわゆる新卒採用者にとっては、本市での在職期間が短い職務経験者が優遇されているかのような印象を受けてしまう傾向がある。とはいえ、今回、新設をした試験は、真に実力のある職務経験採用者に見合った活躍の場を与えることを目的としたもので、それは奈良市の組織力全体の向上につながるという大きなメリットがあると考えている。
◆質問 内藤智司
こういった職能試験というのは、基本的にはその組織の人事制度の根幹部分であると思う。就職的な部分でいえば、用されるときの一つの大きな条件でもあり、それを職務経験者枠という限定した中で変えていくということについては、先ほど申されたように新卒者との整合性とかいった部分では、やっぱりそごを起こしてしまうと思う。今、御答弁あった真の実力者にその見合った活動の場を与えるという意味では、どの職員でも同じことであると思うので、するならするで、この職務経験者枠ではなく、全体を通じてその見直しを行うべきと思うので、意見として述べておきたいと思う。それでは、働き方改革の中から若干質問をしていきたい。今、国において、一億総活躍社会の実現に向けてということで、納得のいく働き方、いわゆる働き方改革というものが推進されようとしている。働き方改革、これは非正規の処遇改善とか長時間労働の是正とか、ワーク・ライフ・バランス、今、これまでずっと課題になっており、いわゆる働き方をどうするのかということのまとめかと思うが、やはり短期的、中期的な課題、そして優先していくべき課題等、対応していかなければならないと思う。奈良県も昨年度から奈良県働き方改革推進協議会というものを立ち上げて、各種の労働会社というか、企業、いわゆる運輸とか銀行とかそういった外部委員を選抜して、この推進協議会を設置されて、3月末ぐらいにこういったところのガイドラインというものが出されるように聞いている。それに基づいて、各企業、また県、私たち本市も、この働き方改革というものを考えていかなければならないと思うが、本市は、さきに奈良市女性職員活躍推進ポジティブ・アクションプランというものを策定されて取り組んでおられる。こういった部分で、働き方改革というものが、これからどういう取り組んでいくんかということも思うが、当該のプラン策定後の具体的な取り組み及びその進捗状況についてどうか。
◇ 中井史栄人事課長
本市において、昨年3月に策定をいたしました奈良市女性職員活躍推進ポジティブ・アクションプランに基づきまして、組織全体で継続的に女性職員の活躍を推進するための取り組みや数値目標を掲げました奈良市特定事業主行動計画を4月に策定したところである。男女ともに安心して活躍できる組織にすることは、多様な価値観を生かし新たな発想を生むことができるなど、行政経営の基盤強化につながるものであり、本市としても喫緊かつ戦略的に取り組むべき課題であると認識している。 当該計画実行に当たっては、働きがいと働きやすさの2つの視点から具体的な施策の展開を図ってきたところである。 まず、働きがいの醸成としえは、男女を問わず育児期にある職員が、自身が抱える不安、悩みの軽減解消や視野の拡大のために、年齢、性別にかかわりなく情報交換、意見交換ができる場を毎月1回開催し、相互理解のためのネットワーク形成につなげているところである。また、特に女性職員は結婚や出産などのライフイベントに影響を受けやすいことから、キャリア形成支援として、新任管理職を対象とした先輩管理職によるメンター制の導入や女性職員キャリアアップ研修を実施したところである。また、働きやすさを実現するための方策として、今年度から7月から8月をワーク・ライフ・バランス推進強化月間と定めまして取り組みをすること、また、妊娠、出産、育児中の職員を対象として、各種の人事制度を紹介したハンドブックを作成した。さらには、産休、育休、介護休暇取得による欠員補充を正規職員で代替できるようにするために、正規職員の別枠採用などに取り組んでいるところである。 今後とも、子育てや介護などにより時間的な制約を持ちながら仕事と生活の両立を迫られている職員への対応はもちろんだが、職員が互いに協力をし、支え合いながら、組織全体で仕事と生活の両立を図れる環境づくりを推進してまいりたいと考えているところである。
◆質問 内藤智司
