平成29年9月決算審査等特別委員会 09月20日
奈良市 平成29年9月決算審査等特別委員会 09月20日
【1、市税債権、税外債権の未収金について】
【2、生活保護費の不正受給による国費の返還について】
【3、一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する一部改正について】
【4、連絡所の運営費とその費用対効果について】
【5、平成28年度におけるいじめ対応支援教員の配置について】
【1、市税債権、税外債権の未収金についての質疑応答・意見・要望】
◆内藤智司
今日の新聞には、天理市も経常収支比率100%を超えたという状況で掲載されていたと思う。今回の奈良市においても、経常は、「財政構造における弾力性を判断するのに用いるための指数」ということで、経常経費を分子として、入ってくるお金を分母とする。要はこれを下げるということは、入ってくるお金をどれだけ多くするのか。分子としては歳出をどれだけ抑えるのか。ということで、各課で努力していると思う。今年は、歳出を抑えるために、財政課を初め、非常に庁内で努力して、その分、不用額が増えたことも否めないかと思う。ただ、歳出の中にはこの8年間、市長が新規事業、子育て、学校給食等の事業において通年経費として上がってきた、膨らんできた分も十分あると思う。いかに収入を増やす努力をするのか。歳出を抑えていくのか。これからがますます大変厳しい状況になってくると思う。今回、私は、市税債権、税外債権の未収金の部分について聞きたいと思う。まずは、平成28年度における市税の未収金の状況について、市税の未収額が前年度と比較すると7億3000万円減少しているが、その主な要因は?
◎大井克也滞納整理課長
平成28年度は、徴収指導員3名に加え、滞納整理の実務に精通した国税OBを滞納徴収員として2名採用し、徴収及び整理の両面の強化を図った。 まず、徴収については、困難・高額事案の差し押さえ等滞納処分の強化を図り、差し押さえ件数が昨年度比較で485件の増、約39%増の1,744件の実績となり、整理の面については、滞納初期段階から実態調査等の調査体制を強化し、調査結果に基づく徴収不能事案の不納欠損を含む執行停止の措置を講じたことなどが主な要因であると考える。また、納税呼びかけセンターの機能を強化するため、専従の嘱託職員を3名から5名に増員し、効率的な電話催告を実施することで、応答件数が昨年度比較で737件増、約38.1%増の2,670件となり、新規滞納事案への早期着手、早期解決に向けた取り組みを実施した。これらの取り組み等により、市税の未収金の減少が図れたものと考える。
◆内藤智司
例を見ると、経常収支比率の分母、分子。いかに分子を減らして、分母を増やすかという策と、人件費等を費やして1の分子を増やして10の分母を増やす。こういった方法も経常収支比率を下げていく一つの手法である思う。次に、税外債権についてだが、これも決算審査意見書を見ると、一般会計において負担金と雑入が昨年度よりも増加している。負担金の主なものは保育料、雑入については学校給食費が未収となっているようだ。 他市において、一つの手法として、児童手当から納付、徴収しているところもあると聞く。本市として、これらの債権について児童手当から納付、または徴収できることにおいて、どう検討しているのか?他市の取り組み状況も含めて問う。
◎大井克也滞納整理課長
児童手当からの納付とは、児童手当法第21条に基づき学校給食費、保育料、バンビーホーム児童育成料を受給者からの申し出により徴収する方法、また同法第22条に基づき保育料を直接徴収できるというものだ。他市の状況としては、中核市及び中核市への移行を検討している市。また人口20万人以上の近隣市を対象に取り組み状況を調査したところ、53市から有効回答を得た。調査結果を精査したところ、児童手当法第21条による納付を導入している市は38市、同法第22条による直接徴収を導入している市は18市とった。そのうち13市においては、両条とも導入し、徴収強化を図っている状況だった。本市としても、有効な徴収手段となり得ると考えられることから、今後、関係各課とともに導入に向けた検証、検討を進めたいと考える。
◆内藤智司
児童手当からの納付、徴収、児童手当法の第21条、22条という形の中で、既に先行している市等が見受けられる。第21条においては72%、第22条においては34%が導入しているということから、本市においても検討をしているということなので引き続きお願いしたいと思う。次に、税外債権の国民健康保険料の未収金の累計、28年度の状況を見ると、未収金を減らすために28年度はどのような取り組みを行ったのか?
