奈良市  令和5年9月 定例会  09月27日-05号

◆内藤智司 

 私は、会派を代表して、議案第101号 令和5年度奈良市一般会計補正予算第4号、債務負担行為補正追加分、環境清美工場の大規模改修について意見を付して賛成する。

 残余についても賛成する。

 理由は、環境清美工場における今回の補正予算に提案されている大規模改修費の140億円について、私たち議会は全会派が代表質問に取り上げ、また多くの議員が一般質問、予算決算委員会各分科会、総括質疑と議論を尽くしきた。本来なら4年度の決算審査であるべき定例会において、1件の補正予算に異例とも言える審査時間を費やした。

 その上で明らかになったことは、今回の大規模改修費の140億円は、設備のみに積算された金額であること、工事中における区域外処理等の費用は含まれていない。設備と同様に建屋も40年が経過していること、基礎の鉄筋が内部で腐食していないだろうか、基礎コンクリートは割れていないだろうか、6月の炉の緊急停止から焼却炉ばかりに気を取られているが、他の設備に問題はないのか、工事の進捗状況によってさらに大きな経費が発生するのではないだろうか、この140億円の予算は必要最低限であることを認識しておかなければならない。

 他の事業の市債償還が始まろうとしている。本庁舎耐震工事、子どもセンター、新斎苑の大規模建設事業の市債返済は今始まったばかりだ。一方で、なら100年会館の市債返済は令和11年に終了し、三セク債は令和14年に最終年となる、ピークは令和7年から8年であるということ。

 一昨日の議長を除く全議員による予算決算委員会では、全会一致で可決された。私たちは、今回この補正予算を躊躇することは許されない。また、今後幾ら金額が上積みされようと引き返すこともできない。そのことを覚悟してこの140億円を将来に背負わせることを採決しなければならないこと、このことは本会議の中でも意見を申し上げてきた。改めて意見を付する。

 また、工場の運転の人員不足、高齢化の対応についても市長の考え方を聞いたが、40年間、24時間稼働させてきた炉の運転技術がそんなに簡単に継承できるものではない。運転員の人員確保は設備以上に大きな課題であること、このことも改めて指摘しておく。

 140億円を費やし、大規模改修を余儀なくされた現設備は、新クリーンセンターが開業開始されるまで最低でも10年間稼働を継続させなければならない。そのためには、焼却炉の負担を少しでも軽減することが求められる。市民の皆さんの御協力は不可欠だ。さらなるごみの分別の必要性を理解していただき、協力を求めていくためには、環境清美工場の現状を伝えていくことが必須と考える。以前にも申し上げたが、市長自ら各地区自治連合会、または単一自治会を回り、このことを訴えていくことを求めておく。

 市長、まだ何も解決していない。改修工事は令和6年1月からだ。まだ1年以上現状を見守らなければならない。この予算への市長の覚悟をお聞かせいただいた。「廃棄物処理を安定的に継続できる状態を確保し、その上でしっかりと財政運営を行っていくこととする」との御答弁だった。このことだけに全集中してください。地元地域から出ている請願が取り下げられない以上、七条地区に限定した新クリーンセンター建設に努力している余裕はありません。これ以上市民に負担を残さないためにも、来年度当初予算において最低限必要な予算は是としながら、これまでのように新たな政策予算には厳しい姿勢で新世の会は臨んでいくこととします。

 以上、討論とする。