平成27年6月 定例会【個人質問】-06月19日

20番(内藤智司君)

改革新政会の内藤でございます。
 今回は、地域自治協議会の設立において、基本方針とこれまでの経過及び本年度の計画について、市長と市民活動部長に一問一答で御質問をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。早速入らせていただきます。
 今般の地域自治協議会設立の取り組みのそもそもは、平成21年に制定された市民参画及び協働によるまちづくり条例の中で、5年以内に必要であると認められたときに審議会の意見に基づいて必要な措置を行うというところから、平成25年の審議会の提案を受け、奈良市の連合会との協議を踏まえ、連合会は、昨年、平成26年3月に検討部会の中間報告が提出されております。本来、それを受けて条例の改正がなされていく中にあって、今日に至っているという状況であります。
 今日までの地域社会を取り巻く環境は、町内会や自治会などの地縁組織が主体となって地域の実情に合わせた活動が行われてきました。しかし、人口減少や少子高齢化の進行などに伴う担い手不足などが主たる原因として、地域における住民自治機能の低下が見られる中、行政に対する地域住民のニーズは今後ますます多様化、高度化し、その全てを公的なサービスに求めてくることも予想されます。
 しかし、一方で、基礎自治体を取り巻く環境は、高齢社会の到来による行政需要の増大や人口減少による税収の減などにより、財政状況は一段と厳しくなり、行政の地域活性化施策だけでは、住民の福祉の増進という使命を全うできるわけでもないのが実情であり、地域住民による創意と工夫に満ちた活動によって、地域を活性化させていくことが必要になると考えられるところです。
 地域自治協議会や地域コミュニティーの必要性は、全国的にもその広がりを見るところでもあり、先進市においてもさまざまな取り組みがされております。本市でも、住民が主体となる新しい住民自治組織の設置に向けた取り組みを始めようとしている地域もあります。行政として、地域の担い手である地域コミュニティーに対してどのように向き合い、どのような考え方でもって実践し、どのように地域コミュニティーと自治体運営とを関係づけるか、その現状と課題について、これから順次お考えをお示しいただきたいと思います。
 まずは、市長に基本的な考え方をお聞きします。
 まずは、地域コミュニティーの位置づけを明確にすることが重要であると考えます。例えば、条例であるとか、計画で指針を明確にするかなど、いろいろな方法があると思います。行政との相互補完や協働と言えるパートナーシップの領域が大きくなればなるほど、一方的な依存関係や下請関係などに陥らないように、地域コミュニティーの位置づけを明確にした上で、両者の役割分担を適切に示されるべきであると考えますが、どのように根拠づけようとされているのかお考えをお聞かせください。
 

◎市長(仲川元庸君)

ただいまの内藤議員からの御質問にお答え申し上げます。
 地域自治協議会の設立に向けまして、本市としての地域コミュニティーの位置づけをどのように考えているかという御質問でございます。
 深刻化する人口減少と少子高齢化の進展によりまして、これまでどおりのやり方では、地域も行政も存続できない状況となっていることは明らかだと認識をいたしております。そのため、自分たちのまちは自分たちの力でつくっていこうという住民自治の原点に立ち、地域でできることは地域で行い、地域ができないところを行政が補完をするという新しい協働の仕組みにシフトをしていく必要が出てきたわけでございます。
 その中におきまして、それぞれの地域特性を生かしたまちづくりを進めていくためにも、新しい仕組みであります地域自治協議会を市民参画及び協働によるまちづくり条例の中でしっかりと位置づけをし、互いに地域の課題を共有して、ともに行政と地域が課題解決に向けた取り組みを進めていかなければならない、そのように考えているところでございます。
 

◆20番(内藤智司君)

 市長の基本的な考えにつきましては、理解をさせていただきました。それでは、詳細について数点、市民活動部長にお尋ねしたいと思います。
 昨年度、200万円の予算をかけて地域コミュニティ実態調査を実施されました。いろんな角度から分析されたというふうに思いますが、地域自治協議会設立に向けどのような課題が出てきたのか、主なものについてお答えください。

◎市民活動部長(今西尚子君)

