平成30年8月総務委員会 08月17日
平成30年8月総務委員会 08月17日
【1、平成31年度の予算編成方針について】
【2、会計年度任用職員の取り組みついて】
【3、平成30年度の採用結果について】
【4、消防職員の人数について】
【5、資産経営課の公共施設の最適化について】
【1、平成31年度の予算編成方針についての質疑応答・意見・要望】
◆内藤智司
平成31年度の予算編成方針には大きなテーマが2つある。その中で3カ月前倒しをして臨むということで7月に出されたわけだが、3カ月前倒しした目的と、それによって目標とすべき成果は?
◎小西啓詞財政課長
目的は、時間的余裕を持って次年度の事業計画を立てることにより、事業の必要性及び事業手法や経費の精査を十分に行えること。本市の厳しい財政状況を踏まえ、予算編成において各施策の必要性や効率性について十分に検討を行うとともに、対外的な調整もしっかりと進め、財政状況の改善に向けて事業の廃止も含めた思い切った見直しを進めたいと考えている。
前倒し実施による期待効果として、事務負担の平準化がある。本市においても超過勤務の削減を初めとする働き方改革の推進が重要な課題で、年度後半に集中していた事務を平準化し、超過勤務の削減につなげたいと考えている。
◆内藤智司
この予算編成については、毎年ゼロベースからというのは、市長のマニフェストでも毎年言っていることだし、平成29年度の予算編成は、特に事業評価を取り入れて、ABCDランクをつけながら事業の評価を行うことも試行してやってきたが、今聞いていると、同じことを言っていると思う。その辺の違いは?
◎小西啓詞財政課長
平成31年度予算編成における基本方針としては、「全ての施策を再検証し行財政改革を断行」として、各施策の必要性をしっかりと見きわめるとともに、施策の目的や目標、成果指標の観点から検証を行うことにより、徹底して事業の見直しを進めることとしている。
行政評価についても、各施策について、必要性、効率性などの観点から評価を行うとともに、成果指標の分析を行うことにより、施策の効果検証と改善を行うためのものなので、趣旨としてはおおむね同様のものと考えており、その視点によって事業の見直しを進めたいと考えている。
◆内藤智司
では、今年度決算は9月議会で審議していくと思うが、決算における事業の成果とか、議会の指摘を踏まえて、新事業を初めとする政策的な予算の組み立てとかが必要になってくると思うし、8月までに要求した政策的な事業は決算との整合性はどう説明されるのか?
◎小西啓詞財政課長
10月以降予算編成において反映していくべきものと考えている。新規事業を含む政策的な予算についても、8月末に予算要求を受け付けることにしているが、各部局におけるマニフェスト関連の施策や主要な課題などについては、年度当初からこれらの方向性や事業の進捗など、確認・調整も行っている。
一方で、決算に対する評価を初め国の予算の動向など予算編成を進めていく中で反映していくべき点については、随時対応したいと考えている。
◆内藤智司
先ほどの事務負担の平準化に関しては、前倒しによって目指す事務負担の平準化、働き方改革が、財政課のみではなく、全庁に仕事がかかっていくという形になるし、その仕事を3カ月長期的にやらなければいけなくなり、そうであってはならないと思う。 そこで財政課の査定作業も長時間になってくるおそれがあると思うが?
◎小西啓詞財政課長
超過勤務削減については、職員のワーク・ライフ・バランスや心身の健康維持、業務効率の向上の観点から重要な課題と考えている。今回、予算編成の前倒しに伴い、予算要求の期間も例年より長く確保することにより、要求に伴う超過勤務の削減を目指した。
また、予算査定の期間を長く確保することにより、財政課の査定事務、またそのためのヒアリング等に伴う各課の事務負担についても事務負担の平準化を図っていくが、全体として長期化による業務負担の増加、超過勤務の増加につながらないよう留意して予算編成を進めたい。
◆内藤智司
基本的に、前倒しすることで事務作業の平準化というのは期待する。これは課長に要望するのではなく、両副市長にお願いした方がいいと思うし、「事業の見直しを時間をかけてやるのだ」ということの成果を、十分次の予算編成に反映した形で、期待したいと思う。
ただ、そこで得た財源をマニフェストなり、次の政策予算に費やす。その時間が非常にかかっていたというのがこれまでの流れかと思う。そこも、基本は時間外をせずに、予算編成ができるのが一番理想かと思うし、それによって次に控えているのは、3月の人事異動に対する人事課の負担増、それにかかわる全庁の負担増というのは非常に毎年大きなものになっていると思うので、特にこの前倒しした3カ月は、今回の行政改革の一つの一端として活躍していただけるよう切に期待し、要望したい。
【2、会計年度任用職員の取り組みついての質疑応答・意見・要望】
◆内藤智司
総務省から、会計年度任用職員の準備状況等の調査が行われたと聞いた。国の動向や会計年度任用職員の制度現状の進捗状況と今後のスケジュールについては?
