平成30年9月予算委員会総務分科会 09月14日
平成30年9月予算委員会総務分科会 09月14日
【1、避難所運営体制について】
【2、ふるさと納税について
【3、平成29年度の成果説明書について】
【4、消防職員の体制について】
【5、意識改革のための研修や人材育成について】
【6、平成29年度の決算について】
【1、避難所運営体制についての質疑応答・意見】
◆内藤智司
避難所の運営体制、毎年災害がある中で避難所運営体制をしているが、通常の避難所運営体制については?
◎村上進一危機管理課長
避難所配置職員は、避難所支援部から出動指示の連絡を受けた後、直ちに担当施設に出動・参集する。到着後、避難所の被害状況を点検し、避難所として使用可能かどうかを確認する。確認後、施設管理者等と協力して施設内の指定の場所を避難所として開設する。避難所は災害時における市民の緊急避難場所であり、地区の自主防災・防犯組織にも避難所の運営について協力を要請しているところであり、避難所配置職員と連携をして対応している。
◆内藤智司
今回、台風21号で大変大きな災害が来るということで、奈良市内で50カ所の避難所を開設した。実地訓練とも言えるような大きな開設であったと思う。今回の避難所開設の状況については?
◎村上進一危機管理課長
まず、開設準備については、今回は台風が最接近する前の週末から本格的な情報収集を開始し、台風予想や最悪のシナリオ等について情報共有を行うとともに、週明け早々から行動を開始することを職員ポータルにより、市職員全体で認識を共有した。
週明け月曜日の9月3日は、危機管理課と避難所支援に当たる教育総務課の間で準備を進める傍ら、11時半から奈良地方気象台による台風説明会に参加した。説明会終了後、市長と副市長ほか関係幹部職員により、今後の対応要領等について協議をし、18時に避難所を開設することを決定し、最終的に53カ所を開設した。決定後、速やかに避難所支援部の担当者から避難所配置職員に対して、18時に避難所を開設する旨と、20時に避難所運営業務につくよう指示を行った。この日は平日でもあり、避難所となる施設はあいていたので、18時から20時までは施設管理者で避難者の受け入れ体制をとり、20時から避難所配置職員がその業務を引き継ぎ、翌日の8時に職員の交代を行った。
台風が接近した4日、早朝5時39分に暴風警報が発表された。その後8時に避難準備・高齢者等避難開始を発令し、9時12分に大雨警報(土砂災害・浸水害)が発表されたことから、警戒配備2の体制に移行した。
閉所については、風による被害の通報は頻繁にあったが、幸い浸水や土砂災害など雨による被害はなく、17時8分に暴風警報が解除されたことや避難者の帰宅状況から、4日の18時15分に避難準備・高齢者等避難開始を解除し、順次避難所を閉所した。
◆内藤智司
例えば今回の避難所開設においては、台風という気象を見据え、事前に準備できる状況の中での開設であったので、準備も含めてある一定の成果があったのかと思うが、これが地震発生時の避難所の運営体制が今の状況の中で可能なのか? 地震のときも避難所の開設は職員でないとだめなのか? 有事の際の避難所運営の今後の方針については?