 地域コミュニティ実態調査は、市内に所在する地縁団体を初め、社会教育や福祉、防犯・防災活動など、さまざまな活動を行っている団体や事業者、ボランティア、NPOから無作為に500団体を抽出し、その活動内容や課題などについてアンケートを行ったもので、417団体から回答をいただき、回収率は83%となっております。
 それぞれの団体における主な課題として、運営面では、予算が足りないという回答が全体の約43%を占めており、人材面では、役員、理事等のなり手がいないという回答が全体の約45%、また、参加者に関する課題では、活動への参加者が少ないという回答が約46%となっております。また、今後については、他団体と協働していくべきと回答された団体が約55%あり、いずれの団体も協働の重要性を感じておられるものと思われます。
 

◆20番(内藤智司君) 

それでは、今、御答弁のあった地域コミュニティ実態調査の結果を受けて、今後どのような対応を検討されているのかお答えください。

◎市民活動部長(今西尚子君)

 今年度から奈良市自治連合会の各ブロックから1地区ずつ選出された10地区で実施しております地域コミュニティワークショップの場において、抽出した地域課題と、実態調査から得た課題を参考に、それらの課題解決に向けた施策を検討してまいりたいと考えております。
 また、各地域の将来像やまちづくりにおけるビジョンを明確にした地域自治計画の策定と、その地域のまちづくりをスムーズに進めるための支援として専門的な地域アドバイザーを派遣してまいりたいと考えております。
 

◆20番(内藤智司君)

 意見等については、全て質問させていただいた後に指摘をさせていただきたいと思います。次に進めたいと思います。
 次に、地域コミュニティーとの協働推進に有効である行政支援として、事業費の助成が上げられております。私も幾つかの先進市に視察に行かせていただきました。例えば、地域に交付金がない自治体では、ある程度事業費の助成を設定しながらスムーズに移行したところもありますし、逆に本市に似た形で、既存の交付金との整合性に苦慮されているところもありました。
 本市としても、協議会への事業費の助成と既存の各種交付金との整合性について、どのように考えているのかお聞かせください。

◎市民活動部長(今西尚子君)

 現在、本市では、各自治連合会に対して、地域コミュニティーの推進や地域がともに支え合う地域福祉の充実などに活用していただくための交付金を既に交付しております。実態調査におきましても、予算的な課題が上がっておりますことから、地域自治協議会を運営する経費について、市としてどのようにしていくのか庁内で検討してまいりたいと考えております。
 

◆20番(内藤智司君)

 それでは、地域とどのように向き合い、どのような考え方でもって実践していくのか、お聞きしていきたいんですが、地域コミュニティーの拠点づくりについてはどのように考えているのか、人材の育成と確保、財源での手当て、また、市とコミュニティー自治と経営の仕組みを構築していかなければ持続可能なものにならないと思いますが、お考えをお聞かせください。

◎市民活動部長(今西尚子君)

 地域コミュニティー活動の拠点としては、それぞれの地域に存在する公共施設を有効活用いただきたいと考えておりますが、地域自治協議会を運営するための事務所機能や人材については、地域の実情も一様でないため、その必要性も含め検討を進めていきたいと考えております。
 

◆20番(内藤智司君)

 そこで、どのように地域コミュニティーと自治体運営とを関係づけるのか、地域担当者が単なる地域コミュニティーの事務局、事務とならないように、しっかりとした現場主義の理念を今から構築する必要があると思います。
 具体的には、市民におけるコミュニティー自治の意義、それと、市とコミュニティーの役割分担、市とコミュニティーとの協働、これらについて明確にする必要があると思いますが、どのように考えておられますか。

◎市民活動部長(今西尚子君)

 本来、地方自治は、団体自治と住民自治から成り立っておりますので、地域住民による自立したまちづくりと自治体運営とがうまくかみ合うのが望ましいと考えております。市と地域自治協議会との役割分担を明確にするためにも、地域との協働をどのように進めていくのか、互いに議論し、認識し合う必要があると思われます。
 

◆20番(内藤智司君)

 行政としては、地域の担当職員が過度に関係し過ぎると、地域コミュニティーの自主性、自立性を阻害することは承知のとおりですが、昨年度と今年度において、いずれもファシリテーター養成経費が計上されていますが、その進捗状況はどのようになっておりますか、お聞かせください。

◎市民活動部長(今西尚子君)

 ファシリテーター養成につきましては、平成26年度にグループワークを盛り込んだ研修を集中的に行い、まちづくりファシリテーターを23名任命いたしました。
 今年度は既に開催しております各地域における地域コミュニティワークショップに、そのまちづくりファシリテーターを派遣しております。また、今後さらなるスキルアップを図るために、より実践的な研修を予定しているところでございます。
 