◎稲垣敏浩国保年金課長
平成28年度末の未収金累計額は14億436万2090円。平成28年度の未収金を減らすために行った取り組みは、督促状を年間10回で9万6047通、催告書を年間3回で4万1947通を発送している。複数年の滞納があり納付相談もない565世帯に対し訪問調査を行い、納付勧奨及び被保険者資格証明書の説明等を行い、納付や納付相談及び社会保険への加入等が判明したものを除き、その後も未納がある世帯のうち、資格証明書の説明ができていない445世帯に対し納付相談通知を発送し、資格証明書の説明ができている7世帯に対しては保険証返還予告通知を送付し、最終的には5世帯に被保険者資格証明書を交付した。平成29年8月1日現在で、納付相談の機会を確保するため、有効期間が通常より短い短期被保険者証を3,038世帯に、被保険者資格証明書を53世帯に交付している。
◆内藤智司
では、国民健康保険料の未収金の時効は2年であるために、約14億円のうち、28年度だけを考えても7億円相当の滞納繰り越しがあると思うが、現状では一般会計にどのような影響があるのか。また、平成30年度から国民健康保険制度が改正されて都道府県が財政運営の責任主体ということになると思うが、これらの未収金が一般会計に対してどのような影響を及ぼすのか?
◎稲垣敏浩国保年金課長
国民健康保険料の滞納繰越分が一般会計に与える影響についてのことなので、一般会計から国民健康保険特別会計への繰り出しについ説明する。 一般会計からの繰り出しに要する経費については、総務省がその基準を示しており、法定内の繰り出しについては保険料負担の緩和を図り、財政基盤の安定を図るための保険基盤安定制度に係る繰り出し、事務費に係る繰り出し、出産育児一時金に係る繰り出し、高齢者が特に多いことなど特別の事情を鑑み、財政安定化支援事業に係る繰り出しとなっている。また、本市が独自に法定外で繰り出している2億円についても、保険料の抑制を目的としたもので、いずれも保険料の滞納繰越分を繰り出しの対象としたものではない。保険料の滞納繰越分については、一般会計からの繰り出しに頼るのではなく、国民健康保険特別会計の中でその財源を捻出すべきものであり、保険料の徴収率を向上させ、一般会計に影響を及ぼさないよう努めたいと思う。これは、奈良県が財政運営の責任主体となる平成30年度からも変わるものではない。
◆内藤智司
奈良市が一般財源から基準外で繰り出している2億円については、保険料の抑制を目的としたものであって、滞納に充てるものではないようだが、例えば2年間の14億円、単年の7億円に対しても、これを全部回収すれば保険料の安定、もしくは引き下げにつながって、その抑制を図る2億円に対しては、何らかの影響はしてくると思う。今後、30年度にその制度が変わる時点においても、このことについては、一般からの繰り入れということに対しては、保険会計自身が独立採算という形になっているところから、法定外繰り出しに関しては、これからまた議論したいと思う。次に、未収金が多額になっている要因として、滞納処分を行っていないことも一つの要因として考えられるが、今後、徴収率の向上のために滞納処分の対策を検討する必要があると思いますが?
◎稲垣敏浩国保年金課長
徴収率向上のため未納の保険料収納への取り組みについては、国民健康保険料は税と違い短期被保険者証、被保険者資格証明書の交付や滞納者に対する限度額認定証の発行制限など、納付相談の機会を得るための特有の制度があり、納付相談の機会を確保し、納付につなげるように努力している。徴収については、現年度保険料の徴収に力を入れている。現年度の徴収率を向上させ、新たに滞納繰り越しになる保険料を減らすことで、未収金を減らすことができると考える。なお、滞納処分の一環として、平成28年度は42件、628万9141円の交付要求を行っている。差し押さえ等については、人員等も必要なことであり、費用対効果も見据え、検討する必要があると考える。
◆内藤智司
現年度の保険料の徴収に力を入れて徴収率の向上を目指すということが、今回の大きな取り組みである。と話されたと思うが、滞納処分については人の問題、費用対効果を見据えて検討するというところについては、ここで人等のかかわりが出てくると思う。市税徴収での話でも、分子を1増やして、分母を5にするのか?10にするのか?といったところだから、課税や徴収率を上げることで収入を増やすよりも、こういった税や公金というものに対しては、公平性の観点が一番私は大事だと思う。費用対効果が上がらないから置くような問題でもないと思うので、諸々の観点も含めて取り組みをするようお願いしたい。次に、生活保護の未収金について、生活保護法の第78条徴収金は約9億円。前年度より3000万円増加している。平成24年7月の厚生消防委員会で不正受給防止マニュアルを作成し、生活保護法第78条の徴収金の解決に努めると答弁したにもかかわらず、未収が増加している。この状況について、どう対策を講じたのか?
