平成29年3月 予算等審査等特別委員会
平成29年3月 予算等審査等特別委員会 3月14日
【1、マイナンバー制度について】
【2、地域公共交通会議の件について】
【3、地域子育て支援拠点事業の取り組みについて】
【4、市民だより等の配布事業について】
【5、8年間での観光協会での成果について】
【6、定員適正化計画の進捗状況について】
【1、マイナンバー制度についての質疑応答・意見・要望】
◆内藤智司
マイナンバー制度は、既に目的等は国の方から「税と社会保障の一体化、効率化、透明性」ということで、多くの財源を入れながら、既に運用しているが、平成27年10月に施行されて、昨年、28年1月からナンバーカードの交付がスタートしました。今年の1月から既に本格実施ということで、マイナンバーを使っての行政間での実行がされているが、今現在のマイナンバーカードの交付状況について答えてください。
◎仲野公夫総合政策部参事
平成29年2月末までの奈良市の交付状況は、人口36万16人のうち交付件数は3万2172件で、交付率については8.94%です。 また、奈良県の状況は、人口約139万5000人、このうち交付件数は13万4032件で、交付率は9.6%です。
◆内藤智司
マイナンバー制度は、「行政の効率化、国民の利便性の向上、公平・公正といった社会の実現」というメリットを上げながら、取り組んでいるが、マイナンバーカードについても、行政側、市民側のメリットがあるとは思うが、まずはどう行政側の効率化につながるのか?
◎仲野公夫総合政策部参事
マイナンバー制度導入により、行政機関や地方公共団体などでさまざまな情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が削減される。また、複数の業務の間で、業務間で連携が進み、作業の重複などの無駄が削減されるということが考えられる。そして、一般的にはマイナンバーカードを利用した電子申請の拡大が図られるようになれば、窓口業務などの軽減、さらなる業務の効率化が図られ、行政が発行する印鑑登録カードや図書カードなどの多くのカードをワンカード化することにより、カードの発行や管理などのコスト削減も可能になると言われている。
◆内藤智司
先ほども言ったが、国が多額の費用をかけて導入したマイナンバー制度ですし、このカード自体も今、国費を使いながら導入しているが、普及にあっては、コンビニ交付などの市民の利便性の向上が不可欠であると思うが、その認識については?
◎仲野公夫総合政策部参事
マイナンバーカードを取得することで、免許証のように顔写真のついた身分証明書が無い方には、免許証などと同様に身分証明書として使用することが可能になる。 また、将来的にはマイナンバーカードを利用した各種行政手続の電子申請受け付けの拡大、また行政や民間事業者が発行する各種カードのワンカード化の推進により、市民の利便性は向上するものと考えている。なお、マイナンバーカードを利用した住民票等のコンビニ交付、これについては、現在その実施に向けては住民票や印鑑登録証明書、市が発行する証明書、これがどの範囲まで可能なのか。またシステム構築の初期費用やランニングコスト等についてどれくらい必要なのか。これを検証しているところである。
◆内藤智司
カードの普及率は、まだ10%を満たしていない状況の中で、市民の利便性の向上のための施策は必要であると思う。今後のマイナンバーカードの普及促進について、どのように考えているのか?