◆20番(内藤智司君)

 職員は毎年人事異動による所属変更があり、協議会役員も担い手不足が懸念されているところですが、協議会を継続的に発展させていくためには、人材育成について、特に立ち上げの時期には重要な課題となってくると思いますが、どのようにお考えですか、お聞かせください。

◎市民活動部長(今西尚子君)

 特に、地域自治協議会の立ち上げ時期においては、地域内の人間関係を円滑にし、前向きな意見が言い合える環境を整える必要があると考えております。そのためには、地域における対話の場において、地域情報を共有し合い、課題を抽出する手助けを継続的に行うキーパーソンが非常に重要となってまいります。
 まちづくりファシリテーターがその地域のコーディネーターとして地域と行政のパイプ役となるのが理想的ではありますが、それぞれの地域の中にもそのようなキーパーソンがおられるのが望ましいのではないかと考えております。
 

◆20番(内藤智司君)

 それでは、逆に、庁内の検討委員会が昨年実施されたところでありますが、昨年度2回実施されたというふうにも聞いておりますが、現在どこまで議論が進んでいるのかお聞かせください。

◎市民活動部長(今西尚子君)

 庁内検討委員会は、昨年度2回開催いたしましたが、具体的な議論にまで至らなかったのが現状でございます。
 年度もかわりましたので、平成27年度に1回目の庁内検討委員会を開催し、情報共有を行うとともに、具体的な議論を行ってまいりたいと考えております。
 

◆20番(内藤智司君)

 現在、本市では、地域自治協議会の設立に積極的な地域と、そうでない地区との温度差が非常に大きいと思われます。現在の地域別の取り組み状況についてお聞かせください。

◎市民活動部長(今西尚子君)

 議員お述べのとおり、地域自治協議会の設立に向けた意識がまだ醸成されていない地域もございます。
 先ほども御答弁いたしましたように、今年度は、自治連合会49地区のうち10地区で地域コミュニティワークショップを行う予定でございますが、それ以外の地域においても説明会を開催するなどの啓発活動を行いながら、機運を高めてまいりたいと考えております。
 

◆20番(内藤智司君)

 地域自治の組織をつくる取り組みについては、行政においても、地域においても、まずは機運の醸成から、そして、さまざまな準備期間、そして、活動期間というように、何段階にもわたって発展的に進めていかなければならないと考えます。今後のスケジュールについてどのように考えておられるのかお聞かせください。

◎市民活動部長(今西尚子君)

 各地域によって取り組みの期間が異なっているのが現状であり、議員御指摘のとおり、段階的に進めていく必要がございます。
 現状では、設立間近という地域と、準備にまだまだ時間がかかるという地域がありますので、一律的なスケジュールではなく、それぞれの現状に合わせた対応を行ってまいりたいと考えております。
 

◆20番(内藤智司君)

 それでは、地域自治協議会を設立するためには、先ほども少し触れましたが、人的体制、それから財政面での手当てを図るための体制づくりが必要であると思いますが、条例や規則等を制定する時期はいつごろと考えておられるのかお聞かせください。

◎市民活動部長(今西尚子君)

 現在、市民参画及び協働によるまちづくり審議会におきまして、条例の改正案や規則等について御審議をいただいているところでございます。
 つきましては、当審議会から審議結果となる意見書をいただき次第、その意見書をもって、市としての対応を行いたいと考えているところでございます。
 

◆20番(内藤智司君)

 ここからは、少し市長にお聞きさせていただきたいと思います。
 地域の人々が暮らしを支え合う基礎的な単位として、地域コミュニティーを基本に考えるということであれば、国と自治体との関係のように、法制度的な視点からでは割り切れない調整事項、言いかえれば、デリケートな部分も多いと思います。どこまでの地域自治を市民に任せていけるのか、行政として冷静かつ客観的に実態を分析し、絶えず検討し続けていかなければ、発展的な役割を担っていただくことは非常に難しいと考えます。
 理想的には、市の支援によって地域コミュニティーだけで経営ができる体制づくりに取り組むべきと思いますが、市長としての総括的な立場でのお考えをお聞かせください。

◎市長(仲川元庸君)

