平成30年3月予算決算委員会市民環境分科会 03月12日
平成30年3月予算決算委員会市民環境分科会 03月12日
【1、新斎苑について】
【2、本市の文化スポーツ施設について】
【3、なら国際映画祭について】
【4、ごみの問題、新しいクリーンセンターについて】
【5、グリーンサポートの件について】
【1、新斎苑についての質疑応答・意見】
◆内藤智司
本年度の予算1300億円強の予算を組んだ中で、自主財源がなかなかな50%を超えない中で歳出予算が組まれている。その中で特に、今の財政状況を見たときに検査をしているが、この市民環境分科会にかかわる分について、質問する。 この事業は長年の市民の念願であるということを訴えながらも、今回の募集に当たっての拙速な行動に対しての提案というのは、やはり透明さを欠くことは否めないと訴えてきた。公共事業としての透明性を担保する中で、3つの質問をして、その中で事業の公募における見直し額の積算について聞いた。
答弁では、将来の市の負担を増やさないことを前提とし、事業費総額を増額するのではなく、議会で認められた予算の範囲内で見直しできるよう部分について見直しを行った。そして不透明な部分については事業者がリスクを想定せずに済むように、可能な限り明確化したとされている。その際、基本計画における概要予算の積み上げについては、一から積み上げを行ったものではなく、あくまでもプロポーザル方式であることから事業者の提案を求めるものと答弁をされた。
では、その見直しをされた事業費の内容については?
◎向井政彦副市長
本会議で市長も答えたが、2回目の募集に当たっては、一から個々の項目の増減の積み上げをやり直すことはしていない。あくまで総事業費の中、予算の範囲内でおさまるようにと考えた。
ちょうどその2回目を見直す少し前ぐらいに、鹿野園町との話し合いの場があり、そのときにどうしてもアクセス道路と鉢伏街道はつながないでほしいと。あそこは交通の問題、イメージの問題などを強く思っていたと思う。我々も、それをつながなければどうなるのだと議論もした。そこでアクセス道路を鉢伏街道までつながないことにすると残土が減るというのと、道路の整備も少なくて済むということで、約5億3000万円程度の減額になるだろうと。そして、上下水道、特に下水道については、下水道になるか、浄化槽になるかというちょっと不確定な要項になっていました。そこは下水道整備で県とも調整してやっていくということで、そこで見込んでいた浄化槽の整備費用というのは約2500万円の減額にはなるだろうと想定した。
1回目でオーバーをしてきているということは、我々も十分考えなければならなかった。その減額した分は、プロポーザルなので、全体の総額の範囲の中で、どこかの部分をどこかへ持っていく、充実に充てるというのは、提案になると思っている。それで我々としては、一応施設や設備などの充実ということで当てはめると、基本計画ではなかった、投棄物の処理費、約1億4000万円を見込んでいるので、その範囲で総事業費の中でおさまるだろうと判断をした。
◆内藤智司
先ほど、「1回の審査で本当によかったのか?」という質問もあった。私も同感で、事前に担当課の方からいろいろ話を聞く中で、その要求水準書の審査の仕方など、何をチェックしなければならないのかということを、例えば2回、3回、4回やったとしても、審査する内容はほとんど今回の水準点数60点ですかね?そういった内容になるのだろうと話された。そこで、今回の業者選定に当たっては、いろいろな委員から意見が出されていると代表質問でもお願いしたし、事業を進める上においての行政側のチェックとして、きちっと反映される仕組みを作ってほしい。我々もそのことに対してはきちっとチェックをしていかなければならないと思っている。
これは本当に市民から、「新斎苑どうなるの?」と、地元地域の皆さんも本当に心配している。話をしている中で聞いた。私は、明治だが、明治にも跡を継げない田んぼをお持ちの方がたくさんいて、では、「その田んぼを市に提供して明治で受けられますか?」と聞いたら、やはり答えは出なかった。では、賛成はしてもらえないまでも、仕方がない。と受けていただける地域に対して還元を、全市としてお願いしていくことは当然でしょう。先ほどもあったが、活性化対策等々、そこにかかっていく予算というのははかり知れないものはあるとは思うが、我々は地元の皆さんにお願いをする意味で、いいか悪いか、適切かというチェックをしながら、見守っていくべきなのかなと思う。念願である火葬場も全市民が、地域も、地元地域の皆さんも含めて進めて行けることをお願いする。
【2、本市の文化スポーツ施設についての質疑応答・意見】
◆内藤智司
現在多くの施設が老朽化をしている。早期にその対策を講じなければならない状況にあると思うが、既存の設備において早急に対策が必要な施設、予算措置については? ◎池田和昌スポーツ振興課長 平成29年度に鴻ノ池陸上競技場の第1種公認更新に対する改修、それから西部生涯スポーツセンター屋内温水プールのボイラーの更新を実施した。
今後も経年劣化に対応した適時適切な修繕工事を行うことは重要であり、修繕計画を立てて優先順位を決めて進めたい。
◆内藤智司
来年、新たに鴻ノ池の、新規事業で競技場の大型映像表示装置の設置予算5億円が新年度予算に計上されているが、設備の経費の財源は、地方債だ。来年度の直接的な負担はないとのことだが、後の年度以降について一般財源で償還していくことになると思いうが、この地方債の償還期間は何年ぐらいを予定しているのか? また映像装置の年間のランニングコストを幾らぐらいか?