◎鈴木千恵美人事課長
主に臨時・非常勤職員の職員数、勤務実態等や制度・運用に関する調査となっている。制度の内容に関する項目については、本市の回答として検討中としている。
国の動向は、平成28年8月に総務省が示した会計年度任用職員制度の導入に向けた事務処理マニュアルについて、改訂版の発行が予定されているとのことだが、現時点では公表されていない。また、会計年度任用職員制度への移行に伴う国の財政措置の動向を注視しているが、今のところ情報提供はない。
次に、会計年度任用職員制度導入に向けて本市の進捗状況については、4月から人事課に担当の係を設置し、臨時・非常勤職員の任用に係る全庁的な実態把握と課題の精査・整理を行い、制度設計の大枠をさまざまな角度から検討している。さらに、制度設計に当たっては、正規職員・非正規職員の適正人数や業務分担など、組織全体の業務のあり方を見直す。
今後のスケジュールについては、国の動き、他都市の動きをしっかりと見据え、平成32年4月の新制度の実施に向けて適正な時期に必要な準備を進める。
◆内藤智司
会計年度任用職員は、制度については、国からの改訂版の事務処理マニュアルがまだ公表されていないという状況の中での動きだが、他都市においてもそんなに大きな動きは見られない。様子をじっと眺めているという状況だと思う。 国の財政措置についても情報化されない、やろうかと言ったものの、いざやろうとしたらとんでもない額になっているので、「もう各市で単独でやりなさい」となっては最悪だと思う。財政措置、財政負担の対応という裏づけが非常に今回大事になってくると思う。情報が不足しており、将来的にもその部分に不透明さが残る現状において、臨職さん、非常勤職員さんの処遇改善、財政状況においても、これは大きな転換期となる制度と思う。これは働いている方々の処遇改善をするということから始まっているのだが、自治体としては、正職としてやる仕事は何か。非正規の人に何をやってもらうのだ。同一労働というものに対して、根本的に考えなければならないと繰り返し申し上げている。
慌てて制度設計をして、また改訂版マニュアルが出て、「いやいや、こっちへ変わりました」となれば、働いている方は非常に負担、不安を感じると思うので、「慎重に」ということについては一定の理解はするが、国からの情報とか他都市の状況を慎重にかつ早急に見きわめていただきたいと思う。かと言って、平成32年度から開始をしなければならない以上、慌ててその制度設計をして、働いている皆さんに通知もなくやるような事態にならないように、慎重かつ迅速にやっていかなければならないと思います。基本的には組合交渉を経てという形にもなろうかと思うので、そこは十分にお願いをしておきたい。
【3、平成30年度の採用結果についての質疑応答・意見・要望】
◆内藤智司
一般職員、社会福祉職、保健師、保育教育士の今年度の退職者数の見込みと平成30年度の採用者数については?
◎鈴木千恵美人事課長
平成29年度の普通退職者数及び定年前早期退職者数の実績値から推測される人数と今年度の定年退職予定者数の合計として、一般事務職60人程度、社会福祉職予定者なし、保健師5人程度、保育教育士30人程度の職員が退職するものと想定している。
現段階の平成31年4月の採用予定者数については、本年4月に募集を行った試験において、一般事務職48人、社会福祉職5人、保健師9人、保育教育士10人を最終合格者として発表している。また、国や他自治体等の採用活動にかかわって一定数の採用辞退も想定されることから、退職者数の見込みや市全体の人員体制等を踏まえながら、今後の高校卒や職務経験者等の採用を検討している。
◆内藤智司
4月採用の分については、一般職等々にしても、職員数が減となっている状況だ。専門職的な保健師なども、結構離職率が高い。その改善も図りながら採用をしていかないと、辞めていくからまた途中採用しなければならない状況になると、せっかく採用して研修して育てた方々を、その財産を失っていくことの繰り返しになるという意味では、フォロー体制をしっかりとやっていっていただきたいと思う。「保育教育士さんが30人やめて10人採用では、後はどうするのか?」と毎年言わなければならないが、そこの基本的な考え方についても、一定ベース幼保は完全な同一労働なので、それを非正規で半分、正規で半分という形を続けていくのは、好ましくないと思っているので、その辺の観点、よろしくお願いしたいと思う。
あと、今年の採用で、児童相談所の採用枠が増えたことによって、昨年度より職員数が増えた、という結果があると思う。児童相談所に対して人を補充していかなければならないというところについては、全体の今の定員適正化計画というものを一旦見直さなければと思っている。 それと、各職場の、本当に適切な人員の人件費と行政改革との整合性というものを、きちっと定員適正化計画の中で、もう一度見直しをしていただけたらと思う。市として何をしていきたいのか?だから何人必要なのか?どれだけの人を削減できるのか?ということについては、もう一度徹底して見直しをしていただきたいと思う。
【4、消防職員の人数についての質疑応答・意見・要望】
◆内藤智司
現在の消防職員は、地域の消防団の手をかりないと回らないほどの状況だと聞いる。来年度の消防職の採用人数は?