 総括的な立場でどのように考えるかということでございますけれども、先ほどから御指摘をいただいておりますように、地域が自立した形で自分たちのまちづくりや自治を行っていこうということを、我々も非常に重視をしている部分でございますが、一方で、それだけで担えるというわけでは、もちろんございませんので、足りない部分については、行政がしっかりと支援をすると、この両方の強みを生かした体制づくりが不可欠だというふうに認識をいたしております。
 その中におきまして、やはり地域と言いましても、非常に状況や地域の抱える課題というものは多様でございますので、まずは、それぞれの地域でできることは何か、また、逆に言えば、行政がなすべきことは何か、そういったことについて、これまでも議論してきたところでございますけれども、そういったものも踏まえながら、パートナーシップ型で、まず、課題の共有、また、課題解決に向けてのそれぞれの役割分担ということについても、協働で向き合っていく必要があるというふうに考えております。
 つきましては、先ほど部長が答弁申し上げましたように、審議会から御意見をいただいた後に速やかに条例の改正を行って、早期に地域自治協議会という新たな制度が展開できますように、スピード感を持って取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

◆20番(内藤智司君)

 私も幾つかの市を視察させていただいて、いろんな状況の中での設立の状況を視察をさせていただきましたが、奈良市におきましては、先ほど申しましたように、平成26年3月に中間報告をいただいた上で、庁内で、そういった庁内会議を進めて、条例化、私は、地域が先か、行政が先かという問題ではなくて、やはりいろんな場所を視察させていただいた上で、行政側の枠組みがやはりあっての地域自治協議会の設立だというふうに思います。
 枠組みというのは、やはり条例化をして、そこで規定をして、行政としてどのように協議会をつくっていくか、そのことがまず先決であろうというふうに思います。この1年間、協議会、検討委員会を2回された中で、先ほど部長の答弁があったように、具体的な議論が進んでいない、庁内でそういった意思疎通ができていない中で、連合会のほうと並行して進んでいくということになれば、いつまでも、連合会の思っている思い、それから、行政ができる役割というのがかみ合わない、そういった意味では、早急にやはり条例を組み立てて、それを地域にやっぱり伝えていくということが必要やというふうに、私は思います。
 先ほど市長からスピーディーにこれを進めていきたいというふうなお答えをいただきましたが、方向的にいつごろをめどに考えておられるのか、お答えできればしていただきたいと思います。

◎市長(仲川元庸君)

 具体的なスケジュールということでございますが、今、進めております審議会のほうが、8月めどに最後の取りまとめをいただくというふうに聞いております。ですので、その後、速やかに議会に条例改正につきましてもお諮りをしていきたいという流れで考えております。
 まだ、その審議会のスケジュールが、細かい日にちのところまでちょっと固まっていないところもありますけれども、おおむねそのようなスケジュール感で進めていきたいというふうに考えております。

◆20番(内藤智司君)

 8月めどに、それ以降に条例化していくという形になると思いますが、条例化が進めば、当然その後、具体的に、そしたら、基本方針とか、いわゆる制度設計とか、そういったところに入っていく、当然それもでき上がっていかなければ、地域に対して根づいていかないというふうに思います。
 その意味で、一番課題なのは、今、地域と行政側の温度差、これは先ほどもお答えいただきましたが、財政的な支援に対する地域と行政間の温度差があるというふうに思っております。これについて、市長のお考えをお聞かせください。

◎市長(仲川元庸君)

 財政的な部分、これは実態調査の中でも、予算的な課題というのが上げられている部分がございますので、我々も認識をいたしております。
 一方で、制度として、地域に交付金なのか補助金なのか、いろんな形でお金を出していくということになりますと、まず1つには、今の財政状況の中で、どれぐらいの規模のものが可能かということは一つ大きなハードルになってこようかと思っています。
 一方で、先ほど部長が答弁を申し上げたように、既存の補助金を、既に自治会組織さんなどには交付をさせていただいているという部分がございますので、このあたりの重複というようなところをしっかりと整理をしていかなければならないというふうに思っております。
 また、一方で、地域の実情も多様でございますので、ある地域は100の役割を担えると、でも、ある地域は30の役割しか担えないというようなことも、中には出てこようかと思います。このあたりのルールづくりというところが非常に難しいといいますか、重要かなと思っております。
 ここにつきましては、市の自治連合会の中に設置をされております地域自治協議会の検討委員会というもの、それから、我々のほうとしては、行政の庁内に検討委員会というものを置いておりますので、この両方の委員会を、合同会議という形で開催をさせていただいて、その中で、こういった時代でもありますので、何ができて何ができないのかということを、忌憚のない意見交換をするということが非常に重要だと思っております。
 地域のほうも、今のこの時代背景ということは十二分に御理解をいただいておりますので、何でもかんでも何かが欲しいというようなことではないというふうにも御理解いただいているという状況でございますので、今ある中でどうやっていくかと、そういった議論でしっかりと丁寧な議論をしていきたいと思いますし、これについては、従来よりもより一歩行政サイドが踏み込んで、この仕組みづくりを動かしていくと、そういった姿勢が重要かなというふうに認識をいたしております。