◎村上進一危機管理課長
市域で震度5弱以上の地震が発生した場合は、指示を待つことなく、避難所配置職員は担当施設に直接参集することにしている。震度6以上の地震が発生した場合は、道路網の混乱等が予想され、自動車による参集は控えたほうがよいと思われ、徒歩、自転車、バイク等あらゆる方法で担当施設に駆けつけるよう伝えている。
地震等有事の際を想定し、避難所の鍵は避難所配置職員2名と施設管理者1名の計3名で開設できる体制をとっている。さらに、申し出により、自主防災・防犯組織にも避難所の鍵を保有することが可能であり、現に幾つかの地区においては鍵を管理しているところがあると聞いている。
しかし、東部地区等においては、近傍の市の職員の数も減っていることから、避難所の開設については、自主防災・防犯組織や自治会などにお願いをし、避難所配置職員はその後の避難所の運営に携わるよう、より柔軟な対応が必要であると考えている。
◆内藤智司
今回50カ所の避難所を開設は、少なくとも100人の職員が動いているわけで、それが交代され、単純な計算でだが、200人の職員の方が動いているわけだ。その手配は相当な苦労だったと思う。これが地震となったときに、本当に今のやり方が通用するかは、恐らくだが無理かと思う。
地域の開設を地元でしてもらい、20時の到着を待って開設したというところもあった。市が来るまで待つ、というところもあった。それぞれの地域によってその温度差は、今の自主防災、自治組織と同じように、「地域がやる。」いや、「市がやるのだ。」といろいろな考えがあるが、今回200人という避難所要員の職員に対しては、「避難所はもう地域に任せてしまったらいいのではないのか」と思う。それは、ただ単に任すのではなく、地域安全推進委員などは、警察の委嘱としている制度もあるわけだから、市長の委嘱でもって地域に数人、避難所を開設する人員を、日ごろの訓練で指導することにより、職員をよりよく活用していけるのではないか思う。 地域でそういった担い手をお願いすることに対しては?
◎津山恭之副市長
今回の台風等を含めて、今までの災害というのは風水害が中心になっていたので、何とか行政で対応できているのが現状だ。地震等となると、長期間にわたることもあるので、職員だけでなく地域の力というのは本当に必要になると考えている。このような実態を考えて、国の基本的な方針の中に、「避難所の運営は住民自らの手でやることを基本とする」という一文もある。そのあたりは本当に考えていかなければならないことなのだと思う。
その中で、地域自治協議会、このあたりの設立も進んでいる。今後は、これまでの自主防災組織を中心として、地域の力をおかりしているが、活用するという言葉は失礼だが、中心となって動いていただいて動かしていくというような体制、これを検討していくのも必要だと思っている。
◆内藤智司
南海トラフ地震が30年後80%に上がったそうだ。その解説もしていた。 九州、四国、あの辺でスロースリップの現象が起きている。これが起きると、東日本のときはスロースリップが起きて2カ月後にマグニチュード9が起きたそうだ。今、南海トラフ地震はマグニチュード9.1と計算されているそうだ。甚大な被害が想定される中で、災害をなくすということは多分無理だろうと思うが、いろんな形をもって減災をしていくという考え方をしていかなければならないと思いう。我々地域に住む者もそのことを踏まえて、今後検討していきたいと思っている。
【2、ふるさと納税についての質疑応答・意見】
◆内藤智司
通常国会の中で税法制を改正していくということも明らかにされている。その調査もあったと聞いた。3割以上の返礼品はないか。地場産品でない商品を扱っていないか。などの調査があったようにも聞いている。返礼品が3割を超えているのは246市町村、地場産品でない返礼品は190市町村、これはこの間報道であった分だが、奈良市についてもそれを答申しているという話も聞いているが、本市の返礼品について地場産品でないものを品物としている報道、このことについての現状については? そして、国の通常国会の地方税の改正が出されるまでの見直しの対応等については?
◎今北治納税課長
9月11日総務省の発表は、平成30年9月1日付の照会を受けてのものだ。この品が返礼品として採用されたのは、デザイナーが奈良市出身で、二月堂で開催された桜とワインの茶会をきっかけに奈良市の活性化を図るため制作していただいている経緯があり、平成27年11月に採用している。
今般、ふるさと納税に係る返礼品の見直し状況調査についての調査結果が公表され、その中に本市が地場産品以外の返礼品を送っていると指摘されているが、本市としては総務省に対し、この返礼品が奈良市とゆかりのあることから地場産品に該当しないか確認中なので、総務省の回答を待って検討する。
◆内藤智司
対応しているということで、本来このふるさと納税については、返礼品を競い合ってという部分ではなく、最近では目的に応じて、生駒市はやたら学校のエアコンをつけるのに寄附するとか、奈良市においては、なら国際映画祭とか、教育部門の学校をよくしていこうといった目的の部分もあったのではと思う。今後は、国の指導も踏まえて奈良市も目的に合った形を市民に訴えていくべきだと思う
【3、平成29年度の成果説明書についての質疑応答・意見・要望】
◆内藤智司
職員の健康診断の予算の執行、成果があったが、実際の職員の健康診断の対象者数に対しての受診率は、現状どうなっているか?
