議案第82号 令和元年度奈良市一般会計補正予算第3号 に対する修正案の提案の趣旨説明

議案第82号 令和元年度奈良市一般会計補正予算第3号 に対する修正案の提案の趣旨説明 議案第82号 令和元年度奈良市一般会計補正予算第3号に対する修正案の提案の趣旨説明をする。

  議案第82号 令和元年度奈良市一般会計補正予算第3号は、去る6月定例会で減額修正した本庁舎耐震化の補正予算を一部見直しされ、7月臨時会を招集され、再度耐震化と長寿命化の予算を再提案された。本会議での質疑や委員会での資料要求で、耐震化工事と同時に行うことでコストダウンが見込まれる項目はないと説明され、我が会派としては最低限の耐震化をまず優先し、長寿命化の予算については引き続き議論すべきと考え、議案第82号に対する修正案を提出する。       

  その修正内容は、庁舎等施設整備事業費12億8300万円のうち、長寿命化工事に係る一般単独債等の3億3640万円を減額し、国の有利な交付税措置のある緊急防災・減災事業債のみとし、9億4660万円に修正し、令和2年度までの債務負担行為の限度額も同様に5億460万円の減額をし、その限度額を14億4140万円に修正しようとするものだ。以下、その理由を述べる。 私たちは、本庁舎の耐震化問題について、30年3月に耐震化基本構想が策定されてから、その後執行部側から経過報告もされてこなかったので、昨年の12月定例会の代表質問においてその考え方を問うてきたが、明確な回答が得られず、その後突然12月25日に全員協議会が招集され、本庁舎の耐震化の説明がなされたところだ。後、1月17日に、荒井知事が奈良市議会の勉強会で奈良市のまちづくりの中での積水跡地への移転案を示されたことで、奈良市は急遽1月21日に議会に勉強会として知事案に対する本市の考え方を提示、その際には3月当初予算に計上する予定であると説明されていた。しかし、3月の当初予算にも計上されず、その後の総務委員会でもその方向性が示されず、突然6月3日の説明会となり、ここから今回の移転案と耐震案が報道、マスコミを通じて市民に知らされることになり、公開会談まで至ったわけだ。

  私たちは早くから、耐震化について必要であり、早期に工事を進めるべきであると考えてきた。緊防債ありき、日程ありきにならないよう、「いながら工事」での来庁する市民、職員の安全確保、職場環境の議論を始めなければならないと本会議でも委員会でも訴えてきた。議会内においても、昨年12月には特別委員会を立ち上げて議論しなければ3月の当初予算の中では十分な議論はできないことも訴えてきた。

  市長は、6月定例会において、今回予算を通してもらわないと日程が間に合わない、令和2年度中の工事計画ができない、と緊防債の交付税措置の15億円がもらえなくなると答弁している。しかし、6月定例会では、委員会における資料要求でも十分な資料は出ず、「いながら工事」における工事工程も提示されず、議論が尽くせず、耐震化予算を減額修正された。

  今回の特別委員会の審議によって、工事計画が遅れても緊防債の交付税措置がゼロにならないことと、遅れが生じたことについては他の起債によって一定の交付税措置が受けられることも明らかになった。 次に、長寿命化についてだが、昨年度、調査・設計委託された窓口環境整備業務委託の成果によると、調査範囲の什器類の多くがCランクと言われる継続使用不可と判定されている。それに伴い、基本構想策定時には什器類の取りかえ費用として3億7000万円の予算が計上されていたが、現在は実施見送りとされている。昨日、中央棟のエアコンが故障したそうです。これは今回の長寿命化に含まれていない。逆に、議会から要求もされていない議会棟の改修予算が盛り込まれてきた。長寿命化として挙げられている項目は、本当に必要なのかどうかをもっと庁内で議論すべきではないか。職員の皆さんは、1年中この庁舎で、向こう30年間仕事をしていかなければなりません。議会棟に投じる予算があるなら少しでも職場の環境を整備していくべきだと思う。

  このたびの議論で会計課の金庫が取りつけで移動できない、移設できないということが明らかになった。会計課の移動先に金庫を設置する予算は計上されていないこと、必要か必要でないか、これから検討するとのことだった。では、窓口一元化環境整備はどうされていくのか。市長は、知事との会談の中で指摘された防災拠点等の建築物に係るガイドラインについて、今回の答弁の中では長寿命化工事項目に反映していると強調されてきた。北棟もガイドラインの対象建築物であるにもかかわらず、予算に反映されていない。調査はされたのか。まだまだ審議は尽くされていないと思う。本庁舎のあり方検討特別委員会は存続し、所管事務で今後も議論していく。

  我々議会は、仮に長寿命化を含めた耐震化工事予算を可決するならば、無事入札を執行され、9月定例会には契約締結議案が提出されるのか。工事着手から予定どおり工事が進捗していくのか。議会として監視しなければならない。耐震化にかかわる庁内会議の議事録の資料を求めたが、庁内会議と位置づけられたものの議事録はないとのことだった。庁内会議と位置づけられた会議がなされていないとのことだ。今回のような大変重要な、そして全庁にかかわる予算を決定していくのに庁内会議がなされず、その政策決定の経過プロセスを残さないで事業計画がされていくことに大きな疑問を抱かざるを得ない。3期目の市長就任当初に表明されていたボトムアップとは何なのか。

  我が会派は、昨日の特別委員会では議案審議の継続を求めた。賛成少数でかなわなかった。これまでの我が会派の耐震化は必要であるとの考え方は変わらない。よって、改めて長寿命化にかかわる部分について継続審査を求め、原案から減額し、耐震化工事をまず進め、それと並行して長寿命化を議論すべき修正案を提出するものだ。

  以上、趣旨説明とする。