◎伊達誠保護第一課長
過去の未収金の徴収については、保護費から不正受給した額を分割で差し引く方法や、差し引くほどの保護費が支給されていない受給者または保護を廃止した方については、納付書で納付する方法をとっている。しかし、納付書による納付については完全に徴収できていないことから、訪問調査の際、納付するよう促している。また、未収金を増やさないためには、地道な訪問活動によって保護受給者との信頼関係を築き対話していくことが、最も不正受給の防止に効果的であることから、訪問調査によるその世帯の現状把握と生活保護のしおりの配付による制度の説明、また保護受給世帯の収入や世帯の状況に変化があった場合の届け出義務などの周知を徹底するよう、ケースワーカーに指導をしている。未収金の納付指導や訪問調査については、厚生労働省の施行事務監査においても指摘をされたが、早期に未収金の納付、不正受給の芽を摘むところには至っていない状況だ。
【2、生活保護費の不正受給による国費の返還についての質疑応答・意見・要望】
◆内藤智司
生活保護費の不正受給による国費の返還分は、時効年である過去5年間の総額は幾らか?
◎伊達誠保護第一課長
不正受給によって生活保護法第78条適用となり、国費分を返還したため奈良市の債権となっている過去5年間の総額は、4億1006万7101円。
◆内藤智司
生活保護費については、本来4分の3が国費で措置されて、残りは交付税措置があるものの、一般財源化しており、市の負担となっている。しかし、不正受給によって国に返還する分については、その全てを市が負担しなければならず、過去5年間で、4億1000万円もの金額となって大きな財政負担であると考える。不正受給の防止対策、また受給者に寄り添った支援を行うために、国が示すケースワーカーの適正な人員配置が必要であると考える、ケースワーカーの現在の配置状況と今後の増員に向けた考え方は?
◎中井史栄人事課長
まず、ケースワーカーの配置状況については、平成29年6月1日現在で、生活保護世帯数は5,455世帯、これに対してケースワーカー数は50名。その内訳は、正規職員が33名、再任用短時間勤務職員が4名、非常勤嘱託職員が13名。国が示している、ケースワーカー1人当たりの適正な担当世帯数は80世帯なので、フルタイムの職員のみを算定対象とする国の基準に当てはめると、フルタイムで働けるケースワーカーについては35名が不足していると認識する。次に、今後の増員に向けた方策は、本市ではケースワーカーの配置に当たり、非常勤職員の活用を進めていく方針で対応をしてきた。しかし、最近になり国から、非常勤職員はケースワーカー数の算定には含めないという取り扱いが示されたので、結果として、本市のケースワーカーが大幅に不足することになった。いずれにしても、本市のケースワーカーが不足している状況のもとで、不正受給防止対策、受給者に寄り添った支援など円滑な生活保護行政の維持には、人員の確保が重要であるということは認識している。このことから、資格または経験を持った人材を確保するために社会福祉職を新設して、平成28年度に4名、29年4月1日付でさらに4名、来年度も11名程度を採用する予定だ。今後についても、ケースワーカーの充実、増員を進めていく。
◆内藤智司
ケースワーカーについては、国の指導、1人当たり80世帯というのは、1カ月に1回訪問できる数であって、1人当たりまだ120名を抱えたままで、2カ月、3カ月に1回しか回れないという状況の中で、苦労をかけている。臨時職とかパートではできない仕事であり、資格が必要となるので、きちっとした状況の中で増員を図っていくと聞いたのでこのことは強く要望しておきたいと思う。このケースワーカーの件もそうだし、先ほど国保年金の分についても、コンピューターが良くなったから処理が早くなる仕事ではなく、人がいなければできないと思う。正職の必要性を十分認識してほしいと思う。
【3、一般職の任期付職員の採用及び 給与の特例に関する一部改正についての質疑応答・意見・要望】
◆内藤智司
過去何度も議論がされたがなかなか成立しない中で、過去の議論を踏まえ提案したと思うが、これまでとの変更点、違いは何か?