◆20番(内藤智司君)

 それでは、最後に、私がこれまでいろいろ視察させていただいた上で、それから、今の市の状況を踏まえて、意見を述べたいというふうに思います。
 先ほどもありましたように、財政面の支援をどうするかというのは、私はここがスタートだというふうに思います。それが決まらない以上、それから先の方向性が、やはり制度の設計といったものが、非常に組み立てが、方向性が難しい。担当していただく課は、やっぱり庁内を横串にして、それをどうしていくかということを、やはり先頭をとっていっていただかなければならないというふうに思っておりますので、市長のほうにつきましては、そこの方針を、極めてスピーディーに、やはりそれを出していただく必要があるのかなというふうに思います。
 視察した先では、もう既に、先ほども言いましたように、奈良市のように連合会があって、そこにいろんな形で交付金、助成金がされておって、連合会としてはその上に何をつくるんやといった、なかなか理解をしてもらえなかった市もございますし、連合会が、豊中市なんかは、連合会組織というものがないんですね。行政側はそんなに自治会に依存していないんです。例えば、市民だよりを配布するに当たっても、奈良市では、謝金という形で自治会にお願いをしていただいて、そこへ交付金を出しています。しかし、豊中なんかの場合でしたら、それは全て業者がやっていますんで、そしたら、地域に対しての交付金、助成金のあり方というのがそんなにないんです。
 だから、そこのところに対して、要は、逆に何が難しいかと言えば、連合会がないから、それぞれの地縁組織がばらばらで動いている。それを、なぜまとめんなあかんねんというところに対して、担当課の方が、非常にそれをまとめるのに苦労されていたというふうなところもございます。
 長浜市の場合ですと、合併するときに、もう既に疲弊していた町村等が、これを活性化させなあかんということで、一くくりにしていくという、協議会をつくるということの意義を、スムーズに移行できたというところもあります。
 奈良市についても、今、49あるんですか、地区あると思うんですけれども、49通りの、やはり運営をされております。それぞれの加盟する自治会から分担金を集めて、連合会でそれを運営されているといった自治会もございますし、一切、連合会、そういった単一自治会からの分担金なしに行事を運営されているというところもございます。それぞれの自治会によって会費というものもそれぞれ、金額、50円であるところもあれば、800円であるところもあります。
 そういったところに対してどうしていくんやということが、非常に、やはりこれからの、僕は課題になるというふうに思いますし、奈良市自身も、今の交付金を出している上において、例えば、ある市みたいに、この事業に対しては最高300万円まで出しますよといった市もありました。そうすると、40地区あれば、1億何がしの予算が必要になってくると。ましてや、今の奈良市にとって、そういった財政に対して、どうやってそれを出していく、捻出していくねんということにも、非常に難しいところがあると思います。
 一度、例えば、今の地域地域における交付金、助成金のあり方、それを一から見直して、自治組織を組み立てていくといったことも、やっぱり設計していく上では必要かなというふうにも思います。そういうことを考えると、ただ単に条文、条例を改正すればという形ではなくて、その後、その制度設計をしていくに当たっては、今、調査をされているファシリテーターが行って、ワークショップをやって、実態を調査されている、その分析は非常に大事な仕事となってくると思いますし、庁内の中での意思疎通、連携といったものも、非常に、私は、スピーディーにより分析してやっていかなければならないというふうに思います。
 なかなかこれから進めていく上に当たっては、担当課、非常に音頭をとっていただくのに大事なところから入っていかなければならないというふうに思いますので、市長の方針をきちっと伝えて、それが庁内全体に伝わり、それが、これから設立していこうとする連合会に向けて発信できるように、行政側が主導をとってやっていけるような、そんな進め方を今後していただきたいというふうに思います。
 これで、私の質問を終わります。ありがとうございます