◎鈴木千恵美人事課長
平成29年度の正規職員、フルタイム再任用職員の定期健康診断については、対象者数1,055人、受診率は90%となっている。
未受診者10%の内訳については、健診実施期間中に産休、育児休暇中等の者、現在病気治療中の者、受診勧奨するも未受診の者が含まれている。治療中の者に対しては、治療中報告書により健康管理がなされているかを把握している。未受診者に対しては継続しての受診勧奨を実施している。なお、定期健康診断受診対象者には、人間ドック受診申し込み者1,247人を除いた人数となっている。
次に、平成29年度の短時間再任用職員及び非正規職員の定期健康診断に関しては、対象者数842人、受診率は69.4%となっている。短時間再任用職員及び非正規職員の定期健康診断対象者のうち、協会けんぽが実施する生活習慣病予防健診を受診する職員もいることから、定期健康診断の受診率はやや低くなっている。
期間中の受診勧奨については、所属長及び職員ポータルへの掲示により受診勧奨を行っており、また未受診者については協会けんぽでの健診受診の勧奨等を実施している。
◆内藤智司
今、90%の残りの10%の中の説明もされたが、当然ほかの機関で受診するとか、産休、育休の方が対象外になるというのは当然だが、それも全て把握して、その分は何%で、この10%のうちどれだけですよ、というのは把握しておくべきだ。職員のり100%を望まなければと思う。働く職員の健康管理、これは責務だから、1人漏れてもだめだと思う。特に非正規、短期採用の任期つきの方等の受診率が低いという中、低い理由も答弁いただいたが、今、非正規の方が4割、5割になっていっている中で、十分な戦力ですよね。そこの健康管理を1人残らずするのは当然であると強く要望しておく。 平成29年度の職員の中で長期休暇は何人いましたか? そのうち、精神疾患の方は何人いるのか?
◎鈴木千恵美人事課長
平成29年度の二十日以上の病気休暇・休職取得者数は、実人数で112人だ。そのうち、精神疾患による取得者数は64人となっている。
◆内藤智司
では、係長以上の長期休暇は何人か?そのうちの精神疾患は何人か?
◎鈴木千恵美人事課長
平成29年度の二十日以上の病気休暇・休職取得者数のうち、係長以上の職員は実人数で33人となっており、そのうち精神疾患による取得者数は17人となっている。
◆内藤智司
過年度分との比較をしていないのでわからないが、今いる職員の中で112人、それから64人、それから係長以上が33人、特にこの17人という数字が、多いように思う。それだけ業務に対してストレスがかかっていたり、また業務だけではないとも思う。家庭の問題とかいろいろあると思うが、担当課がメンタルをきちっとしていくことが、管理する側の大きな責任だと思うし、研修の中で管理職の一つの大きなカリキュラムの中に、メンタルヘルスとか健康管理をどうしていくのかというのは、管理職の大きな仕事ですので、その辺も含めて今後強化していっていただきたいと思う。 その辺の経過を確認するために平成29年度の安全衛生委員会の実施状況については?
◎鈴木千恵美人事課長
安全衛生委員会は、職員安全衛生中央委員会と7つの各事業場委員会で構成されている。平成29年度の職員安全衛生中央委員会の実施状況としては、年3回となっている。
次に、7事業場安全衛生委員会の各実施状況だが、環境部安全衛生委員会は年8回、保健所等安全衛生委員会は年10回、保育園等安全衛生委員会は全体での実施が年2回、それ以外にそれぞれの園ごとに毎月実施されている。消防局安全衛生委員会は年2回、建設・都市整備部安全衛生委員会は年3回、本庁等安全衛生委員会は年5回の実施となっている。
◆内藤智司
中央の実施状況、今年3回とおっしゃっていたが、以前はこれすらできていなかったという状況の中で、取り組みに対して、きちっとやっていることを確認したので、今後ともよろしくお願いする。 安全衛生委員会の中で、長期休暇などの議論をやっていただきたいと思う。
【4、消防職員の体制についての質疑応答・意見】
◆内藤智司
現状の消防体制の危機状況を鑑みると、以前にも議論があったように、消防についても別枠に取り扱ってもいいのではと思うが?