◎中井史栄人事課長
総務省の通知に沿って、原則として平成22年に議会に提案した内容を踏襲したものです。非専門的任期付職員は、勤務時間の長短により、フルタイムと短時間に分かれ、フルタイムの給料等の勤務条件は、おおむねフルタイムの再任用職員に準じる制度。また他方、短時間勤務の給与、勤務条件は、おおむね再任用の短時間勤務職員の例に準じる制度設計となっている。平成22年当時と異なる点は、選考採用に当たり、「原則として公募とする」ことで、恣意的な採用を防止する制度設計であるところ。また、非専門的任期付職員制度をめぐり、中核市における導入済みの団体が7割を超えるなど、地方公共団体の行政運営にとっても有用な制度としての認識が定着していると考える。なお、非専門的任期付職員の職員数については、議会における予算編成審議において任用する職員数等を示すことにより、その審議を通じて適正な任用に関してチェック機能が働くと考えており、いたずらに任用を進めていくことにはならないと考える。
◆内藤智司
今回の議論の中で、「どこまで任期つきで対応していくのか」。数に対して制限をしていかなければならないのではという意見もあったと思うが、議会できちっと諮ってチェックをかける仕組みにしていくという意味だと思う。そして、過去の議論の中であったのは、雇用の不安定を誘引するのではないか。といった議論だが、この非専門的任期付職員制度についての働き手側のメリットは何か?
◎中井史栄人事課長
働き手側からすると、この制度では正規職員に準じた相応の給与、また休暇等の勤務条件が適用されるほか、3年ないし5年以内という複数年の任期が保障され得ることから、従来からの臨時、また非常勤職員に比べて好条件の処遇が実現し、働き方改革にも資するものと考えている。また、子育てや介護などの事情により、フルタイムで働くことが難しいといった時間的制約の方、あるいは子育てが一段落した方や定年退職した方など、本格的なセカンドキャリアを模索する方々に対しても門戸を開くという点で、働き手の多様なニーズに合った多元的な働き方を提供するものであると考えている。
◆内藤智司
この任期付職員制度について、期間の具体的な終期が未確定な業務である場合、3年ないし5年と聞いたが、未確定な業務である場合に任用できないのか?
◎中井史栄人事課長
非専門的任期付職員は、一定期間内に終了することが見込まれる業務、また一定の期間内に限り業務量の増加が見込まれる業務に任用可能となる。この任用要件の一定期間について総務省の見解では、「任期付職員の業務の期間と任期は必ずしも一致しなければならないものではなく、行政ニーズの増減の見通しが立たないため、職務の期限が設定できないようなケースであったとしても、業務の進展に応じて当該業務の終期を確定してくことにより、任期付職員制度の活用が可能」との解釈が示されている。この解釈により、業務の終期が十数年以上先になるものであっても任用可能となる。実際、他の自治体では、業務が長期にわたる地籍調査などにも活用されている。
◆内藤智司
平成24年、そして22年、過去2回にわたり同じような条例が出て、今回に至っているが、その中で議論は、雇用の不安定につながるや、逆に、今回経常収支比率が100を超えた断面で、その市自身の業務が今極端に職員を減らした中で、しなければならない業務ができていないところがたくさんある。 その中で業務が、一旦雇うと40年雇用しなければならない。これからの縮小していく行政の中で、国自身が交付金に対しても、トップランナー方式に人件費を縮小した形での予算配分となる中で、人件費に対しての抑制をする状況の中で、この任期つきというのは、いろんな形で働きたいという方の選択肢を増やすことができ、また行政側のニーズに対しての活用が十分果たせると思う。保育教育士の不足の部分に対しても、任用範囲だと聞いたので、その分も再度議論したいと思う。今回の任期つきの条例については、前向きに我々も検討したいと思う。
【4、連絡所の運営費とその費用対効果についての質疑応答・意見・要望】
◆内藤智司
1日当たりの利用者数が少ない連絡所があるにもかかわらず人件費の占める割合が高い分、その経費節減に向けた今後の連絡所の運営をどうするのか?