アクションプランに基づいて各種の施策が実施されているというところであるが、先ほどの答弁では、産休、育休、介護休暇の取得者の補充のための正規職員を別枠で採用しているといった取り組みだが、職員数の定員適正化を進めていく中にあっては、全てこの補充ができているとは言いがたいのは現実である思う。正規職員で補充できない場合であっても、非常勤の臨時職による補充が中心と思うが、これは今、やはり1が1になっていない、1が0.5ぐらいの補充と思う。月に14日勤務の臨時職を2名補充するなど、やはり柔軟な対応が必要であると思う。 臨時職の処遇については、やはりずっと申し上げている同一労働同一賃金の実現に向けた取り組みと、それから正規と非正規の間にある合理的理由のない処遇の格差、この解消も今後重要な課題と思う。健全な市政の推進のために、きちっとした雇用を確保するということが、私は大前提と考えるので、今後ともよろしくお願いをしたい。 時間がないので数点ちょっと質問を飛ばしまして、1つお聞きしときたいのは、長時間労働については、いろんな今、施策をされておって、これからも対策をされていこうというふうに思うんですが、そういった一般職の時間外勤務というものは管理されている中で、今成果を出されているというところですが、逆に言えば、管理職の時間外勤務について、その把握等をどういうふうにされているのか。大手民間の管理職が不適切な労働時間で亡くなるという事件も発生している。社会的な問題になっているこういった管理職のいわゆる業務実態というものをどのように管理されようとしているのか。
◇答弁 中井史栄人事課長
管理職の勤務時間の管理状況について、全管理職の長時間勤務の実態については、今まで正確にその実態を把握してこれていなかった。管理職の長時間勤務による死亡事案が発生していることあり、本市としても、ことし2月1日から、管理職の正確な勤務時間を把握して、長時間勤務による健康障がいの未然防止、早期発見につなげるため、出退勤システムによる勤務時間の管理を始めたところである。
◆質問 内藤智司
地方分権が進んでいる中では、業務量というものは減っていかない、むしろふえていっているのが現状と推察する。業務量が減らない中で、管理職以外の職員の時間外勤務が減少するということは、その分、管理職がかわって一般事務をしていかなければならないということがここに出てきているのかと思うので、その分はやはりきちっと把握をしながら、管理職自身のそういったライフワークというか、生活、それから衛生、健康面を十分チェックしていただくよう要望する。最後に向井副市長に、こういった取り組みの中でいろんな時間外勤務の削減に向けた取り組みがされている。業務量に見合った人員を配置することが大前提と思うが、先ほどの答弁があったように、要因をしっかり洗い出すことが重要と思う。これについてどのように考えておられるのか。
◇答弁 向井政彦副市長
時間外勤務の縮減のためには業務量に見合った適正な人員配置、また仕事の進め方など、何が根本原因となっているのか、これは大変複合的な要因でもあると思うが、それをしっかり洗い出すこと、また、それらに対して適切な対策を進めていくことが重要なことであると考えている。このことから、非正規職員の確保や活用に向けた処遇改善、そして適正な人員配置のための業務量の把握、また効率的な業務遂行や業務自体の見直しによる業務量自体の削減などに取り組んでいるところである。奈良市にとっても、この管理職を初め職員の時間外勤務の縮減というのは大変重要な課題であると認識しているので、今後も長時間労働の縮減などの働き方改革を推進し、ワーク・ライフ・バランスの実現と職員の健康保持が図られるよう努めてまいりたいと考えている。
◆意見・主張 内藤智司
今まで適正化計画の中でも私は何度も聞いているが、どんだけの仕事があって、どれだけの人が必要であって、そして適正化に対してどうあるべきかというのを求めてきたが、依然、答弁を聞いているとどれだけの仕事があるのかということが出てこないというのが答えである。なぜ出てこないのか、よくわからない。だからそういった意味では、今、副市長がおっしゃられたように業務量の把握、これができない以上、適正な人員というものは出てこないと思うので、この辺の考え方をもう一度考え直してほしい。 極端な話、時間外勤務をなくすには、企業が採用したのは、もう8時になったら電気をとりあえず切ると、帰れということで本当に業務が進まないのかどうかを検証するということも1つのやり方であろうし、もしそれをやっていただけるならば、秘書課からまずやっていただけたらありがたいなと思う。市長に早く帰っていただいて、業務がとまるんか、とまらないんか、その辺を3月、市長に聞いていきたい。