◎鈴木千恵美人事課長
昨今多発する大規模自然災害の状況からも、市民の安全を守るための人員体制を構築し、消防力を維持することは本市においても大変重要な課題であると認識している。現在、平成31年4月採用に向けて消防職10名程度の採用予定で募集を行っているところであり、今後も計画的に消防職員の募集を行っている。
一方で、本市においては、定員管理を効果的に推進する観点から定員適正化計画を策定し、全庁的に適正な職員数となるよう取り組んでいる。本計画にも明記されているとおり、計画期間中の部門ごとの人数配分については、実際の採用状況等に応じ弾力的に設定する。
◆内藤智司
「弾力的に設定する」という話は、市長の本会議の答弁の中でも、10人程度と表現をされていたように思うし、今後そのように対応してもらえると思うが、児童相談所の人員もそうだ。定員適正化の枠外という話だったが、先ほど財政課長の答弁であった退職債の受けられる、受けられない、の分については、職員の数というのが非常に大きなウエートだ。条件で整理されてきている中で、適正化計画の枠外であるとかないとかの問題ではなくて、では、その分消防職員を増やしたらどっかの課が減るのかというようなことにもなっていくと、それぞれの課がそれぞれ精いっぱいやっている中で、適正化計画をどうするのか。その中で民間の切り分けをどうしていくのか。そこのところは軸を持って考えなければならない。
守口市へ行ってきた。守口市は職員数を相当減らしている。やり方は民間の手法を使うということを断行された。会計年度任用職員への対応も聞いた。その分については、非正規、アルバイトに頼らないといけない部分は確かにある。が、増やさないということを話されていた。なくすために、再任用とか民間委託、民間にするというふうなことを断行されていた。そのかわり職員の給与に関しては、一切人勧には手をつけない。人勧のものはそのまま職員にするのだと聞いてきた。なぜそのようなことができたのか。「初志貫徹だ」と職員も皆さん本当に言っていた。これからの市役所をつくっていくためには、そう言った思いが大事だと思う。
【5、意識改革のための研修や人材育成についての質疑応答】
◆内藤智司
市においてトップダウンから職員自ら行動する組織へと意識改革を図ろうとしている。そのためには、研修とか人材の育成、こういったことが非常に大事になってくるが?
◎鈴木千恵美人事課長
本年度、ボトムアップ型への組織運営へ転換するため、市民目線で職員自らが行動する組織へと変革を遂げ、各部局の責任のもと施策を遂行する体制を構築するため、課長級職員を対象に組織改革プログラム研修を実施している。この研修では、「管理職が自己を客観視し、ありたい部署運営の姿を描き、実践する」こととし、1回の研修で終わるのではなく、部・次長級職員による面談やフォロー研修を実施する等、研修効果を定着させ、受講対象者を上司が支援する仕掛けを設けている。
組織運営のあり方を変えることは簡単ではないが、まずは職場に大きな影響を与える課長級職員に行動を変化させるきっかけを持ってもらい、本研修を一過性のものに終わらせることなく、定着に向けてしっかり取り組みます。
◆内藤智司
まず、「自らを変えていかなければ組織は変わらない」、これは私も以前から、過去の人事課の方としつこく議論した。まずは市長が変わること。その次が部長が変わると。トップが変わらなければ職場は変わっていかないと思う。その組織の運営を変えることは本当に簡単ではないというのは、今、課長の答弁どおりだと思うが、少数精鋭でやっていく時代が絶対これから出てくる。その中にあっては、今の組織の何が悪いのかが分からない。性善説、性悪説あるが、そうではなくて少数精鋭、人を育てていくということについては、本当に真剣にやっていかなければならないことだと思う。