◎三井真一地域活動推進課長
住民サービスに支障をきさない範囲で、平成20年度から再任用職員の配置を行い、また今年度より、再任用職員と臨時職員の配置人数の見直すことで、段階的に人件費縮減を行った。東寺林連絡所を除く各連絡所においては、本庁担当課への取次業務のみとなり、住民票などの当日交付はできない状況だ。一方、高齢化の進む中で、近隣住民にとっては利便性のある施設となっている。近年では利用者が減少傾向にあることから、費用対効果や住民サービスの観点など多方面から検証し、今後のあり方を検討したいと考える。
◆内藤智司
各連絡所の状況によって利用率が多いところ、少ないところがあると感じる。例えば伏見は、月200人、300人という状況の中で、1日に換算すると10人、20人、30人といった利用する方がいる。片や月100人以下のところについては、実際1日誰も来ない連絡所もある。そこにかかる人件費の割合というのが9割を占めている。だからこそ、運用に対して何らかの形で働きかけをしていかなければならないと思うし、連絡所自身の持つ機能は、利用率が少ないからなくせばいいと言うものではなく、これから高齢化が進む中で、近くの連絡所はあるべきだとも思うし、それにかわるものがあれば統廃合というのも考えなければと思う。しかし、今の状況の中で改善をしていくなら、毎日Aという連絡所を開設するのか?例えばAを月曜日と水曜日、Bを火曜日と木曜日などの形にすれば、3人が2つ3つの連絡所を回って運用すれば、人件費の削減になる。そして連絡所自身の機能を維持していく。最初は多分、戸惑いもあると思う。ごみの収集も最初の1カ月、2カ月は大変な苦労をしたが、今は定着している。連絡所自身もその形で運用を変えることを、十分、事前に連合会や市民だよりで通知しながらやっていけば、隔日の開設日といったところで、1チームが2つ3つの連絡所を回っていくといった運用も可能かと思うので検討してもらいたい。
【5、平成28年度におけるいじめ対応支援教員の配置 についての質疑応答・意見・要望】
◆内藤智司
教育環境の充実ということで、きめ細かな指導といじめ対策について、29年度に支援教員を減らし、過去に議会で議論があったと思うが、平成28年度におけるいじめ対応支援教員の配置について、その成果を問う。
◎尾崎勝彦教育総務部長
本市では、平成28年度から全ての小・中学校及び一条高等学校の各校に勤務する教員の中から、いじめ対応教員を位置づけ、その教員が中心となっていじめ対応に当たっている。加えて、特に課題が多い小・中学校に対しては、いじめ対応教員が担任などの校務分掌等を持つことなく、校内の巡回や教育相談などの丁寧な対応ができるように、いじめ対応支援教員を22校に配置した。いじめ対応支援教員を配置した学校では、例えば、いじめ対応教員が校内を巡回し、子供たちの様子を細かく把握したり、全学級にかかわったりしたことから、いじめの未然防止やいじめ事象が発生した際に、迅速かつ組織的に対応できたという成果が出ている。
◆内藤智司
では、28年度の22名の配置に対しての成果を十分分析しながら、29年度いじめ対応支援者を6名減らしたその影響については?
◎尾崎勝彦教育総務部長
平成28年度にいじめ対応支援教員を加配することにより、いじめ件数が減ったり、いじめ対応教員を中心とした組織的対応が確立されたという効果が出た学校もあり、そのうちの8校については、平成29年度は加配を見送った。見送った学校は、現在のところいじめ事象の増加やいじめ対応に困難を来すというような影響はないと認識している。また、昨年度、いじめ対応支援教員の加配を行っていない学校で、本年度、加配が必要であると判断した2校については、新たに配置を行った。 なお、本年度、学校応援いじめ対応サポーターとして、校長OBの2名をいじめ防止生徒指導課に新たに配置し、いじめ問題が起きた際、初期段階での解消に努めるとともに、未然防止のためにチームを組んで定期的に全ての学校を訪問している。
◆内藤智司
今後のいじめ対応の支援教員の配置については?
◎尾崎勝彦教育総務部長
いじめ対応支援教員を配置することにより、いじめ対応教員を中心とした校内の組織化を図り、迅速に対応できるよう、各校のいじめ対応の能力を高めたいと考える。しかし、いじめ対応に課題が残る学校については、その必要性を十分に検証し、いじめ対応支援教員の配置について検討したいと考える。
◆内藤智司
学校におけるいじめの対応、これについては、本当に難しい問題だと思う。そこに先生を専門的に張りつけて、監視する中では、その効果を十分発揮できているという判断と、それを減らしたことによって、潜在的ないじめの心が出てきたときに、早期に摘んでいくことが一番大事だと思う。支援教員だけではなく、先生全体が日々生徒を見ていかなければ、この問題は解決していかないと思うが、支援教員の方々が、そういった先生方の力になり、生徒との接し方など、どのような行動がいじめにつながるのかを学校全体が対応しなければならない。数が減ったから良いではなく、絶対に起こしてはならないといった気概が必要だと思うので、いじめ対応については十分な対応を要望する。