◎池田和昌スポーツ振興課長
大型映像装置設置の経費の財源である地方債の償還期間だが、平成31年度からの10年間を予定している。 また、年間のランニングコストについては、現在詳細な仕様等の設計の段階でして、同規模の設備がある他市等の事例として、電気代年間約70万円、定期的な保守点検費用として、年間約450万円だ。この大型映像装置を設置による相乗効果として、施設の稼働率を上げること及び観客動員数の増加につながると考えている。 なお、設備の使用料収入については年間約150万円と見込んでおり、広告料等の収入が得られるような仕組みも考えている。
◆内藤智司
鴻ノ池のこの表示装置だが、写真を見て、現在の得点板、映像装置のイメージ図ということで紹介してもらった。本当にこれからオリンピック等を招致していく中で、奈良の競技場が、この表示板では問題かと思う。その一方、1310億円の歳出予算の中で、いろいろなスポーツだけではなく、市が抱える老朽施設も我慢しながら運営しているというのも現状だ。「道路の穴ぼこが直らない」、「登下校の安全対策」、「白線一本ちょっと引いてよ」というのもある。
このような状況の中で、10年の期間で5000万円の償還をしていく今の予算の実態の中で、市民に本当にこれを理解してもらえるのか?我々はそういった状況も踏まえなければならないと思う。
【3、なら国際映画祭についての質疑応答・意見】
◆内藤智司
先般、市長は、「映画や産業の発展だけでなく、各国から発信力の高い方々が訪れることで、奈良を初めとした日本の文化を世界に発信できるチャンスである」、また「会場である本市にたくさんの方々が訪れることで観光消費などにも効果が見込まれる」と話されて、なおかつ「地元のいわゆる活動を通じて国際的に活動できる人材を育成できるチャンス」とも話された。
この事業の過去5年間の予算ベースだが、なら国際映画祭の開催補助とならシネマテークの補助金が予算化されている。それぞれの事業の構成が、よくわからなく感じる。去年、おととしと予算化した時に問題になり、このならシネマテークと国際映画祭の予算、修正がされてきたのだが、そもそもその構成自身が私にはよく分からないので、その構成、内容を改めて聞く。また、これまでの補助金の経緯は?
◎谷田健次文化振興課長
「なら国際映画祭」とは、2年に一度奈良市を舞台に、なら国際映画祭の開催と、奈良県下で映画、映像作品の制作を行うNARAtive、それから市内各所で映画上映を行うならシネマテークの3つの柱で構成されるイベントの総称だ。それぞれの事業は連携しているが、独立したものとなっている。
奈良市で開催される、「なら国際映画祭」は2年に一度、9月のシルバーウイークを中心に開催される。世界中から厳選された若手監督の作品を観客と審査員で審査するインターナショナルコンペや学生が手がけた作品のコンペ、そして奈良公園での野外上映会、奈良公園周辺での野外アートパフォーマンスなど、多様なイベントが開催される。
平成30年度には、次世代育成を目的として、新たに世界三大映画祭の一つであるベルリン国際映画祭と連携して、国際映画祭の受賞作品の上映や10代の若い世代によるコンペなども行われる。
本市からの補助金については、なら国際映画祭開催補助金として、平成24年度には1000万円、平成26年度には1400万円、平成28年度は予算案1260万円に対して全額減額の修正がなされた。そして今回、平成30年度は2000万円を予算案として計上している。
次に、NARAtiveだが、これは奈良を世界に発信するために企画された映画制作プロジェクトだ。制作は前年の映画祭のコンペで最高賞を受賞された監督が行う。翌年の映画祭での上映はもちろんのこと、国内外の映画祭でも上映され、さまざまな賞を受賞されている。作品は全て奈良を舞台にしており、今までに平成21年は奈良市及び橿原市、そして平成23年は十津川村、平成25年は五條市、平成27年は東吉野村、平成29年には天理市を舞台とした作品が制作された。 このNARAtiveに対しての本市からの補助金は交付してない。
そして、最後にならシネマテークですが、市内で気軽に映画を楽しめるよう、回遊型で映画上映を行っている。ならまちセンター等を会場にして、毎月1作品取り上げ、第2金・土・日曜日に開催され、3日間で計7回上映している。作品によっては、監督や出演者をゲストとして迎えてのトークショーであったり、ディスカッションが開催されて、映画を通じた交流の場となっている。
この、ならシネマテークへの本市からの補助金としては、ならシネマテーク事業補助金として、平成25年度に700万円、平成26年度に600万円、平成27年度に600万円、平成28年度は予算案600万円に対しまして全額減額の修正がされている。平成29年度は再提案の上、300万円となっている。 なお、奈良市心のふるさと応援寄附金についてだが、支援者の皆様が、なら国際映画祭への支援を目的として寄附されたものだ。なら国際映画祭実行委員会に対し、平成28年度には693万8000円、平成29年度には438万1000円を交付しており、平成30年度予算案としては541万3000円を計上している。