◎仲野公夫総合政策部参事
市民サービスの向上の観点から、これまでは一部の行政手続で県のシステムを利用した電子申請を実施していたが、マイナンバーカードの電子証明書の機能により、インターネット上で身元確認が安全に確実にできるようになり、この仕組みを活用して電子申請による手続を増やすことが可能となる。このことから現在においては、国からの依頼により、保育所利用、また児童手当などの子育てサービスに関して電子申請等を行うことができる、子育てワンストップサービス、これについて検討している。さらに、国ではマイナンバーカードの普及のための健康保険証、国家公務員身分証の機能搭載を初め、さまざまな利活用についての検討されており、民間においても、研究開発が進んでいる。こうした国や民間の動向も視野に入れながら、他市の状況を調査して、コンビニ交付の導入や奈良市ポイント制度との連携など、本市の実情に応じた利活用について調査研究をしていきたい。
◆内藤智司
具体的に、今奈良市でどうするのかには至っていないと思う。 やはり行政側の業務の効率化、これは非常に大きく影響してくると思う。以前に総務委員会で確認した時に、マイナンバーの番号を確認するために本人の確認書類が要る。多い人は4種類の書類が要る。これが今後、カードを持つことによって、行政側の業務のあり方が変わる。市民はそのカードを持つことによって、その手間が省ける。なおかつコンビニ交付とかの利便性につながる。 ほかの各市町村では、職員がスマホで申請代行をして、その拡大を図っている。県内の香芝市では、無料で写真撮影を市役所でやり、その拡大を図っている。などの施策を実際している。仮にこの普及率が20%、30%になることによって、本当に行政側の業務、市民の利便性といったものがどんどん広がっていくと思う。私がこのことを質問するとしたら、市としての窓口がない。その体制自体を奈良市の中できちっと整えて、マイナンバー制度自体に対して真剣に取り組むべきと思う。 国から下りてきた制度です。制度が市民の窓口となるのが我々地方自治体だから、自治体がやらなければ進まない。進まなければ業務自身が効率化されていかないので、この件は要望したいと思う。
【2、地域公共交通会議の件についての質疑応答・意見】
◆内藤智司
平成29年度に予算300万円が計上されて取り組むが、この29年度の実際のスケジュールと予算の内容について?
◎藤田雅弘交通政策課長
平成29年度の早い時期に会議を開催して、本市の現状分析をもとにし、他市でのさまざまな施策の実施状況も踏まえながら、地域の需要に即した乗り合い運送サービスなどの協議や検討を行い、移動の確保に向けた施策の構築や実施に向けた合意形成を図りたいと考える。目標としては、会議は年間数回程度開催して、早ければ平成30年度には実証実験の運行が実施できるように、進捗管理をしたいと考える。次に、予算の内容は、地域の需要に対応できる施策の立案など、さまざまな専門知識が必要となり、コンサルティング業務としての委託料が290万円、委員報酬などを含めたその他の経費として10万円、その総額300万円を計上した。 なお、その全額については、県の「安心して暮らせる地域公共交通確保事業補助金」が充当される。
◆内藤智司
この地域公共交通会議が法律化されて、早くに取り組んできた多くの市は、数年をかけて毎年一つ一つの課題の解決を図ってきた。その結果、いろんな施策を実現された。次年度から始める本市が、現状の課題分析と行動目標を施策、いわゆる実証実験とされたが、30年度に運行できると答弁があった。奈良市は人口減少、少子高齢化が進んでいる中で、公共交通施策、対策について、他市から大きく遅れている現状ではないかと思うが、先進的な取り組みをしている他市の事例や他都市、都市部から山間地域を抱える本市の問題を1年で抽出して、課題を絞り実証実験に持っていくのは、本格的な取り組みで大きなエネルギーが必要だと考える。 そこで課題抽出の範囲及び方法について、現時点の見解は?
◎藤田雅弘交通政策課長
昨年度に奈良市域の公共交通基礎調査を行い、その調査結果をもとにした課題抽出を行いたいと考える。その目安として、鉄道駅から半径1キロメートル圏域以外、かつバス停から半径300メートル圏域以外の地域を抽出して、またその他の地域も含めて、1日に何本のバス路線があるかの調査を行い、現状の把握はしている。
◆内藤智司
では、年間数回程度の会議で実証実験となれば、非常にタイトなスケジュールにも思うが、実証実験の一定の考え方があるのか?
◎藤田雅弘交通政策課長
平成29年度から実施する会議では、基礎調査資料をもとに交通空白地となる市街地域、または山間地域で、例えばデマンドタクシーなどの運行サービスが展開できないかも含めて考えている。
◆内藤智司
先進市が早くに今回の事業に取り組む経過を見れば、コンサル会社にもなれというか、非常に苦労されたようだ。コンサルの選定においては、実績を重視するべきと考えるが?