◎鈴木千恵美人事課長
現在、本市においては、定員管理を効果的に推進する観点から定員適正化計画を策定し、全庁的に適正な職員数となるよう取り組んでいる。消防などの特別行政部門においても職員の削減目標数を掲げ、推進している。しかし、将来の消防組織体制においては、職員の育成と年齢構成が重要なことから、一定程度新規職員の継続的な採用が必要であると考えている。今後の消防職員の採用については、退職者数、再任用職員数、正規職員数などの職員総数を勘案するとともに、市全体の人員体制を踏まえながら検討する。
◆内藤智司
消防の採用については、西日本豪雨、大阪府の北部地震など、大規模な災害が発生するたびに災害への対応。また平時の備えは行政にとって重要な課題であると思う。本市においても、いつ大災害が起こるかわからないということは、本当に常々全員が感じているところだが、起こってからどうしよう?人が足らない、ということでは最悪だと思う。
私の町内で先般火事があった。当然、消防車が10台ほど来て隣の家へ移ることなく消火された。本当にけが人もなくよかったが、消防署の仕事は火を消す、と思うが、24時間その家を監視しなければならない。1班5人体制で3時間ずつ交代される。私は、お世話になった消防署へお礼に行ったのだが、次の日の非番、宿直、といった体制を組むに当たっては、「今の人員ではできない現状にある」と話された。足りない分は、消防団にお願いをしてその時間を埋めてもらうそうだ。今回のケースでは、6時に鎮火をして、夜中の12時まで地元の消防団の方が3班体制交代で見てくれた。12時から明くる日まで、消防局の皆さんが4班体制で、その家をずっと見守りしてくれた。これは、本来局の仕事らしい。人数が足らないから消防団に委ねていかねければならない。そういった事態です。「増やすことは、もう昨今の状況で無理かもわからないが、これ以上減らされたらもうできない」と話された。その上で、再任用となると、「60歳の方にホースを担いで走れと言えますか」という悲痛なことも話された。
特に市民の安心・安全ということを守る意味では、消防署の職員の人員は非常に大事だと思っている。
また年度から、フルタイムの再任用の職員数が増えてきていると思う。活躍できる制度が必要だと思うが?
◎鈴木千恵美人事課長
フルタイム再任用職員の人数は、平成28年度が32人、平成29年度は66人、平成30年度は82人と年々増加している。また、今後も年金の支給開始年齢の引き上げに伴い、フルタイム再任用職員の人数は増えていくと予想される。
本市では、意欲と能力のある再任用職員を幅広い職域で最大限活用できるよう努めるとともに、再任用職員が定年を迎えるまでに培ってきた多様な専門的知識や経験を公務内で積極的に活用していくことにしている。
現在、保育園やこども園、幼稚園において、専門的な知識・経験が豊富な再任用職員を園長として配置することで円滑な現場運営が図られている。今後は、他部署においても、豊富な専門知識や経験を必要とする仕事、例えばプロジェクトの中心的な役割を担う業務に当たるフルタイム再任用の希望者については、役職つきの再任用を拡充するなど、再任用の任用形態に差異を設ける運用を検討する。
◆内藤智司
再任用制度については、平成24年度に閣議決定されて、雇用と年金の接続を図るという目的で積極的な推進が求められている。一方では、新規採用を一定確保していかないと、人事の新陳代謝を図ることによって組織の活性化を維持するということも大変重要な課題であると思っている。市としては、再任用制度の有効な活用をするということについては、人件費や人員を削減するという視点ではなくて、やはりフルタイムとなれば再任用の方も職員の1名としてカウントされるわけだから、40年働いた方の能力を最大限引き上げられるようなことをしていかなければ。そのほうが、働くということに対しての意欲が十分果たせると思う。その職員さんの意欲と能力に応じた人事配置を進めて、行政サービスの向上につなげるということが非常に大事だと思うで、そこは切にお願いする。
【5、資産経営課の公共施設の最適化についての質疑応答・意見】
◆内藤智司
基本計画は既にでき上がっているが、これからの市の歳出歳入を見たときに、今の設備、公共施設をどうしていくのだというのは非常に大きな問題であると思う。 古くなった設備をどう統廃合していくのか。しかし、個別の分については、総論はわかったが、各論となればというのが世の常だ。しかし、近い将来必ずやらなければならないという意味では、個別計画、「マネジメント計画」というのはいつできるのか?