まず、課長が率先垂範していく。その手前では私は、部長にもうちょっと何とか頑張ってほしいと思うが、部長の年齢構成も今後変えていかなければと思うが、定年3年前、4年前を迎えて部長に到達するという組織ではなくて、55歳でマックス部長。そうするともっともっと部の中で部長自身の活力が出てくる。今がないという話ではないが、もっと若くすると、もっといろんな若い力が発揮できるのではないかと思っている。全体も含めてこういった研修が一番大事だと思うので、定着に向けてしっかり頑張っていただきたいと思う。
【6、平成29年度の決算についての質疑応答・意見】
◆内藤智司
本会議初日の市長の提案にあった「平成29年度の実質収支10億6386万8894円の黒字である」という説明だった。決算審査意見書にもあったように、その黒字額は歳計剰余繰越金と財政調整基金の取り崩しとほぼ同額であるということで、胸を張って黒字ということは財政運営的に厳しい状況ではないか?多分本会議でも指摘はされていたと思うが、また経常収支比率、これも議論されている。2年連続で100を超え、将来負担比率などの他の財政指数を見ても、やはり他の中核市と比べて順位づけると極端に悪い状況である。この点も強調しておくべきだが、今回は特に市の貯金であります基金について問う。
議会事務局からの提供のあった決算資料によると、積立金残高、現在残高について、奈良市は79億6000万円ほどになっている。他の中核市を見ると、奈良市より少ないのは川越市と越谷市の2市だけだが、数字だけを見るとほかの市では一桁以上上回っている印象を受ける。しかし、本市では、地域振興基金の40億円を繰りかえ運用して、実質的には取り崩しとも言えるような状況で、この40億円を除くと先ほど言ったが、2市を大きく下回ることになるわけだ。そこで、地域振興基金から繰りかえ運用して、いわば借りている40億円を計画的に返還していくべきではないかと考えるが?
◎小西啓詞財政課長
地域振興基金については、平成25年3月31日から平成35年3月31日までを運用期間として繰りかえ運用を行っているところだが、一括での繰り戻しは財政負担が大きいことから、今後の財政状況を見きわめながら、分割での繰り戻しを検討したいと考える。
◆内藤智司
確かに、今の状況からすると、ここへ繰り入れていくというのは至難のわざではと思うが、とりあえず財政の健全化を図っていく一つの指標としては、やはりここへの繰りかえ、返還というのは、私は一つの目標だと思う。
次に、財政調整基金は、財政調整基金は中核市平均は93億円だ。まさに本市とは桁違いという状況だが、財政調整基金は条例では、「経済事情の変動その他の事由により財源が不足するときは、その全部又は一部を処分することができる」と規定されているが、景気の大きな変動や突発的な財政需要が生じても、安定的な財政運営を図っていくためには極めて重要なものだと思う。
特に今年のように各地で発生した豪雨、台風、地震とか災害とかが起きたときに緊急的に対応し、市民の命と言うか、安心・安全を守るということが不可欠である以上、このような災害と言われるような猛暑に対しても、この財政調整基金が十分あれば学校のエアコンもすぐつけれたかもしれない。 財政調整基金をせめて他の中核市と同じように確保できれば、毎年の予算編成や決算についても年度間の調整もでき、柔軟な財政運営ができるのではないかと考える。
そこで、他の中核市と比較した財政調整基金の状況、本市の確保についてどのように取り組まれるのか?
◎小西啓詞財政課長
平成29年度3月末での残高は、中核市54市の平均で、93億1502万9000円だが、順位としては54市中の最下位となっている。
災害等の緊急時に速やかに対応するための財源として、また経済情勢の変動などに伴います歳入歳出の大きな変動に対して財源の年度間調整を行い、安定的な財政運営を行うために財政調整基金は非常に重要なものであると考えている。
行財政改革重点取組項目を初め、今後もさらなる行財政改革の推進を図るとともに、あらゆる方策を講じて、歳入の確保を図ることにより、基金残高の確保に努めてまいりたいと考えている。
◆内藤智司
続いて決算に関連して、決算書の歳入、市税において、当初予算に対して減額補正をしているにもかかわらず、予算現額と収入済額との大きな差が生じている要因は?