◎藤田雅弘交通政策課長
過去に他市において、地域公共交通会議の運営に対してのフォローや施策の策定を複数回にわたり実施した、実績のあるコンサルティング会社を数社抽出して、指名競争入札を実施する予定です。
◆内藤智司
取りまとめを行う担当部署、部局においては、この地域公共交通ということに対して、専門的なレベルが必要と思う。先進市では、国や県からの人材の援助をもらいながらやっているところもあったが、そういった考えは?
◎外良匡利市民生活部長
技術的な助言については、公共交通会議のメンバーに奈良運輸支局や県の地域交通課の職員など、専門的な部署からの委員を委嘱する予定です。事業の推進に向けたさまざまな専門的アドバイスがいただけると考える。
◆内藤智司
近くは、木津川市、それから生駒市が先進的に進んでいる市です。視察もしながら、勉強してきましたが、担当部局自身は本当に市の中心となる、行政経営課、総合政策課あたりのところが主査をとって会議を進めたのが印象的でした。交通政策課の方で、以前からそのことは取り組でおり、今回会議という形の中で、その成果を1年、2年かけて、これから実際的にやっていく形になるが、来年度、そういった会議体を作って進めていくには、非常にタイトなスケジュールでこなさないと、今の話の「行動目標」には、なかなかしんどいと思う。
【3、地域子育て支援拠点事業の取り組みについての質疑応答・意見・要望】
◆内藤智司
少子化や核家族が進行、女性の社会進出によって子育てを巡る環境は大きく変化する中で、子育ての孤立化や子育てに悩む保護者が増えてきているというところで、子供に優しいまちを実現するために、本市子育て支援の充実を掲げてこられた。さまざまな子育て支援策に取り組んでいるが、地域の子育てである「地域子育て支援拠点事業の取り組み」について聞く。
◎小澤美砂子ども育成課長
地域の人間関係が希薄化する中で、子育て中の親子が日常的に交流できる場や、子供が遊べる場を見出すことが難しくなってきた。子育て親子が身近な場所で交流し、子育ての不安や悩みを相談できる場として、地域子育て支援拠点等の子育て広場の拡充を図ってきた。現在、市内には子育て親子の交流や子供の遊び場として、「地域子育て支援センター」、「つどいの広」、「子育てスポットすくすく広場」、「児童館の子育て広場」がある。また、子育て中の保護者をサポートするため、地域子育て支援センターとつどいの広場において一時預かりを実施している。
◆内藤智司
資料によると、平成28年度は子育て広場を52カ所設置し、拡充した。経費も増加傾向だが、当該事業の具体的な成果について?
◎小澤美砂子ども育成課長
本市の子育て広場の設置数は、近隣都市や人口規模が同じ中核市と比較しても多く、子育ての仲間作りや一時預かりなど、利用者や時代のニーズに合った子育て支援を行っている。利用者数は年々増加し、平成27年度は延べ約15万人の方が利用し、利用者へのアンケート調査でも高い評価を得ている。 また、子育て広場のスタッフが子育てに関する悩みなどの相談を受けることで、子育て家庭の不安の軽減を図っている。
◆内藤智司
次に、地域子育て支援拠点事業の運営方法や質の向上を図るための取り組みについては?
◎小澤美砂子ども育成課長
地域子育て支援センター及び、つどいの広場については、公募型プロポーザル方式により、有識者を含む審査委員会において選考を行い、法人格を有する団体との委託契約により実施している。また、委託開始後、5年を経過する団体に対して、有識者を含む評価部会において現地調査を実施し、事業内容や利用実績等の確認を行い、5年間の評価を行っている。さらに、地域子育て支援拠点の質の向上を図るため、当課において、毎年委託事業者に対して現地調査やスタッフへのヒアリングを行い、課題及び問題点を抽出し、次年度の事業運営に反映している。子育てスポットすくすく広場は、奈良市社会福祉協議会に委託し、市内に4カ所ある老人福祉センターの1室を活用し、子育て親子が集える場の提供とともに、施設の特徴を生かした高齢者との異世代交流も行っている。公立の児童館では午前中の時間帯を活用し、就学前の児童とその保護者を対象とした児童館型の子育て広場を開設している。また、子育て親子にとって、より身近な地域の子育て支援の拠点として、民生・児童委員や地域社会福祉協議会等の地域の子育て支援関係者に委託し、市内各地域の幼稚園や公民館などにおいて子育てスポットを開催し、地域のさまざまな人が子育てにかかわり、地域全体で子育てを応援している
◆内藤智司
地域子育て支援事業の質の向上を図るために、事業評価制度を導入してということだが、評価により指摘された課題とか、その改善について具体的なものは?