◆内藤智司
昨年600万円の要求に対して300万円の修正がかかったのが、これは毎年やっている、ならシネマテークに対しての補助金がカットされたということですね?それでは、今回の予算査定の経緯については?
◎谷田健次文化振興課長
団体からの要望書の提出があり、事業計画書及び予算計画書をもとにヒアリングを行い、事業内容の確認作業を行った。課及び部内で検討した結果、事業をさらに発展させたいという内容を実現するには必要な金額と考え、要望額と同額の予算要求をした。予算要求説明書の提出後は財務部のヒアリングを受け、市長査定を経て、予算案として計上した。
◆内藤智司
それでは、補助金の使途は求めているのか?
◎谷田健次文化振興課長
なら国際映画祭開催補助金の対象になる事業は、映画祭開催の部分で、さらに細かい対象経費については、なら「国際映画祭開催補助金の交付」及び「執行に関する要領」において、賃金、報償費、旅費、需用費、役務費、委託料、使用料及び賃借料、雑費などとしている。適切な経費を執行しているかについては、実績報告の際に証憑類など、全ての経費の明細の提出を求めて担当課のほうで確認している。
◆内藤智司
次に、観光消費額、その効果については?
◎谷田健次文化振興課長
一般財団法人南都経済研究所の発表では、なら国際映画祭2016、前回の分だが、開催による観光消費額は1億2000万円と分析されている。この数値は来場者3万1451人のデータをもとに推計されたもので、奈良県観光客動態調査報告書による観光客1人当たりの宿泊客、日帰り客別の消費額を基準に算出されたものだ。
◆内藤智司
実施におけるこれまでの成果を課としてどう分析しているか?
◎谷田健次文化振興課長
定量的な成果になるが、2010年の第1回と2016年の第4回のデータを比較すると、上映作品では22作品から65作品と約3倍、来場者数は5,527人から3万1451人と約6倍に増加している。 地域への影響としては、毎年学生からシニア世代まで幅広い市民の方々がボランティアとして参加していただき、当初100人足らずだったボランティアスタッフだが、前回開催時には263人まで増加している。これにより、国際的な映画文化に触れる場の創出、幅広いジャンル、世代の人々の交流の場の創出に寄与していると考えている。
国内や海外への波及効果としては、2016年度からコンペティション作品を公募したところ、日本を含む世界各国から1,700作品もの応募があったと聞いている。また、学生映画部門のNARA-waveでは、2010年には約45作品の応募でしたが、2016年には76作品まで増加しており、海外からの応募もある。さらに、NARA-waveで上映された作品がカンヌ国際映画祭学生映画部門にノミネートされたり、世界的に著名な映画制作者のセミナーへの参加に選出される若手監督も輩出されるなど、次世代を担う監督の育成という観点からも高い成果があると考えている。
◆内藤智司
国際映画祭の件については、この事業に対する補助に対しては奈良市も十分補助金を出していくものであるかな。という判断はする。だが、今回資料要求をした3ページのところには予算計画書もあり、28年度と比較した額が載っているが、前回4500万円、今回7000万円の規模で計算されている。その中で、例えば自己負担金が、660万円が170万円になったり、奈良県分の予算、ふるさと納税は前回690万円、今回も予算書の中では540万円。もう確定しているが、そういった分の精査が本当にできているのかなと疑問に感じる。要求されてきた2000万円をそのまま財政へ上げて通ったということに対してはもうちょっと精査する状況が見えたらどうかと思った。
【4、ごみの問題、新しいクリーンセンターについての意見】
◆内藤智司
ごみの問題というのは、新しいクリーンセンター、早くても10年後、それまでの間、今の設備をもたさなければならない。そのためには、かかる費用を最大限有効にしていかなければならない。そういったところから、ごみの減量化計画がされている。雑紙の分別によって、年間5,000トンの紙を削減していきたい。手数料の分については6,000トンにしていきたい。それぞれの計画を持っている。これはただ単なる目標ではなく、10年間、この設備をもたすために我々が市民とともにやっていかなければならない本当に重要なことだと思う。思うが、これを我々行政が一生懸命になっても、実際、市民の方にやってもらわないといけない。私は自治会でも活動しているが、ごみを分別するだけでも相当皆さん、苦労されている。そこへ雑紙をまた分別するということになれば、相当方法を考えないとできないと思う。1つの活動することに対して、地域自治協議会という別の話もあるが、そういったポイントの付与とかインセンティブを考えながら、それを楽しみにできるような形の方法も新たに考えないといけない内容かと思う。
【5、グリーンサポートの件についての質疑応答・意見】
◆内藤智司
平成29年度の登録団体数が115団体で登録公園数が144と予算説明調書にあったが、奈良市が管理する公園の数は何カ所か?