◎小西啓詞財政課長
市税の予算については、過去の調定額や徴収率の実績も踏まえ、経済情勢の動向や国の税制改正、また地方財政計画等を勘案して見積もりを行っているところだ。減額補正についても、当年度の課税実績や収入状況を見きわめ、当初予算での見積もりとの差異の更正を行っているが、調定額及び徴収率それぞれの見込みとの差が生じることにより最終予算額と決算額との差異が生じたところであり、さらに的確な見積りに努めたいと考えている。
◆内藤智司
この辺の財政は、なかなか難しく私自身も根本的に理解していないかもしれませんが、予算があって3月に今回2億4000万円の減額補正をしながら、調定額が6億8000万円?収入未済額という形になっていて、全体で実際の当初予算額よりも9億円もショートしてる。という捉まえ方をしていたが、違ったようなので、今後、財政に関しては勉強し直したいと思う。 次に、不用額について、一般会計で49億円余りと、これは多額と見るのかどうかは別として、決算審査意見書においても、保険給付費に伴い変動する繰出金や扶助費は、予算要求時において見積もりは困難であるが、限られた財源を効果的に活用するため、今後とも見積もりに慎重を期するよう要望する。と意見があった。
決算を審査する私どもにとっては、こうした不用額であるとか繰越額とかなどが大きな額という状況は、厳しい財政状況にあるにもかかわらず予算を効率的に使えていないのではないか?と思う。もっと言えば、予算を黒字にするために必要以上に執行を抑制したりとかストップがかかっているのではないか?とよからぬことも懸念される。
そこで、平成29年度の一般会計の不用額についてどのような認識をされているのか?
◎小西啓詞財政課長
一般会計においては、おおむね前年度並みの不用額となったが、人件費や扶助費などいわゆる義務的経費の執行残額のほか投資的経費における入札差金など、いわば必然的に生じるもののほか、その他物件費等の経費についても、市民サービスの低下を招かないよう留意しながら、効率的な執行と経費節減に努めたことなどにより不用額が生じたものと認識しておいる。
一方で、厳しい財政状況の中で財源の活用を図る観点においては、適切な予算見積もり及び事業執行の的確な把握により不用額の縮減にも努めたいと考えている。
◆内藤智司
これは毎年議論されるが、1000億円に対して40億円が良いのか。他市に比べても3%、4%という状況の中で、「そういうもの」と過去に言われたこともあるが、額にすれば50億円だから、その辺の精査がきちっとできていかなければらないと思う。
議会の審査において予算は予算、決算は決算という別々で、予算で計画した事業がちゃんと有効に、また効果的に執行できるか。我々議員がチェックするためには、予算とその決算における執行額、成果や比較して検証すべき資料を作成してほしい。その検証を予算編成に生かしていくべきものと考えるので、これについては意見をしておく。
ここで決算に関連して予算編成について問う。
今年平成31年度予算編成は、3カ月前倒しとされて、本会議でも決算審議での指摘など今後の予算編成で随時反映していくと財務部長の答弁があった。また、この前倒しの大きな目的は、時間的な余裕を持って事業を計画すると、きちっと立てるというほかに、予算編成にかかる時間を長くとって事務負担を平準化するという説明もあり、指摘もした。
そこで、この前倒しが予算編成が長期化する。言いかえれば予算のための残業が増えるということにならない意味でも、財政課は特に残業が多いと言われ、深夜や休日の勤務であるようにも聞いている。やはり一定のめどがなければ、ズルズルと時間外が増えるということにもなりかねない。業務量は確かに多いと思うが、めどを最長21時、宿題を残すことなく職員に帰っていただくということが健康維持のためにも適正と考えるが?
◎辻井淳財務部長
今回の予算編成の日程を前倒しした目的の一つは、事務の平準化による超過勤務の削減という点がある。したがって、新たな試みであり、試行錯誤といった面もあるが、適切にスケジュール管理を行うとともに、業務のさらなる効率化も図りながら負担の軽減に努めたいと考えている。