◎小澤美砂子ども育成課長
避難経路の明確化及び避難訓練の実施など施設の安全面、衛生面について確認を行い、改善が必要な場合は危機管理の徹底を求めている。利用者が比較的少ない広場に対しては、ホームページやSNSの活用により、効果的な広報活動を行うことや、積極的に地域へ出向き、各種団体や地域住民の方と協働、連携した取り組みを行うよう指導している。
◆内藤智司
では、平成29年度の新規事業として、子育てナビゲーターの配置とあるが、具体的にどんな取り組みを行うのか?
◎小澤美砂子ども育成課長
一人一人の子供が、健やかに成長することができる地域社会の実現を目指すためには、各家庭が個別のニーズに基づいた子育て支援サービスを円滑に利用できるよう、包括的な支援を行っていく必要がある。このことから、平成29年度より、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を行っていくため、子育て支援に関する知識や経験を有する専門職を子育てナビゲーターとして子ども育成課に配置し、利用者支援事業を実施したいと考えている。 この利用者支援事業は、子育てナビゲーターが子育て支援拠点等を巡回して、拠点のスタッフが日常の相談を受けた中から、より支援が必要な子育て家庭に対しては、専門機関との連携を図りながら支援につなげたいと考えている。また、地域子育て支援拠点や地域の子育て支援団体、その他の関係機関等と連携し、地域全体で子育て支援ができるネットワークの構築にも取り組んでいく。
◆内藤智司
市長の、8年間の総括として、今年特に新規事業、拡充された予算等をピックアップして資料要求した中で、市長の思いが、この「子育て」という部分かと思うが、活動を聞くと、これまでの部分で実施しながら、それぞれ評価をとりながら、その評価を反映して次へ生かすといい形と、「子育てしやすいまちづくりを目指す」ということは、これからの一つ大きなテーマだと思うので、今後これを繰り返しPDCAを回し、縮減されていく予算の中にあっても、拡充されている部門であるので、それを十分精査しながら、今後の活動をしていっていただきたいと思う。
【4、市民だより等の配布事業についての質疑応答・意見・要望】
◆内藤智司
今年度もこの部分について170万円の予算がついているので、再度問う。 当初約1,300事業を選定されたものを最終的に広報紙だけに至った経過について。地域ができることは地域に委ね、地域が主体となるような事業を選考していたはずだが、なぜ市民だより等の配布事業、業務だけが地域自治協議会設立のモデル事業になったのか。もともと市民だよりを含め広報紙の配布は地域が行っているもので、改めてモデル地区の事業として言えるようには思えないが?
◎矢倉靖弘協働推進課長
地域でできることは地域で、自分たちのまちは自分たちで作るという住民自治の原点に立ち、新しい協働の仕組みにシフトする考えから、選考の過程においては、一般会計の約1,300事業のうち約7割は市役所内部の管理運営経費等であり、残りの事業から地域に委ねられる可能性等について担当課にヒアリングを行い、75事業を抽出した。また、地域側においても、同時に事業選別を検討して、双方で調整した結果、市全域に対して平準した事業でもあり、モデル地区内の全住民に配布する仕組みを構築して、地域での新たな担い手の創出や地域内連携の確保の推進、地域自治協議会の運営に関する課題の検証が効率的に進められるものとして、この1事業を第一段階として選定した。
◆内藤智司
では、今回のモデル事業での市民だより等の配布事業は、従来の配布事業とどう違うのか? モデル事業の仕組みと地域はどのような活動が必要となるのか?
