平成31年3月 定例会「討論」 03月20日

平成31年3月 定例会「討論」 03月20日

本議会での「討論」

◆内藤智司

  「議会議案第3号 奈良市職員の退職手当に関する条例及び奈良市企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部改正について」に反対し、その理由を述べる。

  私は、今回の議案の付託を受けた総務委員会の委員の一人として審査に当たった者として、その意見を述べたいと思う。

  今回の条例改正議案の提案理由には、非違行為の発覚時点の相違による職員間の不公正を解消させるためであり、そのきっかけになったのは民生金庫運用資金の不正行為に関する職員の懲戒処分について。条例改正案の趣旨は一定の理解はでき、審査を行うに当たっては、私たちは慎重に審査をした。そのために、当時の当事者にもそれぞれ話を聞いた。条例改正案は、例えばけがをして出血したところを止血しようとするものであり、いわゆる出血した傷口をとめようとするものである。

  処分量定の中では、不正が疑われる事案であるにもかかわらず、人事課や監察監への報告もしなかったことが問われています。今回の事案については、部長も当時の次長も課長も、これにかかわった周囲の管理職も不正が疑われていたことは認識されていた。その意味では、今回の処分量定に鑑みると若干の違和感を抱かれても仕方がないと思う。周囲から見ると、その責任を現場に押しつけたように感じられる。かかわった管理職のうち一人でも危機管理が備わっていれば、今日に至っていなかったのではないか。

  ここにいる理事者の皆さん、そして管理者の皆さんに聞いていただきたい。管理職は、そのときに発生した事案に対し管理責任を担っていくことは、管理者としての責務だ。それを放棄してしまえば組織は崩壊していく。これまで本市職員の不正は後を絶たない状況だ。しかし一方、ほとんどの職員は日々真面目に公務に励んでいる。

  一部の間違った行為で市役所全体の信頼がそのたびに損なわれていくことは、職員の働きがいにも影響することだ。不正を行った職員もその後の仕事を失い、公務員としての人生を失うことになる。また、その家族の生活を狂わせることにもなる。職員とその家族を守っていくためには、今後決して不正を起こさせない、不正を見逃さない、そういった危機管理を徹底し、健全な組織風土を構築していくことのほうを最優先しなければならないと考える。以上をもって討論とする。