◎細川文男資産経営課長
公共施設の最適化については、自治体経営において選択と集中を求められている時代の、非常に困難ではあるが、重要な取り組みであると認識している。
そのため、どのような考え方や基準で最適化を進めていくかについては、個別の施設計画を策定する前に、まずその進め方についての基本的な考え方について示し、広く理解していただくことが重要であると考えている。 現在は、その考え方の整理を行っている。考え方を示し、必要に応じてその修正を行った後は、その考え方に沿って公共施設の機能や総量の最適化を実現するため、個別の施設についての方向性を示す個別施設計画を策定することを考えている。
具体的な策定時期については、現在、国からは、公共施設の最適化を進めていくために立地適正化計画の作成を通して、コンパクトで持続可能な都市像を地域で共有すること。2020年度をめどに個別施設計画を策定する方針が示されている。今後は、2020年度をめどに個別施設計画の策定を進めていきたい。
◆内藤智司
2020年という具体的なめどを示していただいたが、個別計画というのは過去からとまっている。それはなぜかというと、地域によって公共施設をなくしていく、統合していくということについては、相当なエネルギーが要るのだろうと思う。 しかし、近い将来やらなければならないという状況の中で、2020年までの策定というのは非常に大事だと思う。そのために策定手順などを示した計画的なロードマップというものが必要であると考えるが?
◎津山恭之副市長
この奈良市公共施設等総合管理計画、平成27年に立ち上げて、これは基本方針。したがって、個別計画、これを立ち上げていく必要がある。 個別計画については、その対象となる施設のうち、利用者数、また公共施設対象施設全体の面積の3分の2を占めているのが学校、そして幼稚園、保育所、そして住宅、これが3分の2を占めている。3分の2については、例えば学校なら学校規模適正化計画等の個別計画は措置されている。当面はこれの計画に乗って動いていく。
一方、残りの3分の1の施設については、中核市の公共施設と比較した場合、1割程度は少ない現状だが、それらについても行政サービス、市民、そして地域の声を把握しながら2020年までに計画的に個別計画を立てていく。この必要性はあると考えている。
◆内藤智司
計画を立てて市民に示していく。そこから市民に理解を得ていくということが非常に大事だと思う。
最後に、守口市にこの間行ってきたが、なぜ今回、財政、それから公共施設、人事の話をしたのか? 守口市は、平成19年の決算で累積赤字39億円を出して、平成32年度の見込みは130億円と言われていた中で、今の市長が就任され、断固として行政改革、人件費を削減していくのだということを掲げられて、改革を断行された。応援した議員は2人だった。職員からも市民からも議会からも総スカンを食らったらしい。しかし、本当にそれを断行して、相当職員と議論をして、けんかして、昼夜も含めて理解を求めて、そこから始められたそうだ。
一番印象に残ったのは、自治連合会の組織を解体し、新しい組織を作ってそこへ「145万円あげるから地域で活用して」というやり方をして、地域コミュニティーを作った。公共施設をどんどん廃止していった。人を1,000人から、今は720人にして、最終的には平成35年度に650人にするそうだ。そのために、民営化をしていく。どんどん民間委託して、「非正規はつくらない、それは会計年度任用職員のこともあって、アルバイト、非正規は極力なくしていくのだ」という言い方で、民間委託の方法を考えていかれた。 最後に市長は、「何でこの範囲までそれができたのか?それは初志貫徹」と職員まで話された。職員は「市長の初志貫徹は最初に決めた目標を最後まで方針を変えずにやっていく。職員はそれについていかざるを得ない。一つできたら、それができるのだ。というやりがい感に変わっていって今に至ると」話された。また「その結果は、4年で市民が私を評価したらいいのだ」と市長も話された。
行政改革をやる中で、そういった目線が必要なのだろうと思う。やり方はいろいろあると思うが、初志貫徹。やっていくのだ、という職員の一丸となる力が必要なのだと思う。