◎矢倉靖弘協働推進課長
従来は、自治会を通して市民だより等の配布システムを構築して、長年にわたり配布をお願いしていた。しかし、近年の自治会加入率の衰退や高齢化によって、自治会だけではこの広報紙等の配布業務自体においても疲弊感が漂ってきていると聞いている。今回のモデル事業は、地域の自治会及び各種団体の連携のもと、従来の広報紙等の配布業務システムを有効に活用することや、未配布世帯への配布拡大を地域で協議を行い、実行する予定です。 このモデル事業については、従来の自治会からの配布システムを変えて、一から構築するものではない。この事業はこれまで、印刷業者から市役所や連絡所などの集積所に広報紙が配送され、それを仕分けして各自治会長宅などに市職員が運んでいたが、今回のモデル事業では、これまで市職員が担っていた業務の一部を地域にお願いする。
また、自治会未加入の世帯においても、地域によって配布の拡大や、これらの活動によって新たな担い手の創出や地域の見守り活動の広がりなど、より効率的な地域課題の解決を期待している。
◆内藤智司
市役所や連絡所から各地域への配布を市職員が行っている業務と、自治会未加入世帯への配布を期待されているということだが、地域によっては、担い手が少なく、行政が思うようにいかない地域もあることが推測できるが、その地域では、地域が担うのではなく、業者に任せることでも行政側は認めていくのか?仮に認めた場合、未加入世帯の自治会加入促進はどのように実施しようとしているのか?
◎矢倉靖弘協働推進課長
担い手不足が要因で思うようにいかない地域が出てくる可能性は否定できないと考えている。一方で、自治会のみでの配布が難しくなってきた今、地域自治協議会が設立されることにより、担い手不足の解消につながるものだとも考えている。今回のモデル事業においての配布方法については、各地域の特性もあり、各地域に委ねている。しかし、地域自治協議会の設立目的は、自治会及び各種団体が連携のもと推進しているため、地域住民で配布してほしいと考える。地域自治協議会は、自治会加入促進にもつながるものとは考えるが、地域住民が構成員であるから、自治会加入促進に特化したものではないと考えている。なお、自治会加入促進については、地域活動推進課において奈良市自治連合会と協働で作成した加入促進チラシを転入者等に市民課等窓口での配布や、同課の市ホームページに加入促進を促す文書の掲載、また住宅地等の開発事業者に対する該当自治会、自治連合会をお知らせする通知文書に自治会加入への協力を促す文書を記載するなどし、加入促進を図っている。
◆内藤智司
それは、以前から行っている啓発活動だと思うが、差し当たって目新しいものがないと感じる。地域自治協議会に変わることで、地域の方々に期待ができ、加入することでメリットがあれば加入世帯も増加するだろうが、なければ現状の加入世帯の減少には歯どめがかけられないと思うが? 最後に、現在の改善が見られなければ、今回のモデル事業は認めにくいものと思うが、モデル事業の検証や改善をどのように行い、今後の地域自治協議会の設立に反映していくのか?
◎澤野井保市民活動部長
今回は広報紙等を配布するモデル事業を、モデル地区で行う上で、さまざまな課題も生じると思う。その課題についても方策を検討し、対処したいと考える。なお、広報紙等の配布業務だけにとどまるのではなく、各地域の多様性に応えられるように、事業選択の幅も広げて地域に移譲できるように来年度中に整理をし、事業費等も踏まえ進める予定です。
◆内藤智司
今回の私の大きなテーマは、「地域住民自治というものをそれぞれの地域の特色に合った形でやっていく」です。当初の議論は地域によって特色が違うので、画一的にはできない。というのが議論のスタートにあったと思う。今回のモデル事業は、推進するのに当たって、12地区が手を挙げて、今回その事業を1,300なり、今75なりに事業を絞った中で、それを協議会の方に提案すれば、今モデル地区、今回この市民だよりの事業に対して4カ所が手を挙げた。それはいろんな地域によっての課題がある理由だと聞いているが、もともと地域によって特色がある。例えば75事業に絞ったなら、それを提案して、「ここの地域はこれやります」、「これならできます」という枠を広めれば、もう少しそのモデル事業で手を挙げてもらえたのではと思う。 この1点に絞ったところについては、「これまでの議論は何だったのだろう」という思いが残る。今後その事業の多様性を含めて考えていくなら、これまでの議論を大事にしながら、中身を詰めてやっていただくよう要望する。