◎矢倉靖弘協働推進課長
奈良市が管理する公園数は640カ所だ。
◆内藤智司
今、業者でしている分は、年2回の草刈りをしていると思うが、この業者委託された分の単価とグリーンサポート制度で行う奨励金の単価と、平米単価は?
◎矢倉靖弘協働推進課長
平米単価についてだが、業者委託した場合の単価は106.8円に対し、グリーンサポート制度が管理した場合の単価は46.1円だ。
◆内藤智司
制度から市に返還された団体の経緯、直近3年のついては?
◎矢倉靖弘協働推進課長
今年度を含む直近3年間で3団体だ。その経緯は、活動者の減少によるもの、また近隣住民の活動に対する理解が得られないものとなっている。
◆内藤智司
高齢化が進む中、なかなかこのグリーンサポート制度を地域の皆さんが維持していくのは大変だと思う。これから先、やめていく、新たにするというのが繰り返されていくと思うが、費用面でいけば、やはり半分以下の費用で賄えていけるということについては、この制度自身は推進していかなければならないと思うが、その施策の考え方は?
◎矢倉靖弘協働推進課長
グリーンサポート制度の登録団体は毎年増加傾向にあるが、高齢化による担い手不足が課題となってきていることは認識しており、この制度を維持向上させていく施策として、現在活動中の団体から、高齢のため公園の傾斜部分の草刈り等を行うことが困難であるなどの相談を受けた場合は、傾斜部分をグリーンサポート制度の管理から市の管理に変更するなど、団体の負担軽減に努めている。
また、ある参加団体からは、「自分たちのまちの公園が、自分たちの活動できれいになる充実感以外に、この活動が自分たちの居場所づくりにもなっており、コミュニケーションを図る場としても有効なものである」といった意見もある。
そこで、活動者の生の声を記事にし、この制度の周知啓発を目的に、今年度より「広報紙りろぱ」というものを作成、発行した。また、制度募集のポスターを活動者の写真を使うなどの工夫を凝らし作成し、公民館など公共施設に配布、また掲示で周知啓発を行っている。
なお、次年度については、10年以上の活動者に対し、長きにわたり活動している方のモチベーションを上げるため、感謝状の贈呈や奈良市ポイントの付与などができないかを検討している。 今後もこの制度の維持、推進を図りたい。
◆内藤智司
私も、地域でこのグリーンサポートを活用しながら公園の管理をやっている。業者は年2回しか来てくれない。夏場は、毎月刈らないと大変なことになる。当自治会も高齢化しており大変な状況だが、工夫している。草刈り機を振り回すというのは相当体力が要るので、自治会の会費で自走式の草刈り機を買った。結構高額だが、その分すごく負担が軽減され、皆さん、楽しくやっている。めったに集まらない場所に、「やっぱり公園の掃除をしようよ」と言って、班ごとに集まったり、いろいろ話しながら、コミュニケーションの場としても使っている。そういった意味では、これは非常に市としても有益であると思う。
業者にお願いした分と、グリーンサポートでやった分では、半分以上の費用対効果がある中で、今後そういった意味では用具費を3年に一度ではなく、継続していただいている団体には、用具費を上げるなどして、例えば自走式の草刈り機を買えるような施策にする。など、検討してほしい。