【5、8年間での観光協会での成果についての質疑応答・意見・要望】
◆内藤智司
請求した資料での数字でしか分からない部分があるが、財政が厳しい中にあっても、観光に対しては市長の肝いりであり、年々数字が上がり、職員数も上がっている中で、補助金が上がっている4つの事業を移管した話なども理解はできるが、まずこの平成21年から8年間での観光協会での成果について問う。
◎梅森義弘観光経済部参事
観光協会は奈良の伝統行事や芸能事業への協力を初め、本市の観光振興のためのPR活動やイベント実施、案内所の運営などの活動を行った。平成25年度から観光の閑散期対策として、夏、冬におけるキャンペーンを展開し、夏では西ノ京ロータスロードや若草山夜景観賞バスなど新たなコンテンツの開発や着地型商品造成に取り組み、冬は旅館、ホテルの宿泊特典がある商品を提供するなど、閑散期の観光客増に寄与している。今年度からはインバウンド誘客、修学旅行誘客、地方創生交付金を活用したMICE受け入れ促進、東部地域ツアー造成などの取り組みも始めている。また、観光協会オリジナルのキャラクターとして作成した「しかまろくん」は、本市のイメージアップや情報発信ツールとして定着した。さらに、奈良市総合観光案内所で外国人観光案内所の最高ランクであるカテゴリー3に対応した英語、中国語、韓国語での多言語案内を実施するなど、お客様に役立つサービスの提供、職員の観光案内能力、対応能力の向上を図り、外国人観光客が快適に奈良での時間を過ごせるよう取り組んでいる。 このような観光協会は、国際文化観光都市である本市において、常に観光の最前線に立ち、観光客へきめ細やかなおもてなしを展開し、本市の観光振興に寄与していると認識している。
◆内藤智司
そもそも「観光協会と言うものは何なのか?」が、疑問に思うが、市長が言う、自主自立に対しての観光協会の役割をもう一度考えなければと思うが、観光協会と市との関わりとは?
◎梅森義弘観光経済部参事
観光協会は現在500を超える民間の事業者と団体等が会員となり、本市の観光振興のため、さまざまな事業を行っている。本市としては、人件費のほか情報発信を初めとした各種PR経費、イベント事業経費などについて補助を行い、また以前より市職員を観光協会に派遣し、市と観光協会の連携を図っている。しかし、最近では観光客の求めるニーズの多様化や訪日外国人の増加等により、新たな観光資源の発掘や受け入れ体制の整備など観光力の強化に取り組む必要があり、そのためには観光協会の体制をより強化していくことが重要となっている。そこで、本市も観光協会との連携を強化し、さらなる観光振興を図るため、平成27年度、28年度と派遣する職員を増やし、平成28年度から本市の誘客事業を移管し、地方創生交付金を活用したMICE受け入れ促進、東部地域の観光資源を活用したツアー造成等の取り組みを始めている。こうした取り組みにより、観光客の来訪動機を強化、増大させ、より多くの方が奈良にお越しいただけるよう、今後も市と観光協会が連携、協力し、本市のさらなる観光振興へとつなげたいと考える。
◆内藤智司
奈良市は観光が基幹産業としてあるので、そこに予算も人もということはよく分かるが、今その財政や人を考えた中で、金も人もとなると、今後どうしていくのか。観光協会の自立を考えるなら、例えば補助金のあり方とかを、今後どうしていくのか考えなければと思う。
【6、定員適正化計画の進捗状況についての質疑応答・意見・要望】
◆内藤智司
平成29年度4月1日時点での定員適正化計画の進捗について問う?
◎中井史栄人事課長
計画値は平成29年4月1日の職員数を2,688人です。他方、実際の今年4月1日の職員数としては、計画値と同数の2,688人と見込んでいることから、定員適正化については計画どおりの進です。
◆内藤智司
資料によると、市長部局の平成28年度に1日でも病気休暇を取得した職員数、1月末時点で342人。この中で90日以上の長期療養となり休職処分となった方がいると思うが、現在病気療養により休職処分となり、29年4月1日以降も休職となる予定の職員は何人いるか?
また、育児休暇についても、現在育児休暇を取得している職員のうち、平成29年4月1日以降も育児休暇を取得する予定の職員が何人いるか?
◎中井史栄人事課長
市長部局等において、平成29年4月1日以降も病気療養により休職となる予定の職員は10名です。また、育児休暇を取得する予定の職員は52名と見込んでいる。
◆内藤智司
定員適正化計画の進捗については、当初の計画どおりに進捗している。では、本年4月の職員数は昨年4月に比べて純粋に47人が減少することになる。加えて、先ほど4月1日以降、病気療養になる予定の方が10人、それから育児休暇を取得予定の方が52人いるが、これは昨年と同水準だが、先ほどの純粋人数に加えると100人を超える実働人員が減少という状況にある。休職、育休による実働人員の減少は例年どおりだとしても、純粋に47人が実質的に減少する中にあって、他方では時間外勤務の縮減や働き方改革が求められている。市長の開会挨拶の中にもそういったことが述べられていたと思うが、どのような施策によって実現されようとしているのか?
◎中井史栄人事課長
さらなる業務の切り分けを進め、業務の民間委託を推進することに加え、業務の切り分けの結果を分析する過程において、当該業務の必要性や業務手順の見直し等も行い、そのことを通じて効率的な業務の進め方を見出したいと考える。加えて、職員の配置については、柔軟で適正な配置を心がけ、再任用職員や非正規職員の方々のさらなる活用を期したいと考える。また、働き方改革については、来年度以降、専任の職員を配置して、全庁的な課題として取り組みたいと考える。
◆内藤智司
では、業務の民間委託を推進すると答弁があったが、平成29年度における具体的な委託化を考えているのか?
◎杉本卓総合政策部参事
新たに会計課事務の民間委託化を検討している。会計課では大量の定型業務に多くの時間をとられている現状です。これらの業務の一部を民間委託化することで、本来職員は会計事務の指導、相談等、職員でしか対応できない業務に傾注できと考えている。今後も民間委託を進めるに当たり、業務が適正かつ確実に履行されているかなど、継続的なモニタリングをしっかり行い、業務の低下を招かないように努める。
◆内藤智司
人を減らすありきで、民営化の話が後になるのではなく、適正化していくのなら、計画的に、人を何人生み出していくなどの見える形で進めないと、32年度までに2,500人にしようという数字があるわけなので、そこをこれから見える形で提示してほしいと思う。新たに働き方改革と言って、時間外勤務を減らしていく。その時間外勤務を減らすための施策は何か。今までずっと取り組んできているはず。今ここにあって、そのことを重点的にしなければ、必然的に人がいない。ということを、もう少し真剣に人を減らすということを考えなければと思う。職員の確保は、重点施策として上げられる保育園、こども園の待機児童の解消についてだが、施設面における面積定数、定員には問題ないということは確認した。今、113人の待機児童が解消できない。そこで保育教育士の平成28年度中の退職者数と平成29年4月1日の採用数を問う?
◎中井史栄人事課長
平成28年度中の退職者は21名で、平成29年4月1日付の採用予定者数は13名です。本市としても、待機児童解消のためには保育教育士の増員が必要であるという認識はあるが、定員適正化計画を進める必要もあり、主には非正規職員をもって対応したいと考える。なお、非正規職員の処遇については、正規職員との間で合理性のない格差解消に向けた取り組みも同時に進めたいと考える。
◆内藤智司
保育教育士の非正規の分については努力のお陰で、月額8,000円の増額と施策となった。今、正規で足りない分で採用すべき人数は、40人が必要だと聞いている。しかし、その40人を募集しても集まらないのが現状で、今全国的に保育教育士が足りない。その上に、今回また21人退職して、採用が13人だから、その足らない分を40人プラスするとなれば、ますます非正規に対しての不足が拡大する。それが待機児童解消に本当につなげる施策なのかということを考えなければと思う。